海に浮かぶ月のはしっこ

映画や文学作品、神話関連その他の事をおぼえがきしますよ

【ゲーム:FGO/読書】自称・文学(をサブカル的に愛する)オタクのぼやき

旅行記が想像以上に大ボリュームになってしまい、収拾がつかなくなっていることもあり……。
たまには緩い話題でも書こうかなと思いまして。あんまり緩くない記事になってしまいましたが、「文学好きじゃなかったのに何で文学(をサブカル的に愛する)オタクになったのか」っていう話でもしようかと思います。


割と前の話になってしまいますが、数年ぶりに友人と食事をすることになりまして。お金はかかるけれど少しお洒落な事がしたい、ということで渋谷のお洒落なビルでアフタヌーンティーをいただきました。

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その時私が持ち歩いていたのはこのスマートフォン
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スマートフォンカバーは私のオリジナルです(*'ω'*)
最近はデータを作ることが出来れば1個から作ってくれる印刷屋さんもちらほら見かけますから、こういうの楽しいですよね。

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先っぽについているのはゲームのキャラクターのストラップですが、それを見て友人は「月ちゃんが珍しく普通のオタ女子みたい!」と。
ええ、私もそう思う。そう思うよ…(笑)

だけど、その後の話をしたら「あぁ…貴女そういう子だったわ~…」と言われたので、きっとこれからも変わらないのでしょう。


ジョン・ミルトン失楽園』の描写からギリシャ神話へ。
2000年前後の洋画から1950年代レトロ映画へ。
ゲーム『Fate/Grand Order』から好きなキャラの原典を経由してゴシック文学沼へ。

何らかのきっかけを通して、その作品を形成するに大きな影響を与えた何かに手を出した挙句にそちらの方がメインになってしまう。それはもう私に課せられた宿命みたいなもののようです(;^ω^)

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ただ、そういった事って後から考えると自分の中では何かの転機になっていることが多くて、ギリシャ神話なくして今の自分はないので初めて私に叙事詩の世界を提示したジョン・ミルトン先生には感謝しかない。
2000年前後の洋画から1950年代レトロ映画にハマって古いブロマイドやレトロ映画ブームの時に作られたグッズなどを買うために、オレゴン州私書箱を作って個人輸入したり、海外オークションに参加したりもしました。ドール趣味のために日本語サイトなどで海外通販を利用することはあったけど、完全英語のサイトを経由して通販するなんてレトロ映画にハマらなかったらやる気にならなかった事。結果、大概の海外通販にはビビらなくなりました(*'ω'*) <英語できないけど海外通販楽しい…


どれも自分の人生の大きな転換点になっているもの。

ゲーム『Fate/Grand Order』は神話好きの友達たちから誘われて始めたものの、私の趣味の範囲が狭いので「いやでもこういったゲームで私が誰かを好きになることはないよ……」と言っていたら、うっかり気が狂いそうになるほど好きなキャラクターが出来てしまったのですが(恥ずかしい!)
出番の少ないキャラなのでやっぱり原典に手を出してしまうのが私の性質というものか…。

その時は不完全燃焼で終わるかと思ったけど、結果的にその前後の年代の文学の苦手意識を下げたので転機にはなりました。
今でこそなんと説明したらいいかわからないから「文学(をサブカル的に愛する)オタク」と自称していますが…。

ううん、やっぱり私、名作文学系ってもともとはあんまり好きじゃないんですよね。特に日本の純文学はとにかく苦手意識が強い。

でもそれはやや親の教育や洗脳によってトラウマになってしまったという部分もあると思うのです。中学生の頃は「好きな本について先生に聞かれたら純文学を答えなければならないのだ」と思い込んでいました。
受験対策だという面もありましたけど、別に今思うと「面白い!」と思ったことについてきちんと分析し、何かを読み取ってきちんと説明できさえすれば何を答えても良かったと思うのです。
それこそ、中学生時代新刊発売を楽しみに待っていた「ハリー・ポッター」でもよかったんじゃないかしら。今やもう、「ハリー・ポッター」を「現代英文学を代表するファンタジー小説の金字塔」とか言っても誰も否定しないんではないですか?(*'ω'*)

でも、やっぱりそういった分析力・考察力ってイコール読書感想文書けるかどうかって話なので、突然「やれ」って言われてもなかなかできるもんでもないですよね(;^ω^)

特に、好きでもない、全く面白いとは思えなかったのに、自分に「これは面白いんだ、何か書かなくちゃいけないんだ」って暗示をかけていた時の記憶は本当に辛いし、大嫌い。苦しみながら親に受験対策に買えと言われて買った芥川龍之介川端康成の小説は、当時15歳の私の価値観では到底面白いと思えなくって、でも大人の顔色を伺うためだけに「面白かった、好きです」と偽って語ったことが私にとっては本当に黒歴史
でもそれにもっと早く気づけば良かったのですけれど(;^ω^)

ちなみに、本当に私の趣味だけで娯楽で読んでいた本はハリーポッター人気によって一気に翻訳が増えた海外ファンタジー小説か、日本のライトノベルが多かったです。でも大人たちには凄く馬鹿にされたり、「本が好きなの?」と私に聞いた親戚の前で親に「漫画みたいな本だよ」と鼻で笑われたりしたことがただひたすらにトラウマだったのです。
多分、親本人に嘲笑する意図はなかったのでしょうけれど、第三者の前で私の容姿や趣味を嘲笑するようなことを言うのはしょっちゅうのことでした。私が後で抗議すると「謙遜だから外ではそういう風に言うんだよ」と言っていましたが、謙遜は本人がすることであって、一番身近な第三者である子供を謙遜と言いながら卑下するのって、如何なものかなぁ?そういう悪習は早くなくなってほしいものです。

なんにせよ、「いけない事なんだ、これが好きなのは馬鹿にされるようなことなんだ」って思い込んでしまったから、これらはいまだにトラウマ。好きなものを否定されるって人格を否定されることに近いと感じます。
自分の価値観を押し付けるのは良くないと思う。(親がした事だからそれが正しいと思っていた部分もあれど)私も過去に何度も友人に対して過ちを犯してしまって反省してもしきれないのだけれど…。

大人ならなおさら、多様性を認めるのが今風の価値観だと思うのですよね(*'ω'*)


話は脱線しましたが、そんなこんなで私は名作文学はいまいち苦手。大学は文学部でゼミでは西洋比較文学を選択していましたが「ギリシャ神話が好き」という部分で乗り切ってしまったから、あんまり苦手意識は克服できていなかったと思います。
シャーロック・ホームズ」は短編集を中学校時代に読んだけど、とりあえず私のホームズへの好感度が酷かったので英国紳士という概念自体が嫌いになってしまった!(笑)
時代背景もあったのでしょうけど、ワトソン氏がアヘンでぐでぐでになったホームズを連れ帰るシーンを見て「イケない人だ…!」と思ったことや、その割にちょっと上から目線で話すところがひたすらに好感度が低い…(;^ω^)

お陰でゼミ選びは苦労しました…興味の範囲が古すぎるし、英語はできないから原文ベースでやる西洋文学クラス(確か、シャーロックホームズを原文で読み解くとかそういう内容だった)も選べなくて(;^ω^)


そんな学生時代を過ごしておいて、何で気づいたら「文学(をサブカル的に愛する)オタク」に転身してしまったのでしょう?
勿論、レトロ映画オタクに転身している間にも『失楽園』や「ギリシャ神話」の趣味は続いていたので、文学というレールは繋がっていました。
でも「考察趣味」はレトロ映画オタク時代に磨きがかかったものの、アニメや漫画もあまりたくさん読むほうではなく、友人言うところの「ふつうのオタク女子」ではなかったのでしょうね。
まぁゲームはそれなりにやるんですよ?(*'ω'*)それ以前から『バイオハザード』シリーズは(性癖的に)大好きでしたし(でもあんまりグッズ出してくれないんだよね…)、RPGでは私の中では小学生時代にプレイした『クロノトリガー』が最強。


そういうゲームもそこそこ好きだったわけだし、大学は卒業しているからわざわざ文学に戻る必要もなかったのに、私が「文学(をサブカル的に愛する)オタク」に転身したのは入院中に『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』を読んだから。
それが境目なのは間違いはないです。

フランケンシュタイン (新潮文庫)

フランケンシュタイン (新潮文庫)

ヴィクター・フランケンシュタイン
21歳ジュネーヴ生まれの天才大学生。少年時代は錬金術オタクで賢者の石に憧れを抱き、その延長か人造人間を生み出してしまう。探求心旺盛な反面、臆病でややパニック持ち。自信過剰なようで卑屈でよくいじけては、ショックなことがあるたびに気絶している。
自分のことは割と饒舌に話す癖に、誰にも相談できないコミュ障。そんなんだから大学では一人も友達が出来ず、「自分の親友はヘンリー・クラーヴァルただ一人なので」と言って「友達になってほしい」という依頼を断ってしまうような子。

私はかなり好きですね~~~(^▽^*)
これが性癖に突き刺さる、っていうやつです(自虐系ヘタレ主人公だと思っています)。

でも、こういうところが「サブカル的に愛する」という言葉を抜くことが出来ない所以でもあります…。好き過ぎて過保護になってしまい、解説さえ素直な気持ちで読むことが出来ない。


そこからです、その周辺の時代の文学作品で性癖に刺さりそうなものを探すようになったのは。この時代の作品は現代の作品に影響を及ぼしていることが多いので、レトロ映画オタク時代に感じていた「現代の作品がより味わい深くなる」効果もありますし。
この入院の時に友人の勧めで『緋色の研究』も読んでいますが、中学生の頃よりも苦手意識は薄らいでいました。


だけど、あれだけトラウマだった名作系文学へのハードルを下げたのは一体何なのでしょう?

ヴィクターくんでしょうか?

いえ、元々『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』を友人の勧めで買ったのにずっと積読していて、でも入院の時に鞄に入れる気になったのは、念願だったギリシャ旅行行きの飛行機の中で「教養のために…」と読んだ『ジキル博士とハイド氏』を読んだから。読了後、まだ混乱しているうちに機内放送で『マイティ・ソー:バトルロイヤル』を観て「ちょっと待って、何この既視感は!!」と思ったら、登場人物のブルース・バナー&ハルクのモデルが『ジキル博士とハイド氏』と『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』だったから。

でもそもそも『ジキル博士とハイド氏』を読む気になったのは、『Fate/Grand Order』から好きなキャラのせい。
原典のジキルおじさんとアサシンのジキルさんは性格も在り方も全然違い過ぎてビックリするし、原典のハイド氏は「長身の50歳であるジキルおじさんよりずっと若くてチビなので、不用意に変身すると服を引きずって歩くことになる(萌え袖ショタジジィ…)」っていう描写に戸惑いましたけど。

原典のジキルおじさんはただのヤク厨のクズもとい、確信犯でずる賢い、結構駄目なおじさんなので、そこから原典メインに移行するとはあんまり思っていなかったのですが、『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』でヴィクターくんと巡り会ってからは完全にそちらの沼に落ちてしまいましたね…(;^ω^)


個人的にヴィクターくんがディスられていると悲しい気持ちになってしまうけれど、ジキルおじさんがディスられていても大して気にならないので比較文学などの研究書なども個人的には『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』よりも読みやすいようです。

好き過ぎると過保護になってしまうから文学研究・考察するなら、これくらいがちょうどいいと思います(;^ω^)

初期SFの"科学というよりは魔法のよう"な、現実のルールに即しているものの現実では起こりえないはずのことが起こる、そして人間関係が揺れる、という物語の流れは私の肌に合っているようです。


といっても、そこへ導いたのはゲームで珍しく「グッズが欲しくてたまらないけどないなら作ります(※作った)」くらいに好きなキャラクターが出来たからなんですけど。
今思うと、その後人生の転機になるように願って一人でイギリスにも行ったし、今はまた一人で海外旅行に行きたいと願って、英語の勉強をしようと単語帳を読む日々を送っている。

新しく人生の転機のきっかけを作ったのは、間違いなくこのゲームであり、彼です。たくさんの私の「苦手なもの」へのハードルを下げ、やる気にさせた最初のきっかけは間違いなく、彼です。
感謝しないといけないですよね。

最近手の平サイズのトレーディングフィギュアになったので買ってしまいました(*'ω'*)
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原典沼にいると公式がグッズを作ってくれることはないので、普通のオタ女子っぽい楽しみをさせてもらっている事にも感謝していますよ…(;^ω^)

可愛いです ( `・ω・´)+
今ちょうどゲーム本編の期間限定シナリオ「サーヴァント・サマーフェスティバル」で出番がちょこちょこあるけれど、相変わらず不意に現れるとドキッとするし、「こんなに可愛くて良い子がヘンリー・ジキルであるはずがない!(=こんな性格が良くて良い子だったら嫌いになる理由がないし、そもそも本物のヘンリー・ジキルはもっと性格が悪い)」とか言っていますが、「ジキルおじさんから派生した子孫」として受け入れています。
「好き」のジャンルが異なるので、原典と派生ならどっちの方が、とも言い難いです。

今後も二つの世界線を別々のものとして愛していくものだと思います。


うん、でも…苦手なもののハードルを下げ、新しい世界への扉を開くほどのきっかけ、って本当にすごい。
巡り会った奇跡に感謝!

そして私はまたロンドン一人旅の旅行記でソーホーへ行き、リージェンツパークへ行った事とその時に感じたときめきを書かなくてはなりません(*'ω'*)
それも巡り巡って彼が起こさせた私への変化の形です。

ソーホーとリージェンツパークが何かって聞かれたら、「『ジキル博士とハイド氏』を読んでみるといいよ!」ってなるんですけど、それはまた別のお話。
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旅行記頑張りまーす(;^ω^)