海に浮かぶ月のはしっこ

映画や文学作品、神話関連その他の事をおぼえがきしますよ

【グッズ製作】新しいオリジナルスマホケースを作りたい!

皆さま、好きなジャンルがクソマイナーでグッズなんか到底発売される見込みがない時、もしくは欲しいデザインがないとき、はたまた自分のオリジナルキャラクターのグッズが欲しい時……どうしていますか?

自分で絵を描くor画像を編集する技術やデータ入稿の知識が必要だけど……自分で作るっていう方法もハマるとなかなか乙なものです(*'ω'*)

ちなみに、こちらが前作のスマホケース。
f:id:snow_moonsea:20190223012318j:plain
描くのはしんどいけどデザイン考えるのは楽しいですよ!笑

オリジナルスマホケースを作ろう!

オリジナルグッズを作る時って普通少なくても100個とか注文しないと受けてくれない事って多いですよね。
だけど、今では割と知られている事ですが、印刷系のグッズを1個の注文から受けてくれる業者さんもいるんです。

「同人グッズ」で検索をかけるとそういう業者さんがちらほらと。ペットの画像とかでも作れますよね。
だけど、くれぐれも著作権や肖像権などの侵害はしませんように…


いつの日からかスマホケースの自作に凝っているのですが前回作ったスマホケースを酷使し過ぎてスナップに亀裂が入ってきたりカバーの端っこが剥がれてしまったりしているので、そろそろ新しいスマホケースを検討しようかと思っています(*‘ω‘ *)
snow-moonsea.hatenablog.jp
前回は「ジキル博士とハイド氏」の、昼と夜。特に夜はエンフィールドがハイドを目撃するシーンをイメージしています。


印刷会社さんは、今回もグラフィックさんでお願いしようと思っています。
www.graphic.jp
1個で注文を受けてくれる業者さん色々あるけれど、価格もお手頃ですし仕上がりにも毎回満足しているので

pixivファクトリーでもいいけれど1個だとグラフィックさんと比べて少しお高いのですよね。
factory.pixiv.net
ただ、illustratorPhotoshopを持っていなくても入稿できるとか、オプションでストラップ穴を開けてくれるとか…利点はたくさんあるし、特に初心者の方におすすめではないかと思います(*‘ω‘ *)

iPhoneケース案

さて、こちらが本題のスマホケースの新しいデザイン案。

今回はメアリー・シェリー「フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス」とロバート・ルイス・スティーヴンソン「ジキル博士とハイド氏」から2種類ずつ、合計4種類描いてみました。
「透明人間」は…好きなシーンがマニアック過ぎて透明人間だとわかりづらいので辞めました…

どれかを採用しようと思うけどどれも思い入れが深くてなかなか決まらない…。

1.フランケンシュタイン「ロンドン紀行」

f:id:snow_moonsea:20190915022215j:plain
【場面】ヴィクターくんが息子さん(人造人間)の脅迫から逃れるために、親友クラーヴァルと共にイギリスを旅するシーンのイメージ。
【スナップ】閉じるとヴィクターくんの目線の先のベンチの陰に息子さんが現れる。でも閉じると左側が折れてヴィクター自身は見えなくなるので、開いた時「ヴィクターが気になって後ろを見たけど誰もいない」という演出。

【ポイント】背景はロンドン。手前からロンドン橋→ロンドン塔→セントポール大聖堂→ビックベン。
ロンドン塔とセントポール大聖堂は本文でも船からその姿を見たことが言及されている。

2.フランケンシュタイン「レター&マッドサイエンス」

f:id:snow_moonsea:20190915022229j:plain
【場面】右側は真の語り手であるウォルトン隊長の姉への手紙。左側は息子さんが目覚めたシーンで、ビビッて逃げ出すヴィクターくん。
閉じると手紙がワックスシーリングされる。
【スナップ】閉じると手紙がシーリングワックスで閉じられる。シーリングワックスの模様はウォルトン隊長のイニシアル「W」。

【ポイント】この小説はヴィクターが語る彼自身の過去をウォルトン(※シスコン)が姉への手紙に書きつけている…という構造の小説なので、手紙の奥にヴィクターの過去という入れ子構造で描きました。息子さんは原作だと「死体を縫い合わせて」なんて書いてないのでどう表現していいか毎回悩む。
手紙は本文の第一章「Letter 1」から抜粋。

3.ジキル博士とハイド氏「全てのものには終わりがある~リージェンツパーク」

f:id:snow_moonsea:20190915022241j:plain
【場面】ジキルおじさんがリージェンツパークにて突然ハイドに変身してしまったシーン。左がジキルで右がハイド。このシーンの後はどうやって元の姿に戻ろうかと慌てふためく羽目になり、物語は佳境を迎える。奥にロンドンの街並みが見える。
【スナップ】万年筆と該当シーンの一文目「全てのものには終わりがある」と書かれている。

【ポイント】モデルはリージェンツパーク内のバラ園。左のバラは華やかだが右のバラは萎れていて、「ハイドの姿から元に戻れなければ全てを失って破滅する」事を表現している。
英文は本文からの抜粋で、「他人と比べ自分の積極的な善行と、無視による彼らの残酷な怠惰を比較すると思わず笑みがこぼれた。」「そんな自惚れに浸っていたまさにその時、突然の目眩と、酷い吐き気と震えに襲われた。」「………私はまたエドワード・ハイドに戻っていた。」
ちなみに、派生作品と違ってハイドに変身しても体を別人に乗っ取られるという感じではなく、ただひたすらに自業自得。

4.ジキル博士とハイド氏「ジキル邸裏口にて」

f:id:snow_moonsea:20190915022245j:plain
【場面】アタスンおじ様が初めてハイドと対面するシーン。ジキル邸裏口から中に入ろうとしていたハイドを呼び止めると、「私の事を誰から聞いた?」と聞かれたので「共通の知り合いから。ジキルとか」と言って誤魔化すと、ハイドに「あんたが嘘をつくとはな!」と吐き捨てられる。
【スナップ】ジキル邸裏口の鍵。エンディングでは壊れている。

【ポイント】初対面のはずなのに嘘だと即座に否定するのがアリバイ工作している身としては詰めが甘すぎて可愛くて好きなだけ。ハイアタ可愛い。
右の背景にビッグベンが描かれているがジキル邸はロンドン内の何処にあるとは書かれていないのでビッグベンが見えるのは私の趣味。また、ハイドがシーンによっては時折裾を引きずる萌え袖でチビの青年(実年齢50歳)なのは原作の通りだけれど、アタスンの目線に対抗してつま先で立って一所懸命背伸びしているのは私の趣味。

ちょこっと著作権の話

業者さんに頼むグッズ製作の話なので一応書いておきます。

業者さんにお願いする時、誰かが描いた絵や誰かが撮影又は誰かを撮影した写真を勝手に使うのは駄目です。加工しても無断は駄目。
例えば「アニメのスクリーンショットを切り抜いてSNSのアイコンにした」とかもアウト。よく見かけるけど本来はアウト。

著作権親告罪(権利を持っている人に訴えられなければ逮捕されたりしない)なので「二次創作・二次使用は著作権者さんに迷惑の掛からない程度に自己責任で!」としか言えませんが、著作権者さんが訴えて高額な賠償金を支払うことになったケースも結構目にするし、大好きな作品を作っている作者(著作権者)さんに迷惑かけるのは本末転倒ですからそこらへんしっかりしておいた方が宜しいかと…。
ええ、マジで( ゚Д゚)

でも本来は「自分用ならある程度許可なく利用してもOK」なんですよね。例えば「好きなキャラを印刷して自分の手帳に貼る」とか。

ただ、業者さんにお願いする場合は「(自分用でも)二次創作は一切受けられません!」と注意事項に書いている業者さんもありますのでその辺は要ご確認で…。
(あんまり公式に似せて作ると海賊版作ってることになっちゃうから、っていうのもあるようです。特に工場生産だと公式と見分けがつかないですから…)


ちなみに「フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス」も「ジキル博士とハイド氏」もパブリック・ドメイン著作権が消滅している)なので、皆原作読んでグッズ作ろうぜ! ( `・ω・´)+b

歴代スマホケースご紹介

業者さんにお願いするのは今回で3回目。
せっかくなので前回と前々回の写真をアップしてみたいと思います。

前回:ジキル博士とハイド氏「昼と夜」

f:id:snow_moonsea:20190915023556j:plain
f:id:snow_moonsea:20190915023307j:plain

詳しくはこちらの記事にて…!
snow-moonsea.hatenablog.jp

前々回:蠅男の恐怖「LOVE YOU」

1958年の映画『蠅男の恐怖』のイメージで作ったスマホケース。これが初めてのスマホケースです。
f:id:snow_moonsea:20190915011448j:plainf:id:snow_moonsea:20190915011505j:plain
f:id:snow_moonsea:20190915024312j:plain
「LOVE YOU」などの言葉は作中に出てくるものです。
ケースを閉じると蠅男の姿に変わってしまうという意地悪なスマホケース…笑

この映画、ジャンルはホラーですがホラー感は皆無。
美しくも悲しい夫婦愛の物語です。

最後に

スマホケースにするために絵を描くのってちょっと特別な事。普段使いで自分が恥ずかしくないか、とか、立体にした時派手過ぎないか、とか色々考えます。

また、スナップにも絵が描けるのでスナップが動的なギミックとして効果的に働く要素とかも考えたくなっちゃう。


最初のラフってどれもこんな感じなんですが、完成品と大分違いますよね。
f:id:snow_moonsea:20190915023042j:plain
f:id:snow_moonsea:20190915023050j:plain
f:id:snow_moonsea:20190915022414j:plain

楽しさも難しさもあって、スマホケースづくりは楽しいです。