10月31日といえば、ハロウィン。
ハロウィンといえば…?
私は昔から個人的にハロウィンというイベントの不気味可愛い雰囲気が大好きなのですが、ヴィクターくんを知ってからはヴィクターくんのイベントのような気がしてなりません。
翌日から11月ですし!
私の言うヴィクターくんとは、ヴィクター・フランケンシュタインのこと。
メアリー・シェリー著『フランケンシュタイン;或いは現代のプロメテウス』(1818年)の主人公。
- 作者:メアリー シェリー
- 発売日: 2014/12/22
- メディア: 文庫
性格は「内気で陰キャ、友達作りが苦手で、臆病でネガティブ。
コミュ障のくせに自分の好きな事は延々と話し続ける」という典型的なオタク青年であり、天才故に成し遂げてしまった人体創造という偉業に自らビビって逃げた為に数奇な運命を辿る事になる……そういうヘタレな主人公。
ヘタレ好きとしては最高に愛おしいキャラクターです。
ハロウィンの時期になると毎年「フランケンシュタインっていうのは怪物じゃなくて博士の名前なんですよ!」っていう台詞をしばしば目にするのですが、「フランケンシュタインは博士号持ってないからな!!?大学も卒業できなかったからな!!!?」と反論したいのを抑えつつ、毎度毎度こうしてブログで「原作読んでくれよな!よろしくお願いします!!」と叫んでいる次第なのです。
そして、ハロウィンの時期になると、「フランケンシュタイン」の「概念」を多く見かけるようになる。
顔や身体に縫い目があって、頭は四角くて、ボルトは刺さってて、肌は緑の、通称・フランケン。
原作『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』にそんなキャラ居ないんですけどね(๑╹ω╹๑ )
前述の通り、フランケンシュタインとは主人公のヘタレ天才大学生のヴィクター・フランケンシュタインのことですし。
そのつぎはぎだらけのフランケン(概念)はヴィクターくんが創り上げたものの、ヴィクターくん自身がビビって逃げて置き去りにしてしまった人造人間が元ネタなのですが、髪は黒く、黄土色の肌と目を持ち、身長2.5m、強くて賢くてよく喋る。ボルトも刺さってないし、つぎはぎだらけとも書いていない…そもそもヴィクターくんの言動から「恐らく材料は人間の死体や動物の死骸だろう」、「恐らく命を吹き込む力とは電気エネルギーのことなのだろう」とは読者が勝手に察することが出来るものの、創造方法を話してくれないので「動力に雷を使った」とか「死体を繋ぎ合わせた」とは一言も言ってません。
そして人造人間には名前がなく、彼は置き去りにしたヴィクターを憎んでいる。憎んでいるのはヴィクターの事だけで、他の人間を傷つける時はヴィクターくんへの精神攻撃の意味が強い。
じゃあ、緑の怪物は何者なの?というと、ユニバーサル映画の1931年『フランケンシュタイン』の人造人間が元ネタらしい。
原作とはストーリーがだいぶ違うのですが、著作権切れでパブリックドメインですし映画好きの人は教養として観ておくと後年の作品のパロディ元として良い予備知識になるのではないかと思います。
…と言うのは毎度のことです。
いつぞやには、ハロウィンの伝統的なモンスターの「伝統的ってどういうことだ」ということを自由研究したこともありました。
snow-moonsea.hatenablog.jp
つまり、緑色でボルト刺さってるつぎはぎだらけのフランケンシュタインの概念(長いので以下フランケンと呼びます)、私が愛する原作のヴィクター・フランケンシュタインの生んだ人造人間から派生して変化したものなのでヴィクターくんとは直接的には全く関係がない。
けれどこのフランケンはどういうわけかハロウィンと紐付けられていて、ハロウィン時期になるとわっさわっさとグッズが出たりするのです。
どうしてなのでしょうね??
ホラー映画の代表的なモンスターの一人だからでしょうか???
本来はモンスターではないはずの「ミイラ」がハロウィンモンスター扱いされているあたりも併せてユニバーサルスタジオの陰謀のようにも感じてしまうのですけども。
理由はわからないけれど、ヴィクターくんと関係がなくとも、何となく気になってしまうフランケングッズ。
毎年フランケン絡みのハロウィン菓子を見つけてはついつい買ってきてしまうのです。
そう、ついにこの季節が来たー!!
ヴィクターくんへの嫌がらせ(?)に今年もフランケンハロウィン菓子を入手するぞ!!!
と、意気込んでいたのに、何故か今年は日本のハロウィン自体の規模が小さい。
やはりウイルスの影響は大きいのかもしれません。東京のハロウィンパーティーなども中止になってしまいましたし、デパ地下のハロウィン菓子の展開規模もとても小さく感じます。
夢中になってぐぐりまくった結果、今年はシャトレーゼで和菓子が出ているらしい!
10月1日、意気込んで買いに行ってきました!!
その道中、ダイソーにいたフランケンくんが滅茶苦茶可愛くて「違う…これは違うんだ…だがとても…とても可愛いぞ…」と思い、購入。
その後なんだかんだカルディなどを彷徨って、今年もなかなかにハロウィングッズは入手したような気がします。
ほとんど100円均一ショップなのですが。
ねりきりと拙宅のヴィクターくん。
(このヴィクターくんはオビツ11というカスタムドールパーツを使って自作したもの)
ヴィクターくん、息子さんに名前を付けなかったばかりに通称「フランケンシュタインの怪物」が省略されて名前を息子さんに奪われている。
フランケンってなんだ、フランケンって…。
「僕の家族だけじゃなく、名前まで奪う気か!」となるけど実際にそれを見ると「誰…?」って感じになるくらいキャラクターデザインが原型を留めていない…。
でもハロウィン業界ではこれが正しいんです。
なんか変な感じですよね。
一目惚れして買ってしまったハロウィンオブジェがこの三つ。
フランケンとミイラとハロウィンのお城。
このお城って何のイメージなんでしょうね?
ドラキュラ伯爵のお城なのかしら?
あれはあれで『ドラキュラ』という小説が元ネタと思わせといて映画のイメージを引きずってるんですが…
オレンジの背景にお城のシルエットが本当に可愛いです。
でもこのオブジェのフランケンもとても可愛いけれど、やっぱり原作由来のグッズの方がテンション上がります。
この小さな本はEtsyの作家さんから購入した豆本。
この本凄いんです、こんなに小さいのに本文が書かれているの!
一回り大きい方はロシアの作家さんの作品です。
ドール沼って本当にミニチュア・ドールハウス沼と隣り合わせの沼です…
ミイラくんは体育座りなのが可愛くて買ってしまいましたが、ミイラって別にモンスターじゃないよね。とは思います。
うちにミイラのキャラクターはいないので透明人間でも並べてみます…透明人間も「包帯の化け物(※本文より抜粋)」ですからね。
(H・G・ウェルズ著『透明人間』の主人公、大学教授助手のグリフィン。アルビニズムのマッドサイエンティストっていうセンスが素敵。しかもアルビノ体質がただの外観設定ではなく、色素がない事に意味があるというウェルズ先生のこだわりを感じます…そういうセンス好き。)
カルディではフランケンメモスタンドとたまごぼーろを買いました。
かつてこんなにハロウィンフランケングッズを購入した事があっただろうか…というくらい買ってますが、私自身が文学グッズが出なくて欲求不満だし、ハロウィングッズを思ったより見かけなくて悲しいのでしょう。
このぼーろ、一粒一粒にハロウィンの絵柄がプリントされていて滅茶苦茶可愛い!
味はとっても優しい味。カリッと噛んだ瞬間に粉になる食感が楽しいです。
このメモスタンドは見かけた当初「あっても使わないしなー」と思っていましたが仕事でメモスタンドが入用になったので思い切って買いました。
朝デスクに行くとちょこんと座ってるのがとっても可愛いです。メモスタンドとしても活躍してくれてます(╹◡╹)
メモそのままデスクに置くと人が脇を通った時に風で飛んじゃうのでいつもセロテープで貼っていたのですが、セロテープも共用文具のコーナーで借りてこなきゃいけなくて煩わしかったのです。
(契約社員なのもあって共用アイテムが多い)
キャンドゥで購入したハロウィン背景もとても可愛いです。
ヴィクターくん、墓場似合う。
別に原作で墓場にいるキャラというわけでもなかったと思いますが…ただ、生と死の秘密を暴くために死体が骨になる過程を延々と日記につけている描写はあるので、まぁ、似合いますよね。
墓場の裏はアンティークな雰囲気の洋館になってます。ヴィクターくんもお坊ちゃんですが、物語の大半を大学の寮か野外で過ごしているのでヴィクターくんよりかは他のキャラが似合うかと思いまして。
ジキルおじさんを設置してみました。
そしてショタジジちゃん。
低身長萌え袖ショタジジィ。
低身長は文字通りチビってことですが、萌え袖は服がぶかぶかで手元が隠れてしまう様。ショタジジィは見た目は少年だけど実年齢がおじさん以上であるなど、見た目の幼さと中身がアンバランスなキャラクターのこと。
原作のエドワード・ハイドは見た目はチビでぶかぶかの服をたくし上げて着ており、見た目は未成年とも思える程若いものの実年齢は50歳。なので低身長萌え袖ショタジジィ。
色々改造を施して、大人と子供くらいの身長差が出るように工夫しています。
今年のハロウィンはこんな感じで個人的には不完全燃焼。
ただ、新しい英文学グッズも作っている最中ですし、今仕事が本当に忙しい。
来年のハロウィンはもう少しハロウィンを楽しみたいなぁ、なんて、まだ今年のハロウィンも終わっていないのにぼやいております。
それではハッピーハロウィン!