海に浮かぶ月のはしっこ

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【M.S.F.P.】マッドサイエンティスト交友会 ~ Mad-Scientist Friendship Party

M.S.F.P.ーーそれは「マッドサイエンティストの祖」を中心とした名高い狂科学者で構成された組織の名称である。
彼らは主に文学作品を起源として名を馳せているが果たしてその実態は…。

…ということもなく、原作とサブカルなどでのイメージとの差異をネタにしたりしながら単純に各文学作品のマッドサイエンティストたちをゆるゆると交流させるクロスオーバー二次創作です。

サムネイル画像などでお目に掛ける機会が多いかもしれません。

★メンバー募集中。(訳:良き名作文学マッドサイエンティストがいたら教えて欲しい)

M.S.F.P. メンバー

M.S.F.P. 会員No,1:ヴィクター・フランケンシュタイン

ヴィクター・フランケンシュタイン
登場作品名:M・シェリー「フランケンシュタイン~或いは現代のプロメテウス」(1818年)
通称:「マッドサイエンティストの祖」
フランケンシュタイン・コンプレックスの語源となった「人造人間の父」。

致命的にメンタルが弱い天才大学生。ショックな出来事があっては気絶し、熱を出して寝込んでいる。
コミュ障なので大学で友達を一人も作れず、挙句の果てには「僕の友達は幼馴染の二人だけ」と友達になろうという誘いを断る。また、大学生なので博士号は持っていない。もともと進学前は錬金術に傾倒し、永遠の命や無から生命を生み出す術に執着し始める。しかし、生み出した人造人間が目覚めた時、怖くなって逃げだした。
ジュネーヴ出身の甘やかされて育ったお金持ちの残念なお坊ちゃんだが、才能だけは本物で(計算が正しければ)"17歳の時に大学に進学、19歳の時に命なきものに命を吹き込む術を身に付け、21歳の時に人造人間を作った"。

→M.S.F.P. にて
M.S.F.P. 最年少。そのため、他のメンバーには大学の教授に接するような態度で接する。
怪物に名前(フランケンシュタイン)を取られることを苦々しく思っているが、名前をつけなかったお前が悪い。
メンバーで唯一、ハイドと透明人間の正体を知らない。(出版年が古いから)
友達が出来ないことを息子さん(怪物)に心配されているが、彼がコミュ障なのは原作からなので、クラーヴァル以外の友達はできない。

M.S.F.P. 会員No,2:ヘンリー・ジキル

ヘンリー・ジキル
登場作品名:スティーヴンソン「ジキル博士とハイド氏」(1886年
通称:「二重人格者の代名詞」
モンスター小説として捉える場合、系統としては狼男の流れを汲んでいるらしい。

ハンサムな顔立ち、長身の50代英国紳士。医学、法学、民法学の博士号を持つ王立学会特別研究員。専ら医学研究に没頭している。町でも慈善家として知られている独身貴族。若い頃はかなりやんちゃしてたらしい。
謎の男に異様に固執し、かなりのお金を貢いでいるらしい…が、その謎の男は飲み薬によって変身した彼自身。変身すると自制が効かなくなり、狡猾で冷酷、すぐ暴力を振るうようになる。この二重生活を楽しむために様々な偽装工作をしている確信犯。でも面と向かっての嘘や誤魔化しは下手。
変身薬に対し薬物依存の状態になっており、やがて薬を飲まなくてもフラッシュバックのように変身するようになってしまう。

→M.S.F.P. にて
M.S.F.P. の良心…と思いきや、薬を使うもしくはフラッシュバックでの変身が日常茶飯事のトラブルメーカー。通称"ヤク厨のダメなおじさん"。
欲に塗れているが清く正しくありたいと理性で抑制している…が、我慢できなくて結局薬をキメてしまうヤク厨(薬物依存症)。でも自分を擁護するばかりでその言葉にあまり罪悪感は感じられない。外面の良いクズ。
気のいいおじさんとしてヴィクターに接しているけれど、その裏でヴィクターに物凄く嫉妬していることは内緒。グリフィンとはヤク厨仲間。

M.S.F.P.会員No,2:エドワード・ハイド

エドワード・ハイド
立ち位置:ジキル博士の裏アカウント。享楽を満たす為の一側面。
青白い肌、言葉では説明の難しい奇形の外見を持ち、暴力事件を起こしているらしい冷酷な謎の若い男。小柄でチビ。
気は短いが冷静かつ狡猾な面もあり、その挙動からジキル博士を脅迫しているものと思われる…が、実際は薬で変身したジキル。チビなので突然変身した場合は服がぶかぶかの状態となり、袖は余り、裾は引きずってしまう。アタスンの言動によると、どうやら見た目は未成年らしい。
なお、記憶は共有しており、「体を共有する別人」というよりは「悪堕ち」に近い。ジキルがジキルで居る時、ハイドの時にした事は自分のしたことだとは認めないと言っているが、ハイドの時に自分がジキルであるという自覚はあるらしく、ジキルが心の奥底に隠し持っていた欲望や憎しみを自分のものとして解消しているため、あくまでも隠し持っていた別側面が表面化したもの(と私は解釈している)。

→M.S.F.P. にて
グリフィンと並んでM.S.F.P. のトラブルメーカー。チンピラか。
反省したのか少し大人しくなっているが、中の人(ジキル)は反省していないか、反省するポイントを間違えている。見た目や感情の表現方法は異なるが中身は同じなので見た目(青年)に反して2~30年前の事を自分の事として語る。低身長萌え袖ショタジジィ(公式)。自分は研究に10年かかった上に元の姿に戻れなくなったので、2年で研究を成し遂げたヴィクターに物凄く嫉妬している。
アタスンには嫌われたくないので彼の言う事は(ある程度)聞く。

M.S.F.P. 会員No,3:グリフィン

グリフィン
登場作品名:ハーバート・ジョージ・ウェルズ透明人間
通称:「透明人間」
モンスター映画などのサングラスをかけて包帯を巻いた透明人間のイメージは彼が元ネタ。

医学、物理学を学び、透明になる薬を開発した、白い髪と赤い目を持つ30代の科学者(計算が正しければ32歳)。職業はチェジルストウという田舎町にある大学の大学教授助手で、非常勤講師のような仕事をしていたが、上司である教授がパワハラ上司気味であり、自分の研究に専念する為にロンドンに戻った。
とても貧乏であり、透明人間になったきっかけも家賃が支払えなかったからである。
透明なのは肉体だけのため、全裸でロンドンの町を彷徨い歩いて何度も風邪をひき、元に戻りたいが解毒剤が作れず途方に暮れている。普通の人間と接する時は全身に包帯を巻き、ゴーグルと帽子を身に付けて可視化している。
とても気が短い性格で、暴力事件の他、窃盗、放火、脅迫など数々のトラブルを起こす。透明で居る期間が長くなるうちにその行動はエスカレート。多くの怪我人を出した。

→M.S.F.P. にて
M.S.F.P. のトラブルメーカー。ジキルおじさんと併せてヤク厨コンビ。自分に危害が加わりそうになると透明になり(全裸で)逃走する。
原作では一度透明になったら死ぬまで元に戻れなかったが、M.S.F.P. では時間の経過で元に戻る。酒を飲むと饒舌になり、なんやかんや上手くやっているものの、M.S.F.P. のメンバーは天才と金持ちばっかりなので事あるごとに嫉妬とイライラを募らせている。でもハイドとは武勇伝(?)を語る仲。ハイドの中身は勿論ジキルおじさんだけど、理性では武勇伝を語るのは恥だと思っているため薬がキマってないと語れない。
なお、透明でない時も包帯を巻いている。

M.S.F.P. 会員No,4:モロー博士

登場作品名:ハーバート・ジョージ・ウェルズ「モロー博士の島」
通称:Dr.モロー
生きた動物を改造して人造人間を作る生物学者
黒い目、白くふさふさとした髭を生やした男。

→M.S.F.P. にて


M.S.F.P. 関係者

M.S.F.P.会員No,1関係者:フランケンシュタインの怪物

フランくん(仮)
(※名前はなく、悪魔、怪物、創造物(クリーチャー)等と呼称される)
登場作品名:M・シェリー「フランケンシュタイン~或いは現代のプロメテウス」(1818年)
立ち位置:ヴィクターの作った人造人間(疑似親子)
身長8フィート(2.5m)、黒い髪と白い歯に黄ばんだ肌、黄色の恐ろしい目をした醜悪な怪物。ヴィクターが死体置き場や屠殺場から集めてきた人間や動物のパーツで作られたキメラのような存在。愛情に飢えており、それ故にヴィクターを脅迫する。
文学のみならず歴史、法律も理解する頭脳を持ち、運動能力も高く、気づいたら、そばにいる。
愛読書「失楽園」の影響でヴィクターを「創造主」と呼び、ヴィクターを脅迫するために彼の身内を殺害。
ヴィクターに対する愛憎は複雑で彼を憎み脅迫するが決して傷つけはしないどころか彼に食料を提供するシーンがある。

→M.S.F.P. にて
ヴィクターに父親として愛して欲しいが距離感がうまくいかず、もどかしい思いをしている。
見た目は大きくて怖いが、賢く良識があるため、変人の多いマッドサイエンティスト集団にツッコミを入れる事も多い。
名前がないがヴィクターが名付ける事を頑なに嫌がるので、M.S.F.P. メンバーからは通称「(ヴィクターの)息子さん」もしくは「フランくん(仮)」「(自称)アダムくん」などと呼ばれている。ただしヴィクターは頑なに「怪物」と呼び、「フランケンシュタイン」の名を使われると怒るので関係はあまり良好ではない。

M.S.F.P.会員No,1関係者:ヘンリー・クラーヴァル

ヘンリー・クラーヴァル
登場作品名:M・シェリー「フランケンシュタイン~或いは現代のプロメテウス」(1818年)
立ち位置:ヴィクターの幼馴染で無二の親友。
ヴィクターくんの唯一とも言える親友。庶民出身で心優しく気配りのできる青年。
ヴィクターと同じ大学に進学した文系男子で、ヴィクターがショックで気絶して寝込んだ時などは気を利かせて一人で看病を行うなどした。空気を察して的確な言動をする能力を持っており、ヴィクターの苦悩を察して事情を問い詰めなかったので、ヴィクターが"フランケンシュタインの怪物"を生み出したことを知らない。
作中、常に精神的に追い詰められているヴィクターの心の支えとなった。

→M.S.F.P. にて
どう見てもヴィクターくんの保護者。
ヴィクターと同じくハイドと透明人間の正体を知らないが、うまくトラブルを回避しながらも「こういう人もいるんだろうな」くらいに受け止めている。ヴィクターくんより精神年齢がずっと大人。"フランケンシュタインの怪物"に遭遇する事はほとんどないけれど、原作では一度遭遇していることもあり、事情は何となく察している。

M.S.F.P.会員No,1関係者:エリザベス・ラヴェンツァ

登場作品名:M・シェリー「フランケンシュタイン~或いは現代のプロメテウス」(1818年)
立ち位置:ヴィクターの幼馴染で親の決めた許嫁。金髪碧眼の美少女である。
育ちが良く心優しい性格で落ち着いている。(…いや、ヴィクターが落ち着きなさすぎなのでは?)

→M.S.F.P. にて
ヴィクターの帰りを待つ健気な幼馴染で友達以上恋人未満といったところ。
"フランケンシュタインの怪物"に遭遇する事はほとんどないけれど、事情はどうあれヴィクターが面倒見ているのだと思い込んでいる(※実際は付きまとわれている)。

M.S.F.P.会員No,2関係者:ガブリエル・ジョン・アタスン

ガブリエル・ジョン・アタスン
登場作品名:スティーヴンソン「ジキル博士とハイド氏」(1886年
立ち位置:ジキル博士の無二の親友。物語の進行役であり、今作の良心。
厳つい顔立ちで不愛想だが心根の優しい弁護士で、長身痩躯のスラっとした50代独身英国紳士。
親友であるジキル博士が謎の男に脅迫されていると思い、噂の謎の男エドワード・ハイドを追う。
「哀れなハリー・ジキル」というセリフは作中7回も言ったので多分口癖。

→M.S.F.P. にて
全ての真相を知っており、ジキル博士でもハイドでも「ヘンリー」または「ハリー」と呼ぶ。保護者。胃が痛い。
ハイドが若くてチビなので何となく親子に見える。

M.S.F.P.会員No,2関係者:ヘイスティ・ラニヨン Hastie Lanyon

登場作品名:スティーヴンソン「ジキル博士とハイド氏」(1886年
立ち位置:ジキルとアタスンの親友で医師。2人とは何十年もの付き合いだが、10年前ジキルの研究を非科学的だと吐き捨てた事がきっかけで交友関係が途絶えていた。白髪交じりの明るい性格の紳士。
話しながらいちいちオーバーアクションになる癖がある模様。事件の真相を知る重要な目撃者のひとりとなる。

→M.S.F.P. にて
「あいつ(ジキル)とは二度と関わりたくない!」…とのこと。

M.S.F.P.会員No,3関係猫:透明なねこ

透明なねこ
(※名前不明)
登場作品名:ハーバート・ジョージ・ウェルズ「透明人間」
立ち位置:グリフィンの近所の老婦人の愛猫。実験台の猫。
グリフィンが初めて透明薬の生体実験に使った猫。元々は彼の猫ではなく、近所に住む老婦人の飼い猫である。
しかし色素が完全に抜けきらず、緑の目だけが空中に浮かぶ。
しばらくはグリフィンが餌をやっていたが、鳴き声がうるさいので縛り上げ、最終的には部屋から追い出した。

→M.S.F.P. にて
行き場がないのでグリフィンに餌を求めるように緑の目だけが浮かんでいる。
でも、これはねこです。ねこはそこにいます。


その他

M.S.F.P.非会員1:グレゴール・ザムザ

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登場作品名:フランツ・カフカ変身」(1915年)

目が覚めたら気味の悪い蟲に変身していた青年。家族を養い、家の借金を返すため、そしていつか妹を進学させてあげるために身を粉にして働いていたのに、ある朝蟲になっている。
やがて家族の厄介者として物置のように使われるようになった自室に閉じ込められた挙句、父親にリンゴを投げつけられ、その傷が致命傷となって死ぬ。家族は彼の死を知ると肩の荷が下りたように新しい生活のために家を去っていった………という"不条理小説"の主人公である。
一体どういう意味の話かって、そりゃ本編では一切語られないのだから読者が想像するしかない。

→当ブログにて
体調が悪く(というか蟲化している)ても「病欠しようものならクビになる」と言って会社に行こうとする描写から「ブラック企業にお勤めのよく調教された社畜が、過労の末に統合失調症か何かにかかって働けなくなり、家族に見捨てられた挙句に父親の八つ当たりで死ぬ」という超絶望的な物語と解釈している。
私自身がブラック企業上がりの元社畜なので同情を寄せている。
不条理なのはこの社会だ。

M.S.F.P.非会員1:蟲

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立ち位置:グレゴール・ザムザの本体。
どんな姿の蟲なのかは語られない。脚がたくさんあって甲虫系…?狭くて暗いところを好み、壁を昇るのが得意で、粘液のようなものを出すことがあるらしい。
でも精神はグレゴールのままなのでお気に入りの家具への愛着がある。

→当ブログにて
そりゃ本体はこっちなので肌身離さず連れている。
なんかめっちゃキモいらしいので、ダイオウグソクムシとゴキブリとシミを足して割ったようなデザインにしてみました。
でも多分、「本体=心」です。