海に浮かぶ月のはしっこ

映画や文学作品、神話関連その他の事をおぼえがきしますよ

【観光】英国一人旅 5 / ロンドン散歩・コヴェントガーデンを目指して 5月24日・午後編3

人生をやり直すための、初1人日本脱出。
文学オタク(サブカル的に愛する的な意味で)である私、友人の勧めもあってロンドンで文学聖地巡礼をする事にしたのでありました。

ようやく2日目の午後の中盤…です(苦笑

さて、前回までのお話。
snow-moonsea.hatenablog.jp

ロンドン到着2日目。
ツアーに含まれているロンドン市内観光のプログラムを順調にこなし、昼食の後は簡単に大英博物館を見学。
デモや誤算等の些細なトラブルはありましたが…まぁ大した痛手ではなかったのでトラブルのうちに入らない、かな?(*'▽'*)

大英博物館での20分間のフリータイムを終え、戻ってきたところです。
いよいよ、聖地巡礼っぽい事を始めます(°▽°)

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大英博物館の次の目的地は…

今旅の聖地巡礼作品の一つでもある『ジキル博士とハイド氏』のめっちゃお洒落な洋書を購入したところで、自由時間ももうおしまい。
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可愛い…

当初の計画の「目当てのお土産をサクッと買って、再来館時の時間を節約しちゃおう作戦」は失敗に終わりました_(:3 」∠)_

「一目惚れだと思うくらい心臓を射抜かれた推し作品のグッズ(お洒落な装丁の本)」に出会えた事は幸運だったから、「まぁ、いい…か」と無理矢理納得する私。

そう…文学作品のオタク(※サブカル的な意味で)をやっていると、キャラクターグッズが出なくて寂しい思いをするから、こういうお洒落な本はある意味推しグッズみたいなものなのです。

…書いてある本の中身は同じだけど(;^ω^)


集合場所のトーテムポールに行くと、ツアーメンバーの中にもお土産の包みを持った人がちらほらと。各々20分間を満喫したみたいです。

途中下車するか?それともホテルに戻るか?

添乗員さんが点呼を取る際に、バスの途中下車の場所を聞いて回っていました。これからバスでホテルに向かいますが、途中下車も可能だ…という。

そういえば前日、飛行機でロンドンに到着した直後の連絡時間にもそんな話があったっけ。
そう、確かその時に各施設のイラスト付きの、手描きの地図をもらいました。(添乗員さんが描いたのかな…すごいな…。)

しかしそれは、あらかじめ日本でツアーチケットと一緒にもらっていたスケジュール表には書かれていなかった事です。これもまた、「その時になってみないとわからない要素」だったのでしょう。(添乗員さんは現地に行ってみないと不確かな事は確実になってから通達します)

聖地巡礼で巡るポイントがはっきり決まっていた上に、旅先でテンパって過呼吸を起こしたりしないようにとスケジュールをぴっちり決めていた私。
予定外の事に戸惑って、思考を停止…つまり、保留にしてました(>△<;)

アフタヌーンティーの時にも一旦挙手形式で希望の途中下車場所を聞かれましたが…その時もまだ迷っておりました。


選択肢は4つ。

大英博物館に残る
・エロスの像で有名なピカデリーサーカスで降りる
・ロンドンを代表するデパートの一つ「ハロッズ」の前で降りる
・ホテルに帰る


私は18時に「ピカデリーサーカス」に行かねばならない理由がありました。別の旅行会社さんの主催するオプショナルツアーに申し込んでいて、その集合場所がそこなのです。
日本でもらったスケジュール表の通りにホテルに戻るとしたら、ホテル到着予定時刻が16時半。ホテルからピカデリーサーカスまで地下鉄で30分。スムーズにいけば17時にピカデリーサーカスに着く計算だけど…途中下車が可能ならホテルに戻る選択肢は論外です。

ハロッズは行ってみたいとは思っていたものの、場所や時間から考えて予定から外した場所です。ゆっくりショッピングできるなら、平日は夜の22時頃まで開いているのできっと満喫できる。けれど私は18時にピカデリーサーカス行かなくてはならないから、ショッピングの時間は大して取れないでしょう。除外っ(T_T)

残る選択肢は大英博物館とピカデリーサーカス下車。
大英博物館でクリアできなかったミッションをクリアし、めぼしい展示物を見てしまってからピカデリーサーカスに向かうか、ピカデリーサーカスで集合時間まで時間を潰すか……(。-_-。)

大英博物館に残るか?ピカデリーサーカスに行くか?

そのタイミングで現地ガイドさんに途中下車周辺の施設について質問をしている人が。参考になるかもしれないし、思い切って聞いてみよう!(°▽°)

ピカデリーサーカスに降りて、18時まで時間を潰すスポット候補…「セシルコート通り」について聞いてみることにしました。
自由行動日に行こうと思っていた場所で、ピカデリーサーカスから650mほど。ハリー・ポッター』シリーズに登場する魔法の商店街、ダイアゴン横丁のイメージのモデルになった場所で、古書店を中心に書店が立ち並んだ文学オタク(本の虫的な意味で)にとってはとっても素敵な場所らしい。東京でいうなら神田みたいなところなのかしら。
ほら、前述の通り、推し文学のグッズは基本的に本なので(*'ω'*)


…と思ったんですけどね…。

現地ガイドさん「セシルコート?ああ、ハリーポッターの?」
私(°▽°)「それもありますが、古書店街だと聞きまして」
現地ガイドさん「んー、でも今はほとんど本屋さんないよ」
私( ゚д゚)「マジデスカ………」


ここで私、再び悩む。
ピカデリーサーカスで下車して時間を潰したとして「2回目に大英博物館に来る時、入り口の手荷物検査で並ぶのは面倒くさいかな…2回目は日曜日だし、混んだら展示物が見辛いかも…」という懸念。
大英博物館に残ったとして、「いや、でもあと1.5時間回っただけで満足するのは流石に無理では…」(>ω<;)

スケジュールが狂うと混乱しやすいのも私の弱点…場数をこなして慣れるしかありません(;ω;)


何にせよバスに荷物を置いてきてしまったのでバスに戻る道中、添乗員さんにも相談してみました。
その回答は、大英博物館は広くて、展示エリアもたくさんあるから人が分散するし、日曜日だからって物凄く混んで展示が見づらい、なんてことはないと思いますよ(*´꒳`*)」

…というわけで、私の心は決まりました(`・ω・´)+


セシルコート通りが現在どうなっているかはわかりませんが、セシルコート通りを通って、その更に200m先にあるスポット「コヴェントガーデン・アップルマーケット」に行ってしまおう!
そうすれば、自由行動日に大英博物館より東に行く必要がなくなるd(^_^o)

ピカデリーサーカスで途中下車に決定です(*⁰▿⁰*)

結論:ピカデリーサーカス下車

市内観光バスツアー解散、ピカデリーサーカス下車。ピカデリーサーカスは大通りの交差点になっています。地下鉄の駅もある。

ピカデリー"サーカス"とはいいますが、この"サーカス"って曲芸等のショーの事ではなく、「円形の広場」という意味らしいです。といっても、ピカデリーサーカスはあんまり円形っぽくないんですが、都市開発の結果、そうなってしまったのだ……と、ゲーム『アサシンクリードシンジケート』のゲーム内解説で読みました(°▽°)

いやぁ、ほんと、アサシンクリードってゲームは歴史上の世界をバーチャルで観光出来るだけではなく、こういうところが良いですね。勉強になります…。(勿論、解説部分については鵜呑みにしないで後追いで情報を確かめる事も大切です ( `・ω・´)+)

デパート「フォートナム・アンド・メイソン」の話

ピカデリーサーカスでは現地ガイドさんと3人のおば様方が一緒に下車しました。おば様方の目的地はデパート「フォートナム・アンド・メイソン」だそう。
www.fortnumandmason.com

フォートナム・アンド・メイソン…。
スマホゲーム『Fate/Grand Order』の第4章、19世紀のロンドンで玉藻さんが「せっかくロンドンに来たんだからフォートナム・アンド・メイソンの紅茶を!(※意訳)」って言ってた、アレ。
www.fate-go.jp

フォートナム・アンド・メイソンの紅茶は日本のデパートや通販でも購入する事ができます。
fortnumandmason.co.jp
以前、紅茶好きの友人の贈り物に選んだ紅茶も日本の支店から通販しました(*‘ω‘ *)


このデパート、その時はピカデリーサーカスから結構遠いんじゃないかなーと一瞬思ったけど、全然そんなことなかった!
ピカデリーサーカスから300mくらい!今思えば、そっちに行っても良かったな。

私も自由行動の日(日曜日)にその付近に行くつもりだったのですが、時間の都合上、その辺をぐるりと散歩するくらいしか出来ないことがわかっていました。
博物館などの施設は17時頃に閉まってしまうから、そちらを優先するとフォートナム・アンド・メイソンに着くのは17時半…とか。
フォートナム・アンド・メイソン平日は22時くらいまで開いているけれど、日曜日は18時閉店なんです_(:3 」∠)_ 他のデパートも大体そんな感じです。日本みたいに「日曜日はむしろ通常より遅くまで開いてるぜ(`・ω・´)+」…なんてことない。宗教的な理由も大きいのかもですね。(日曜は安息日…)

フォートナム・アンド・メイソン近くを散歩したいのには別の理由があったから、閉店してても行く予定は変わらないのですが…けれどせっかくならお買い物したかった〜(´;ω;`)
…という後悔も、今だから言えること。

その散歩したかった理由とスポットについては次回の更新分でお話致します(*'ω'*)


余談ですが、ロンドンの有名デパートというと「ハロッズ」「リバティ」「フォートナム・アンド・メイソン」などなどあり、各デパートの有料ショッピングバッグが可愛いので、お土産にする人も多いらしい。
後日地下鉄でフォートナム・アンド・メイソンのショッピングバッグを持っている人を見かけましたが、確かにお洒落で可愛いです。


現地ガイドのおじ様、そしてツアー参加のおば様方と別れを告げて、私は彼等とは反対の方角へ。
一人、Googleマップを起動し、ひとまずピカデリーサーカスの交差点を目指します。


こうして私の想定よりもずっと早く、私は単身でロンドンに解き放たれたのです。

ロンドン自由散策!(※ただし時間は1時間半しかない)

この時間のルートをMyマップにしてみたのでご参考ください。

探索ルートは
ピカデリーサーカス→トラファルガー広場→セシルコート通り(※私は失敗したようです)→コヴェントガーデン・アップルマーケット


総括としては…。
ピカデリーサーカスからコヴェントガーデン・アップルマーケットに行って帰って来るだけなので1時間半で行き帰りも問題ないです。ただし、時間帯的にはもっと早い時間…朝10時〜夕方16時くらいの方が絶対に良かったですし、お店巡りは全然ゆっくりできませんでした。
マーケットを散歩するだけなら十分な時間だったと思います。理由は私の体験を通して何となく察していただけると(`・ω・´)

ピカデリーサーカス→セシルコート通り

本屋さんもうほとんどないよとは言われたけど…1軒でもあればきっと楽しいはず!

コヴェントガーデン・アップルマーケットを目指す途中でセシルコート通りを経由する事にしました。


ピカデリーサーカスのシンボルといえば、エロス像。最も、本来のモデルはエロス(愛欲)ではなくアンテロス(返愛)らしいのですけど…。
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日本でいうハチ公像みたいな感じなのかしら。
定番の待ち合わせ場所みたいです。

キュウリに驚く日本人観光客、私。

一応念の為、18時の集合場所を確認しておく事に。ピカデリーサーカス駅前の巨大スポーツ用品店「リリーホワイツ」の前…。
想像以上にこの建物は大きく、店名も目立っていたのでそこを確認するのに全然苦労はしませんでした。

さぁいざコヴェントガーデンを目指して東へ……と思ったら、颯爽と何かを食べ歩く金髪のお兄さんとすれ違いました。食べ歩きなんて原宿に行けばしょっちゅうすれ違うから別に何とも思わないのですけど、つい二度見。

だってお兄さんが持ってるの、緑で、細長くて……。

キューカンバー(キュウリ)じゃん。


となりのトトロ』のサツキちゃんがおばあちゃんからもらったキュウリを食べてるシーンみたいに、ぼりぼりと。日本だったら「河童かな?」って思う案件ですけど…。

イギリスの人ってそんなにキュウリ好きなの???( ゚д゚)

アフタヌーンティーにキューカンバーサンドイッチは欠かせない。キュウリの食感を楽しむ食べ物。
…みたいな話は昼食の記事に書いた通り聞いたことがあったから、割とすぐに結びつきはするんですが……

……食べ歩きするくらい好きなの???( ゚Д゚)
そこまで好きだとは予想の範疇になかったです(珍しい案件かもわかりませんが)

トラファルガー・大道芸人

本日何度目かのトラファルガー広場を通り過ぎる…
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トラファルガー広場にはたくさんのパフォーマーが集い、ジャグリングやアクロバットなどを披露していました。
日本で言うなら…上野公園みたいな感じでしょうか?似顔絵を描いて売る人や、地面に絵を並べている人が目に付くのもその雰囲気に近いです。

パフォーマーを取り囲む円がいくつもできていて賑やかでした(*'ω'*)

ナショナルギャラリー…に行けなかった理由。

トラファルガー広場の北側を通過……すなわちナショナルギャラリーの目の前を通ったのでした。

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目の前過ぎて柱しか撮影できないポジションだったので、この写真はバスの中から撮影したものです(;^ω^)

www.nationalgallery.org.uk

ナショナルギャラリーもロンドンを代表する美術館の一つ。レオナルド・ダ・ヴィンチフェルメールルーベンスティツィアーノファン・エイクゴッホetc...何度も画集で目にした名画が、行けばそこにある。本物が。

ですが、今回の渡航ではナショナルギャラリーに時間を割けない_(:3 」∠)_

イギリス…いや、ロンドンだけでも調べれば調べるほど、私の興味に繋がるものがたくさんあるんです。

「英文学は好きだけどイギリス自体には大して興味がないし、ご飯不味いんでしょ…
パンフレットで目玉にされてる貴族の煌びやかな社交界にもあんまり興味がないし…」

とか言って一人旅の候補の下の方にあったのに、いざロンドンに行くことが決まって調べだしたら行きたいスポットが本当にたくさんあって…色々切り捨てざるを得ませんでした(´;ω;`)
英文学は勿論の事、ドールハウスの聖地だし、美術館や博物館もたくさんありますので…。

今回は文学聖地巡礼をテーマにしていて、それを巡るのだけでも予定がキッツキツで、泣く泣く割愛した聖地もあるくらいです。美術館に入ってしまうと時間があっという間に溶けてしまい、聖地巡礼どころではない(・Д・)


ナショナルギャラリーも入場料が無料。……管理費くらい取っていいのよ?って思うんですけど。それとも、寄付やミュージアムショップの売り上げで賄えているのかな…?
現地ガイドさんはロンドンに住んでいる人の税金(高い)で賄われているそうですが……それを聞くとなんだか申し訳ないな……!もし行く機会に恵まれたらミュージアムショップで思いっきりショッピングしよう……。

セシルコート通りを探せ…なかった。

結論から申し上げますと……私、セシルコート通りに行くための道を1本曲がり間違えたようです( ゚Д゚)

一枚だけ現在位置を撮影した写真があったので場所を特定してみたら、角を曲がり間違えている…。
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左はしに映っているお店はこの通り唯一の本と雑誌のお店です。「えっ本屋ってこれだけ!?」って思ったけれど道が違う…!


グーグルマップで確認してみると本物のセシルコート通りは4~5軒ほどの書店がまばらにある短くて小さな道のようです
最も、時間もなかったので諦めが肝心ですが…。

その代わり、ハリーポッターのお菓子の専門店の前を通過しました(*'ω'*) 入る心の余裕がなかったけど!!!


この時は「何か違う気がするけれどコヴェントガーデンに行く時間が無くなっちゃう!」とあきらめたのでした。
まぁ、でも、本屋を見つけられたとしても英語がわからないから本を探せないし、それに大英博物館で「理想的な一目惚れをした本」を買ったし……。
最も、本当はセシルコート通りでそういう運命的な出会いを体験する予定だったんですけど……!!(>_<)

また次回…次回ね!次回…は、あるのか!!?( ;∀;)

コヴェントガーデン・アップルマーケット

そんな複雑な思いを抱えながら、石畳の道をてくてくと進んでいく…「なんだか開けた所が見えてきたなぁ」と思った先が……目的地「コヴェントガーデン・アップルマーケット」です!!(*'ω'*)
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広場で人が大きな輪を描くように座っていましたが、右側の見切れている部分にパフォーマーがいたんですよね。手品なのかジャグリングなのか、道具を使ったパフォーマンスで度々拍手が。

コヴェントガーデンっていうのはこのあたりの地域の住所の名称らしいのです。アップルマーケットはこの周辺で開かれているマーケットの通称らしい。

多分、昔は市場があったから"アップル"マーケットなんじゃないかしら。
1868年がモデルの「アサシンクリードシンジケート」でここを歩いてみるとその様子を疑似体験できます。
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このスクリーンショットだけでも食べ物を売るお店が並んでいるのがわかるかなと思いますが…。
なかなかにぎやかでいいですね(*'ω'*)逆に当時はこの今何もない広場の部分まで市場が広がっていたんですね(実際そうだったかどうかは写真とかの資料を見て確認したいところだけど、"市場"だからそうだと思う。)
もともと英文学の時代の雰囲気を知りたくてプレイした「アサシンクリードシンジケート」だけど、プレイしてから実際に行くと名所を見る度に全く雰囲気が変わっていなくてビックリします。

中央の三つ並んだ三角屋根の建物は現在ショッピングモールになっているそうですよ( *'ω'*)
写真左側の三角が二つ連なったような形の建物の下を歩きましたが、露店(ストールというらしい)が集まっているエリアになっています。現在"アップルマーケット"と呼ばれるところ。

水彩画を売るお店、お花屋さん、手作りっぽいアクセサリーを売るお店、ロンドンのお土産を売るお店……奥の方に行ってみると面白Tシャツや革製品を売るお店、ハンドメイドのような皮の表紙のノートを売るお店もありました。観光地!って感じがしますね(^ω^)
私、こういうお店を見て回るのは大好きです。ついつい観光地に行くと見てしまいます。

お土産を見るのに夢中になりながら、コヴェントガーデンのマーケットの向こう側まで歩きました。
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反対側も広場になっていて開けています。

コヴェントガーデンのマーケットは映画『マイフェアレディー』の撮影にも使われていたようなのですが雰囲気があってよいです。この作品の主人公イライザも花売りとしてここに来ていましたね。甘ったるいラブストーリーかと思いきや、割とコメディも多く、楽しいミュージカル映画ですよ(*'ω'*)
ラブ要素はありますが、そこまで甘くないのでスッキリ見られます。「バッカだなぁ!このツンデレ共がーー!!素直になれよ!!!(* ゚Д゚)」って思いながら見ちゃう。

余談ですが、言語学者のヒギンズ教授が皮肉屋で傲慢で気が短くて不器用(良く言えばツンデレで、言い回しは丁寧だけどかなり言葉がキツく…悪い意味でステレオタイプの英国紳士。
個人的にこういうタイプの人間が嫌いなので「英国紳士」というキャラ付けされたキャラクターが苦手だったのですが……今回の旅でその評価は改めるべきだと反省しました( ;∀;)
ツンデレなのは可愛げがあるんですが、常にマウンティングしてくる人間とは仲良くできないですね…。
ええ、現実世界の英国紳士には大変親切にしていただいたので好印象です(*'ω'*)


本当はもう少し先まで歩いてみたかったけれど、時間が心配だったので断念してしまいました。
もう一つ、『透明人間』に関係のあるスポットがあるはずだったのだけれど。

こういう風に書くと、何だか行きたくても行ききれなかったスポットが多すぎてリベンジを思い描いてしまいますね。
お土産屋さんではキラキラしたアクセサリーやビッグベンの模型に本物の時計が埋め込まれたミニチュアが可愛くて目を奪われましたが、悩んだ結果、結局買わずに通り過ぎてしまいました。ううん、時間に追われて買い物を楽しむ余裕がなかったのもあるのですが、夕方の5時を過ぎた頃にはお客さんの少ないお店からお片づけが始まってしまったのです。
お買い物を楽しみたいのなら、もっと早い時間に来るのがいいですね( ;∀;)

【文学聖地】『透明人間』:コヴェントガーデン・マーケット

何故この「コヴェントガーデン」に来たかったかというと、ここが文学聖地……ハーバート・ジョージ・ウェルズの『透明人間』で主人公のグリフィンが訪れる場所だからです(*'ω'*)
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透明人間 (岩波文庫)

透明人間 (岩波文庫)

snow-moonsea.hatenablog.jp

グリフィンは非常勤講師等をして食いつないでいた貧乏科学者
時系列から計算すると30歳前後(多分32歳)のようですが、透き通るような肌で白い髪とガーネット色の眼のアルビノの英国人男性です。ひげを生やしているようですが、何日もの逃走の末の描写なので整えられていない無精ひげな気がします。

家賃が払えない上に家主から言いがかりを付けられていたグリフィンは透明薬の試作品を飲み干して、1月の雪がちらつくロンドンを彷徨い歩きます。……全裸で。服は透明じゃないから…ガタガタ震えつつ透明な体の上に雪が積もるのを気にしながら歩く姿は哀愁があって好きですね(笑)
性格は粗雑なので本来はあまり好感の持てる人物ではないのですけど。

なお、この全裸でロンドンを彷徨うシーンは、実在の地名がたくさん出てくるので、Googleマップで検索をかけ、その通りにストリートビューでバーチャル散歩すると楽しいですよ(*‘ω‘ *)

コヴェントガーデン・マーケットもロンドンを彷徨う最中にグリフィンが「透明人間なんて全然楽しくない」とうんざりしながら歩くシーンの中にあります。

ベッドフォード通りではある男とぶつかって倒れ、危うく四輪馬車に轢き殺されかけた。馭者は何かにちょっとぶつかったと思ったらしい。この出来事でおじけづいた私はコヴェント・ガーデン市場に逃げこみ、菫を売る花屋の角の静かな所で一息いれた。
H・G・ウェルズ『透明人間』橋本槇矩(訳)、岩波書店(1992)、P.177

実際にコヴェントガーデンのマーケット周辺を散策してみると、露店のある周辺は確かに身を隠すのにちょうどいいと思いました。お花を売っている露店もありましたし、「グリフィンの見た景色はこんな感じだったかな」と重ねてみると楽しい。

そうだ、「文学聖地マーキング」をしよう!

実はコヴェントガーデン・マーケットに到着した時、私はだいぶ疲れていました(;^ω^)
精神的には全く疲れを感じていませんでしたが、何より足の裏が熱い。靴は4cm防水機能付きのウォーキング向けスニーカーで内側のクッションもフカフカ
疲れにくい靴だと思っていましたが、それでも市内観光の後ですし、マメが出来ても仕方ないかも。

ひとまず休憩しようと思ってコヴェントガーデン・マーケットの正面にあった建物に背中を預けて一休みすることにしました。柱に特徴のある建物で、なんだかギリシャかローマの神殿みたい。そういえばロンドンはギリシャの神殿みたいな建物がたくさんあるんですよね。銀行やナショナルギャラリーもそうですが、大英博物館もそうで…なんでしょうね、建てられた時期は似ている気がするので当時の流行?
そんなことを考えながら鞄の中から貴重な水のペットボトルを取り出して飲む。


その時、鞄に入っていた「今日聖地巡礼で訪れるかもしれないスポットの翻訳」を見てマーキングすることを思いつきました。特に利用方法は決めていませんでしたが「実際にそこへ行った時、該当シーンの文章を読んで何か思いつくことがあるかもしれない」という意味で持ち歩いていたのです。最も、この日はコヴェントガーデン・マーケットに来る予定がなかったので『透明人間』は大英博物館用だったのですが……(大英博物館の北を歩く描写があるから)

聖地をバックに、本が映るようにして一枚、パチリ。
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この一枚の写真をきっかけに、私の聖地巡礼のルールが出来ました(*'ω'*)

文学聖地に着いたらその場所が映るように本の写真を撮ること!

しかし、スマホとはいえ片手で写真を撮るのは難しいです(;^ω^)
特に片手だとどこにピントを合わせて撮るかの微調整が出来ないのでこの写真も本にピントが合っている写真を撮ることが出来ませんでした。まぁいいのです、「ここに来た」ことが重要なのですから!

余談:セントポール教会

ところで、この私が寄りかかっていた「コヴェントガーデン・マーケット正面の建物」ですが…セントポール教会」という歴史的建造物の裏側だったみたいです。

セント・ポール教会の魅力・地図・行き方【JTB】

名前は似てるけど、セントポール大聖堂とは別教会です。St.Paul……つまりキリスト教聖人「聖パウロ」のこと。

私はクリスチャンではないし聖パウロ氏にもこの教会自体にもあまり接点を感じなかったので、それを知った時も「へぇーそうなんだ!」くらいだったんですけど…

帰国後に「アサシンクリードシンジケート」でバーチャル疑似観光をしていた時、意外な接点を見つけてしまいました。
(「アサシンクリードシンジケート」はステータス画面で観光した名所に関する豆知識を読むことが出来るんですよ!)
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礼拝堂の中の壁には、イギリスの最も優れた俳優をたたえた記念の盾が並べられている。
現在飾られている盾には、チャーリー・チャップリンボリス・カーロフなどがある。

(放浪者とフランケンシュタインか。この2人が登場する作品なら金を払ってでも観たい)

(それともちろん、フランケンシュタインが怪物の名前ではないことは知ってる。マニアを怒らせたかっただけだ。な、騙されただろ!)

()はこの情報を読んでいる語り部のコメントなのですが…
何そのマニア向けジョーク…!!
あ、いや、英語圏だとこれくらいの知識を要するジョークは常識の範囲…なのかしら??( ゚Д゚)
いや、でも「マニアを怒らせたかった」って言ってるし、英語圏でも高度なジョークなのか??


チャーリー・チャップリン氏は「放浪者(The Tramp)」という山高帽を被った紳士なホームレスの役が有名。
ボリス・カーロフ氏は1931年版『フランケンシュタイン』の"フランケンシュタインの怪物"役が有名です。

(1931年版の映画では)フランケンシュタイン」は主人公の科学者ヘンリー・フランケンシュタインのことで、人造人間である"怪物(クリーチャー)"に名前はありませんボリス・カーロフ氏の演じた「言葉を話せず、力は強いけど体の動きがぎこちなく、四角い頭にボルトが刺さっていて顔や体に継ぎはぎの縫い目がある人造人間」の姿が有名になり、いつの前にか「ボリス・カーロフ氏の演じた怪物=フランケンシュタイン」という事になってしまった。

(↓↓↓ 以前そんなことを調べてまとめたのでよかったら読んでね)
snow-moonsea.hatenablog.jp

その前提を踏まえての「放浪者とフランケンシュタインか」「フランケンシュタインが怪物の名前ではないことは知ってる」というジョークです(;^ω^)
…やっぱりレトロ映画オタクじゃないとわからないジョークじゃない…??


ちなみに、これを読んだ時「マニアを怒らせたかった」は一瞬文学オタクに向けられているのかなと思ったんですが、文脈が合わないのでレトロ映画オタクに向けられていると思います。
文学オタクに向けられている、と思ったのはメアリー・シェリー著『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』はボリス・カーロフ氏の演じた1931年版映画と筋書きが違うからです。主人公はスイス生まれの天才だけどヘタレな大学生ヴィクター・フランケンシュタイン。怪物は滅茶苦茶賢くて自分の権利を主張し脅迫さえしてくる黒髪で恐ろしい黄ばんだ眼をした人造人間。

1931年版のヘンリーは人造人間を閉じ込めてしつけようとしたけど逃げられて、ヴィクターは怪物が目覚めた瞬間に怖くなってその場から逃げてしまった。行動が逆です。
でも怪物に名前がないのは同じだから、きっとレトロ映画マニアに向けられているんですよね?(;^ω^)

(私はヘタレなヴィクターくんが好きなのですよ!)
snow-moonsea.hatenablog.jp


そういうわけで、私は少しばかりボリス・カーロフ氏に一方的な因縁…というか、接点があります。『ミイラ再生』は観ていないのですが…。
なのでその盾というのを見てみるのもよかったんじゃないかな、と今は思っています。けれどそれも「縁」です。

しかしロンドン…イギリスではなくロンドン"だけ"、ですよ??これでは時間がいくらあっても足りません!( ;∀;)

余談:【文学聖地】『透明人間』ドゥルリーレーン

今回行かなかったコヴェントガーデン・マーケットの向こう側…。
ドゥルリーレーンという場所があります。

それは『透明人間』でグリフィンがロンドンを透明で全裸でガタガタ震えながら彷徨っていた時、この状況を打開するための方法を思いついたシーンと関係がある……と思われる場所です。
本文はこんな感じ。

ようやく目的の場所にたどりついた。そこはドルアリー・レイン近くの小路にある小さな薄汚れた店で、ショーウィンドウには舞台用のキラキラ光る服、模造の宝石、かつら、上靴、仮面、舞台写真などが飾ってあった。四階建てのビルの一階にある店は古臭く、天井は低く、内部は暗かった。
H・G・ウェルズ『透明人間』橋本槇矩(訳)、岩波書店(1992)、P.178

岩波書店版ではドルアリー・レインと翻訳されているのですが、Googleマップの表記ではドゥルリーレーン。
このあたりの地域は劇場がたくさんあって、演劇街になっているみたいです。

グリフィンは最初の頃こそ人から見えないことを面白がっていましたが、コヴェントガーデン・マーケットに逃げ込む原因になった「馬車にひき殺されかける」等の事を通して、見えない故に誰にも気づいてもらえない弊害を味わいます。
誰にも気づいてもらえないんじゃ飲食店で注文も取れないという事で、体中に包帯を巻いてカツラをつけて、青いサングラスと着け鼻を付けてマフラーで口元をぐるぐる覆って……すなわち人から見えるように衣装をまとえばいい。
そのための変装道具を手に入れるために、グリフィンは劇場街を目指したのでした。

そんなグリフィンがその後どうなったかは是非原作を読んでいただきたいところですね(*'ω'*)

次回予告

さて、15000字を超えてしまったのでこのあたりで切りたいと思います。
次回はコヴェントガーデン・マーケットを後にして18時からのオプショナルツアーに参加します。

いつになったらこの2日目は終わるんでしょうか!?次回で最終回にしたいところですが…

次回は『ジキル博士とハイド氏』のハイドの隠れ家があったエリアに行きますので、楽しみにしていただけると幸いです(*'ω'*)ノシ

★続きはこちら
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