人生をやり直すため、初めて1人で海外へ飛び、英文学聖地巡礼をすることにした私のなんか超長い旅行記。
さて、前回までのお話…
snow-moonsea.hatenablog.jp
ロンドン市内周遊ツアーの行程をこなし、ホテルで昼食にアフタヌーンティーを楽しみました。
これがまた、画像や文章量が多過ぎてプレビューが開かなくなってしまったので、午後の行程の前半を今記事で書こうと思います。
午後の行程は大英博物館の見学ですが…。
まずは、昼食会場からバスに戻るまでの出来事と、その間に見聞きしたイギリス事情の話からしていこうと思います。
ちなみに、今回も2万字近くなってしまったのでご了承くださいませ…汗
昼食会場→バスへ…
さて…一方、トイレを借りて部屋に戻ってきた頃。
現地ガイドさんが「今更になってデモの通知が来たよー!もう終わってるのに!」と苦笑いしていました。
それくらい、現地の人にとってはデモをやってても慣れっこなのかもしれませんね。大規模な通行止めにもなっていたようですし、日本だと色々問題になりそうだけど、人々の権利として受け入られているんだろうなぁと思いつつ、「日本って結構色々な面で権利やら人権やらが束縛されてるよなぁ…(¬ω¬)」とぼやいてみたり。
まぁそれがぼやきであれ、こういう些細な事を感じ取る事も、私が今後の人生の為の感性を磨く経験値になっていると思いますよ。
ロンドンのシンボル
アフタヌーンティーを食べたマリオットホテルのテラスを通ってバスへ向かう途中、テムズ川越しにビッグベンがよくみえました。
とはいえ、ガチの補修工事中なので痛々しい姿なんですが…これで工事が終わっていたら最高に美しかったでしょうね(*⁰▿⁰*)
でも、ロンドンのシンボルを未来に残す為の取り組みです。ちょっと残念だけど、不平ばかり言わずに受け入れます。
……なんかめっちゃトゲトゲしている、って感じですが…。
ロンドンのシンボルといえばビッグベンですけど、その脇を流れるテムズ川もシンボルポイントが高いですよね。
テムズ川については午前中の記事でも触れていますが、19世紀後半の産業革命による環境汚染からかなり綺麗になったそうですけど、ううん、やっぱり透明度が低いなぁ…。
snow-moonsea.hatenablog.jp
……茶色…( ;∀;)
『アサシンクリードシンジケート』で見たテムズ川と色があんまり変わらないような気が(
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バスに向かう途中で「ロンドンアイ」のすぐ下を通り抜けましたが、この辺はやはり人が多いですね。その近くで「ロンドンダンジョン」の入り口を見つけて「あっ、ここが噂のロンドンダンジョン…」と思ったのだけど、私は今回行く予定を入れていないのでそう思うに留めました(゚ω゚)
ロンドンアイは巨大観覧車、ロンドンダンジョンは所謂お化け屋敷。どちらも英国観光庁のホームページでチケットが買える、主要な観光スポットの一つといえます。
せっかくなので現地ガイドさんから聞いた話を交えてこの二つの観光スポットの話+αもしておきましょう。
ロンドンアイは世界一の観覧車
現地ガイドさん曰く、ロンドンアイはコカコーラが出資して作ったものらしいですが、当時は世界で一番大きな観覧車…今はもう世界一ではないらしいですが、支える部分が片方だけの観覧車としては未だに世界で一番大きな観覧車だそうです。
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ロンドンをテーマにした雑貨でもよく描かれる程度に、現代のロンドンのシンボルの一つになっているみたい。
私もイギリス好きの友人(漫画家の村岡恵先生)に「街に興味があるならロンドンアイで上から見渡すといいよ」と勧められたのですけど、私、床が所々ガラスで出来てたりする展望台とか、怖くてへたり込んでしまう程度の高所恐怖症であり…。
「あんなスッケスケの観覧車に一人で乗ったら腰が抜けてしまうよ!!(´;ω;`)」
…と、諦めたのでした_(:3 」∠)_
うーん、でも高い所から見てみたかったなぁって気はします…。
(ロンドンが舞台の漫画の2巻の上空からの絵はロンドンアイから撮った記念写真を見本にして書いたとかも言ってましたっけ。)
イギリスの人は「曰く付き」がお好き?
ロンドンダンジョンはロンドンで起きた陰惨な事件をテーマにした、所謂お化け屋敷。
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参加型アトラクションで、案内人のおじさんが時にお客さんを指名してドキドキのホラーな体験をさせてくれるらしい。
とは言いますが、元ネタは実際の出来事なのですから、ロンドンのちょっとホラーな歴史を学びながらスリルを味わえるというのならそれはそれで勉強にもなるし楽しいと思うんですよね。
英語がわかればな!!( ゚д゚)
まぁ、私の旅の目的であるマッドサイエンティスト三人衆が関係あれば努力もしたのかもしれませんが、レビューなどを読んでマッドサイエンティスト三人衆は関係ないという事を確認した上でルートから外しています。
彼らはSFホラーの元祖たる英文学の主人公とはいえ、架空の存在ですからね。
そもそも、私は脅かされたり痛そうな雰囲気のホラーやお化け屋敷は基本的には苦手だ(`・ω・´)+
それにレビューを読む限り、英語がわからないとあまり楽しくないかも。
ガイドさん曰く、イギリスの人はゴーストなどの「曰く付き」が好きなんだとか。これは街で黒いダブルデッカー(2階建てバス)を見かけた時にしてくれた話ですが、曰く付きスポットを巡るゴーストツアーがとても人気らしい。
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そういえば、オプショナルツアーのリストでジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)の事件現場を歩くツアーなどを見かけた気がします。
解説が英語だったのと、目的から逸れてしまうので諦めましたが…。
ロンドンダンジョンのようなアトラクションが存在するのは「数多くの人気観光名所のうちの1個がたまたまお化け屋敷なだけ」だと思っていたのですけど、ジャック・ザ・リッパーやロンドン塔の陰惨な話が嬉々として観光名物になっていたり、ハリーポッターで学校に住んでいるゴーストと会話するシーンなどを思い返してみると、確かにイギリスの人はホラーが好きなのかもしれない…。
道路の公共の乗り物といえば、バスと…自転車??
観光バスに戻ると、その近くに赤い二階建てバスが停まっていました。
私達ツアーメンバーが乗っている観光バスも赤い二階建てのバスなんですけど、これは「旧型のダブルデッカー」なんだそうです。これが噂の「限られたエリアにしか走っていない旧型の二階建てバス」です。『地球の歩き方』に書いてありました(・ω・)
ところで、一般道路の公共の乗り物といえばバス…ですけど、ロンドンでは自転車も公共のレンタサイクルみたいです。その話は『地球の歩き方』でも触れられていてオススメの移動手段の一つとして紹介されていまして。
レンタサイクルのステーションは約300mおきに設置されていて、利用料も1回のレンタル時間を守っていれば1日何回乗り降りしても数ポンドだけ。レンタル状況はアプリを使ってリアルタイムで見る事が出来るらしいです。
なんて便利なの!
私は自転車が大好きなので、「自由行動時間はレンタサイクルを使うんだ~♪」と思っていたのですけれど、移動手段を検討している時に友人に止められたので諦めました。
何故止められたか?
ええ、ええ、私は割と定期的に電柱にぶつかったり縁石にタイヤをぶつけて一人で転倒し、それなりに怪我しているからです。
血まみれです(・ω・)
時間の短縮のために自転車を使いたいのにコケて怪我して時間を無駄にしたら意味がないですし、英語ができない人間が負うには結構なリスクです。それだけではなく、普段の愛車じゃないと勝手も違うでしょうし、日本人と英国人ではサドルの高さが全然違うでしょうから、それを乗り降りの度に直すのは面倒でタイムロスにも繋がるであろう……と思い、諦めたのです。
実際にロンドンの街を歩いているとレンタサイクルのステーションがいたるところにありました。
日本でもレンタサイクルって街に設置されているのを見たことがありますが、ここまで普及はしている感じは全くありませんね。
もしかして、レンタサイクルの普及率が高いのって、「ロンドンの個人宅が横が狭くて縦に長い長屋がほとんどなために、個人所有の自転車置き場がない」…ってことか??
現地ガイドさんが「駐車場と言う概念は街が出来た後にできたから、高級車でも普通に路上駐車されている。高級住宅街であればあるほどその傾向が高い。」って言ってましたっけ。
それならレンタサイクルの利用料が安くて手軽で、普及率が高いのも理解できます。
(実際はどうなんでしょうね?)
だけど、実際にレンタサイクルを使って走っている人を見かけたら「あ~……私これ無理だわ」と思いました。
ロンドンの自転車走行者は日本で最近徐々に浸透している一般車道脇の自転車専用ラインを主に使いますが、それがないところでは一般車道を走っています。
それはもう………結構なスピードで。
ロードバイクで立ち漕ぎしている人がスイスイ道路を走っている……あの感じ。
更に、道路の感じは日本で言うと新宿、渋谷、池袋みたいな感じです。
あの人混みを、あの車の往来を、自転車で駆け抜けていくのはちょっと…昨日ロンドンに来たばかりの外国人がやるのは結構きついかなと。
うう~ん、自転車を移動手段の頼りにするスケジュールを組んでなくて本当に良かった!
大英博物館(一回目)
残されたバスツアーでの昼食後の予定は「大英博物館」のみとなります。見学時間は1時間ほどです。
www.britishmuseum.org
忙しい人向けの大英博物館
昼食後の予定は「大英博物館」のみ……。
いやぁ、でもね、「大英博物館」ですよ??
とてもじゃないけど1日で見きれるような展示物の数じゃないです。制覇しようと思ったらそれこそまるまる1週間楽しめるレベル。
なので内容は「忙しい人向けの大英博物館」。現地ガイドさんイチオシのアイテムだけの見学です。
ちょうど、企画展は「マンガ展」をやっているようでした。…というか、始まって数日です。
ポスターがゴールデンカムイじゃん……アシリパさんじゃん……。
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だって常設展にどんなに時間を割いても全部は見られないから。恐らく全部見るには数日費やさないと(๑˃̵ᴗ˂̵)
帰国後知った話ですが、このマンガ展にはコミックマーケット(皆様おなじみの日本最大の同人イベント)のパンフレットが展示されていたらしい。よって「コミケにサークル参加した皆ァ!即ち俺たちの絵が大英博物館に展示されたぜ!!(※意訳)」という内容のツイートがバズっていましたね。
…くそぅ、私も現地にいたのにバズりチャンスを逃したということか…ッ!!
最も、私はコミケには買い物にも行ったことがないのでそういう発想はなかったですから、もしもマンガ展に入って写真を撮ったとしてもコメントがイケてないからバズりはしなかったでしょう…(°▽°)
団体なので大英博物館は裏門から。
一応手荷物検査があり、バッグの中に懐中電灯を当てられます。といっても、そこまでチェックするかどうかはその時の担当者さんによるらしいのですが。
館内の個人使用目的の写真撮影は三脚等を使ったりしない限りOKです。
ロゼッタストーンの部屋
手始めに最初のアイテムは「ロゼッタストーン」。
このロゼッタストーン、大英博物館の超イチオシらしく、グッズが滅茶苦茶たくさんあります。
[
これはレプリカですが、説明はこれで行ったので、私…うっかり本物の写真を撮るの忘れたらしいです(・_・)
ロゼッタストーン……3つの言語で同じ内容が書かれており、そのうち解読可能であるギリシャ文字を元に未解読だったヒエログリフの解読をする事が出来た…という考古学の重要アイテムです。
その近くにあったガラスケースに入った紙きれ……これがその、解読時に作成されたヒエログリフの解読辞書だそう。
ちなみに、この部屋、元々は図書室なんです……。
現在所蔵されていた本のほとんどは大英図書館に移されているそうですが、図書室独特の雰囲気…好きです。
ですが時間がないので次へ……
だったのですが……
アァァァ!!!!!アスクレピオス先生じゃん!!!!
もう少しこの部屋に居させてくれ~~~!!!
……と思いながら次の部屋に行ったのでした…
(私は古代ギリシャ関連のイベント活動をする程度のギリシャ神話&古代ギリシャ好きです)
…名残惜しいなぁ。
壁画の部屋
移動中、廊下の両サイドにこんなものがありました。
何かの…壁画??
現地ガイドさん曰く、これも貴重なものだったらしいですが大英博物館の展示設備を新しくした事によって保存条件がこの壁画にとって不適切となり、こんな状態になってしまったそうなのです。
天上がガラスでできていて外からも光が取り込めるようになっているようなのですが、それがまずかったそうで。UVカットされてないから現在進行形で壁が劣化してボロボロと……。
でも大英博物館は入場料が無料なので、すぐに設備に手を加える資金がないようなのです。
よかれと思ってこの廊下を作ったはずなのに……誰も幸せにならない……悲しい…。
これはメソポタミアのライオン狩りの風景。(これはちゃんと天井のある所の展示物です)
昔、福岡かどこかの展示会で日本に来たことがあるらしいです。
ミイラの部屋
ミイラとは、乾燥した遺骸のこと。
大英博物館の古代エジプトエリアの一部には、古代エジプトにおいて来世・復活信仰に基づいて人為的に作られたミイラを展示しています。
(今回のサムネイルはヴィクターくんとクラーヴァルにそのエリアを見学してもらいました(*‘ω‘ *))
ゲーム『アサシンクリード オリジンズ』でミイラを作っている様子をボケーっと眺めていた事もありますが…。
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それ以外だと、昔ツタンカーメンが日本に来た時に上野に見にいって、その時エジプトのミイラについての本を親から買い与えられた覚えがあります。
内臓は遺体から取り出し、内臓は脳を含めて壺に入れ、身体は薬品(ナトロン)に浸けて加工し、包帯を巻く。
それが古代エジプトでの葬いの方法だったのでしょうけれど、何千年も前の人達が死体を半永久的に保存する為の加工法について熟知していたなんて、なんだか凄いことじゃないですか?
一体どのようにして加工法を見出したのでしょうね…(・Д・)
さて、大英博物館の重要な宝の一つとして世界最古のミイラと言われる「ゲベレインのミイラ」を見学したのですが…。
でも、つまりミイラって事は「宝」といってもご遺体って事でしょ?(´・_・`)
なんだか申し訳なくて写真を撮る気には一切なれなかったので、写真を見たい方は英語版のウィキペディアを見てくださいまし_(:3 」∠)_
正直なところ、私はこういうのはちょっと苦手です。
(※サムネイルが出てしまうのでテキストリンクで失礼します)
Gebelein predynastic mummies - Wikipedia
彼は調査の為にCATスキャンにかけられ、致命傷となる傷痕から「殺人事件の被害者であった」とされています。彼の周囲にはその調査の際の資料や、スキャンした時のデータを見ることが出来る装置などが設置されており、こういった考古学調査に興味のある方ならワクワクさせられるのではないかと思います。
…とはいえね、私はやっぱり苦手かな(-ω-;)
生きている人も亡くなっている人でも身体をジロジロ眺めるのは、何だか気が引けます。
彼の周囲に設置されていた調査の過程の展示を眺める方が好きです(°▽°)
「ミイラは歴史的に重要な資料でありながら、ご遺体である」という事実に関連して、現地ガイドさんから聞いた話を。
髪の毛が赤茶色だった事から「ジンジャー」と名付けられていたそうですが、現在は「ゲベレインマン(ゲベレインの人)」と呼称する事になっているそうです。
理由がね…現地ガイドさん曰く「ミイラも人間なので、そういう見た目であだ名付けたりするのやめようって話になったんです。髪の毛が茶色いから「茶パツ」とか、背が低いから「チビ」だとか「デブ」だとか「ハゲ」だとか…失礼だろうと。それで発見された場所の名前を取って「ゲベレインマン」と呼ぶようになったんです」という話で…。
個人的に、それって滅茶苦茶面白いな(interesting的な意味で)と思いました(・ω・)
ジンジャーというと、現在では差別用語とされています。
『赤毛のアン』でアンが髪の毛の色をネタにしていじめられるシーンが有名かもですが、私が小学生の頃に抄訳本で読んだ当時、何故赤毛を馬鹿にされるのか理由がわかりませんでした。ただはっきりしているのは、どうやら海外だと赤毛の人に対する偏見が強いらしい…ってことだけ。
赤毛に対する偏見の理由を調べてみると色々説明されているものの……未だに私を納得させるようなものは見当たらず、「謂れのない差別だなぁ…」と思っています。生まれ持っての体質は当人のせいではないですし、虐める側、差別する側が明らかに悪いやつ。
現在、ヨーロッパ諸国では日本よりも偏見をなくそうという意識が高く、そういった事に非常に敏感になっているらしいので「ゲベレインマンもそれが理由か…」と思ったのです。確かに「ご遺体」ですから。
でも発見された当時から長い間「ジンジャー」と呼ばれていたわけですから、当時は差別問題への意識に無関心だたのが、近年「ゲベレインマン」と呼ぶことにしようと決まったという事実は、差別問題への意識が大きく変わったという証拠。
この体験のせいでしょうか?
最近、人間の多様性を容認・包容し、否定しない、差別のない社会を作っていく動きを「今風だなぁ!(*‘▽‘ *)」って感じるんです。とても良いことだと思いますよ(*'ω'*)
部屋を出る時に、現地ガイドさんから「苦手な方は結構ですが、出口左の女性のミイラを見ていってください」と通達がありました。
なんでも、ミイラにする過程で包帯を巻く事なく放置されたミイラなのだそうです。
包帯を巻かれているものは包帯を剥がすと中のミイラを傷つけてしまうそうなので、包帯を巻かれる直前の状態のままのミイラは非常に貴重な資料だそう。
だから、「まるで眠っているような穏やかな表情ですから、是非見ていってください」との事です。せっかく来たので私もお顔を拝見しましたが、確かに眠っているかのようなお顔。
とはいえ……です。
やっぱりお亡くなりになっているとはいえ、本人の許可なく写真を撮るのはなんだか失礼な気がしたので、振り返った所にある副葬品関連の棚を1枚撮ってミイラの部屋を後にしたわけです(;^_^)
さすがは副葬品。アヌビスが飾られているものもありますね!
(アヌビス:古代エジプトの冥府の神様。ジャッカルの頭が特徴。)
ja.wikipedia.org
大量の薬の部屋
これ、なんだと思います?
薬で作ったモザイク画でしょうか?現代アート??
…と思ったんですが、「薬で見る、人の一生」を表したものなんだそう。男女に分かれていて、年齢によって飲んだ薬の分布が変わってくる図です。
そもそも、イギリスでは医療費がかからないらしい。そのため、医療データは一括で管理されているそうです。
この展示はイギリス国民の誰かが生まれてから死ぬまでに処方された薬を並べたもの。
男性と女性5名ずつ、合計10名の薬によるその人の一生が視覚化されていました。
処方された薬の種類によって人間の一生を見る……どういうことかと説明しますと。
例えば、女性の方を見ていくとサンプルの5名全員が期間にズレはあれど20~40歳くらいの部分にピルが集中していたりするんですが、50歳くらいになるとぱたりと別の薬に切り替わるんです。
その部分について、現地ガイドさん(男性)は「ピル=避妊薬」と説明してましたが…。
ピルって排卵・生理をコントロールする系の避妊薬ですけど、生理による体調不良等の治療薬としても処方されるものなんですよね。
生理痛が酷くてマトモに生活できない体質の人がピルを服用することで改善されたという話もよく聞きますし、例えば海に行く予定の日が周期に被りそうだ…という対策で服用する人もいますし、避妊薬としてではなく日常生活を送る目的で服用している人は結構いるのです。
なので………。
現地ガイドさんの説明を聞きながら「あぁ…つまり、50歳に近くなってピルを服用しなくなったということは、これは閉経……」と生々しいことを考えちゃったんですけど(;^ω^)
流石にこれは女性じゃないとピンとこないのかもしれないけど、この展示からそういう事もわかっちゃうです。
まさに人の一生。
他にも「ある男性の一生」の列である時期から病気の薬を飲み始め、それが原因で亡くなったっぽい、というのを見ていったりね。(何の病気だったかは失念しました…)
それを視覚的に見ることが出来るのは面白いですね。
クリスタル・スカルの伝説
伝説の呪術的秘宝、クリスタル・スカル。
その名前は映画などでもお馴染みかと思います。
そして流石は大英博物館、その伝説のクリスタル・スカルの現物があるのです。それは広い部屋の端にひっそりと置かれていました。
おお…確かに映画や歴史番組で見たことある水晶のドクロ!
……だけど、これって確か、まさにこのドクロだったかはわからないけど、歴史番組によれば………。
などと思っていたら、私の記憶は正しかった。
様々な検証の結果、呪術に使われたとされる時代の加工技術ではない技術によって加工された形跡がある…。
つまり、作られた時代を偽ったでっちあげアイテム!
「世紀の大発見!」という作り話の小道具だったというわけ。歴史的価値は全くありません。
「本物だったらこんな隅っこに置かれてませんよwww」
そりゃそうだ〜(╹◡╹)
大英博物館、束の間の自由時間
他にもアステカの宝や楔形文字の刻まれた石などを見ましたが、現地ガイドさんの細かな説明をあまり覚えておらず、私から語る事はあまりないので割愛します。
ツアー一行は一旦自由時間。
「現地ガイドさんの説明をもっと聞きたい場合は彼の後ろをついて行ってください」…という事だったのですが、私はグループを離れました。
今思うと、専門的な説明をもっと聞いておけば良かったなーと思いますが、どうしても我慢ができなくて。
元々気が散りやすく集団行動が苦手なのもありますが、2日後の1人での来館の際に古代ギリシャエリアに割く時間を長く確保する為、多少の用事は先に済ませておきたかったのです。
自由時間は20分ほど。
その間にトイレも済ませて元の場所に集合です。
でも、この判断に大きな誤算があったって事は、この判断をした時に知るはずもないんですけどね。
大英博物館でこなすべきミッションinミュージアムショップ
私は自由行動の日に一人で大英博物館に行く事を決めていましたが、計算上、大英博物館に割ける時間は2〜3時間ほどしかありませんでした。
どうせミュージアムショップ好きの私のこと…時間が差し迫っててもミュージアムショップに吸い込まれて時間が溶けてしまうのは目に見えている。
「だったら、時間短縮のためにも、日本にいる間に欲しいものがあるか見ておけばいい!(*‘ω‘ *)」
そういう作戦で、私は大英博物館の公式ウェブサイトで物販アイテムに目を通し、私はどうしても大英博物館のミュージアムショップで実物を見て購入したいものがありました。
それは、近代ヨーロッパに作られたネックレスのレプリカ。
古代ギリシャの伝説上の幻獣・ヒポカンバスを模したもので、全身に色とりどりの宝石が散りばめられた逸品(°▽°)
見て見て!お土産用のレプリカとはいえ、すっごく美しいの!!
www.britishmuseumshoponline.org
ヒポカンバスといえば、絵画などではギリシャ神話における海の支配神ポセイドンが乗る戦車を引いて描かれる事も多い、下半身が魚になっている海の馬。
本物はヒポカンバスの背にトライデント(三叉の鉾)を握ったポセイドンが乗っています。細部まで繊細に作られて滅茶苦茶美しい。
www.bmimages.com
レプリカは流石にここまで細やかなデザインではありませんが、それでもオリジナルの雰囲気を引き継いでいるとても素敵なデザインですよね。
レプリカのネックレスは215ポンド…。
1ポンド150円前後なので約32250円前後…免税手続きをすれば少し戻ってくる計算ですが…元社畜の私にとってはひと月のお給料の約1/5なので、結構な金額…。
私はそんなに高価なアクセサリーを買ったことがないのだけど、一生に一度来るかわからない国を訪れたのです。イギリスに旅立つ直前、これまでの人生最大の断捨離で図録や博物館グッズを大量に処分した事も記憶に新しい。だから細かなグッズや図録は買わない。
でも何か思い出に残る物を買いたい(*'ω'*)
けれどこれは他のお土産に比べて高価な品物です。
きっとガラスでできたショーウィンドーケースみたいなところに入っていて、わざわざ店員さんを呼び止めて連れてきて、拙い英語で店員さんに「でぃす、ぷりーず(This please)」と言わなくてはならなくなる気がします。
高価であるということは免税の手続きをした方がよいのですけれど、イギリスでの免税の方法は一通り予習したものの、免税手続きを今までの海外旅行経験でやったことがない。もしかしなくても、戸惑って時間がかかるのが目に見えている。
更に、私は金属アレルギーを持っているから、自分が身に着けられるように加工できるデザインなのか、実物のサイズはどのくらいなのか自分の目で確かめる必要がありました。
時間がかかりそうではあるけれど、高価な品物であるということは目立つところに置いてあるでしょうし、1品だけ買うならきっとこのわずかな自由時間でも何とかなる。
そうしておくことで自由行動日の再入館の時、うっかり常設展で長居してミュージアムショップに寄る時間が無くなったとしても、一番欲しいものだけは手に入れているのだから諦めがつく…と思う。
そう思ったんだけど……。
私、大英博物館の物販を舐めてました。
大英博物館のミュージアムショップ
大英博物館のミュージアムショップは1階フロアの大ホール部分にあり……そこら辺の雑貨屋さんより売り場面積が広いです。それが、3~4種ほどのショップに分けられています。
大まかに分けて、
・ミュージアムオリジナルグッズの店(雑貨中心)
・ミュージアムオリジナルグッズの店(ファッション系グッズ中心)
・子供向けグッズの店
・本屋
…くらいだったと思います。
そしてミュージアムショップのエリアから離れた正面入り口近くのところに
・高価なアイテムのショップ(免税手続き窓口付き)
があります。
この区画はミュージアムショップと同じ階層にありますが、大きな壁で隔てられているので正面入り口から入った時に右を見るか、ミュージアムショップを背にして正面入り口を目指して歩き、壁の向こう側へ行かないと見つけることが出来ない場所にあります。
そういえば、ミュージアムショップの買い物かごが面白い形をしていましたね。網の中に輪っかが通っていて、魚を釣った時に釣った魚を生きたままキープするために入れておく網かごみたいな……
タカミヤ(TAKAMIYA) H.B concept ホース巻スカリ 3段 30cm
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事前準備は完璧だと思っていた私の大きな誤算。
私の目的のネックレス……。
ミュージアムショップの固まったエリアを歩きながら「全体をぐるりとまわって、アクセサリーのコーナーを見つけられればすんなり見つかるだろう」と思ったんですが…。
これが誤算でした。
まさか「高価なアイテムのショップ(免税手続き窓口付き)」がミュージアムショップのエリアと全く別の区画にあるだなんて!!
でもその事実は後日、拙い英語で必死に必死に頑張って知ることになる。この日、結局それを知ることはできなかったのです。
そうとは知らない私。
ファッション系グッズが中心のオリジナルグッズのショップで、アクセサリーのコーナーを真剣に眺めますが、アクセサリーのコーナー自体があんまり大きくない。
金額の大きいものは盗難防止のショーケースに入っているんじゃないかとレジ周りをぐるぐる回るものの…ショーケース自体がほとんどないに等しく、アクセサリーの並んだショーケースは見つかりませんでした。
このショップにあるアクセサリーというと、30ポンド前後〜それ以下のお土産としては手ごろな価格のものだけで、個別に箱に入っていて、それをレジに持っていくスタイルです。きっと、これじゃない。
アクセサリーコーナーのガラスケースには、このレジに持っていくスタイルのアクセサリーの見本が綺麗に飾られているだけでした。価格帯がこれじゃない。
「いやいやいや!!でもネットで見たし、今大英博物館のホームページにアクセスしてもちゃんとラインナップにあるし!きっとこのミュージアムショップエリアのどこかに…(+_+)」
そうして悩みながら、うろうろうろうろ……。
みるみる溶ける時間………。
集合時間が差し迫って焦り始めた私は「とりあえず場所だけでも!!」と思ったものの全く見つからない…。
そりゃそうだ、このエリアには高価なアイテムは一切置いていないのだからね!!(…と後日知る)
これだったら、現地ガイドさんにくっついて行った方が良かった……と思うのですが、この苦い20分間があったからこそ、後日勇気を出して「そもそも見てるエリアが違う」という事実を知ることが出来たのでしょうか?
そういう事にしておいた方が、前向きかもしれませんね!
滅茶苦茶可愛いエジプト神話勢ホイホイのぬいぐるみの話
目当てのネックレスを探してうろついている時、ついつい他の商品も見てしまう。
レプリカ系アイテムでも安価なものがあったり、オリジナルトートバッグやロンドンのシンボルが描かれた雑貨など、見ているとどれも欲しくなる。
古代ギリシャ関連グッズもたくさんあるのでどれもこれも私の目を奪う…。
そうそう、子供向けグッズのショップと雑貨系グッズのショップのちょうど境目にあたる場所でしょうか。
かなり前に、Twitterでみかけたバステトのぬいぐるみも見つけました。
そのあまりの可愛さに、神話好き仲間の間では「大英博物館はこういうところがずるい。好き。ギリシャも頑張ってほしい。」などと結構話題になりましたっけ。
これがバステト。
www.britishmuseumshoponline.org
……確かにこれは可愛い。
更に、新作?なのか、アヌビスのぬいぐるみも見つけました。
www.britishmuseumshoponline.org
何これ滅茶苦茶可愛い。
いやいや、でも私は散々断捨離をして、数えきれないほどのぬいぐるみと泣く泣くお別れをしたばかりなのです。軽率に新しい子をお迎えしてはいけない、第一、私はエジプト神話には詳しくないから、例えば古代ギリシャスタイルの動物のぬいぐるみを後で見つけたらそっちを買うでしょう。
とりあえず自由行動日にリベンジに来るから、その時にゆっくり考える!(>_<)
いやしかし、これは本当に可愛いですね…。
(※ちなみに、このリンク先で通販できます)
文学(をサブカル的に愛する)オタクの私の一目惚れ。
色々と目移りはすれど、断捨離をした時のことを思い出すとそこまで購入の食指は動きませんでした。
だって私の断捨離は本当に自分の精神の大切な一部を削ぎ落としているような、身の切られる思いに延々と耐える苦行でしたので、またその苦しみに耐えなくてはならなくなるのは嫌だったのです(T_T)
だから買い物も無計画にあれもこれもと買うようなことはなかったのですが……。
一目惚れは仕方がない。
雑貨が多く並んでいるミュージアムショップに平積みされた本のコーナーがあって、「おや?本屋は別にあったから、大英博物館関連の本だけを固めておいているとか…そういうことかな?」と思って近づいてみると…。
名作系の洋書だった。
当然ですが、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』といったイギリス文学が中心で、それ以外にホメロスの『オデュッセイア』等も並んでいましたね。
その中で私は一目惚れをしてしまったのです。
これは……。
今回の旅の聖地巡礼の主役の1作、ロバート・ルイス・スティーヴンソン『ジキル博士とハイド氏』……だけどめっちゃくちゃお洒落な装丁じゃないかーー!!!!
金の部分は箔押し。
合皮かビニールかラバーかわかりませんが、表紙は皮風の布が貼られていて、ところどころ模様にエンボス加工が施されています。
フォントがお洒落なのは勿論のこと、「AND」の文字が試験管に入った薬に浸されていて、「Hyde」の文字から液体が滴っているのも、文字の位置とフォントと物語のキーアイテムをうまく使ってストーリーの一部の要素を表している感じがして最高にエモですね~…!!
きっとこの試験管の中の薬の色は緑に違いない… ( `・ω・´)+ ←オタク
そう、かなり自制心が働いていたはずの私は、本に一目惚れしてしまったのです……。
それも、翻訳を3種各1冊、現代原語版を1冊、原文版を1冊、洋書コミカライズを1冊持っている本の…いや、こんなにたくさん持っていたらもう1冊くらい増えたって誤差ですか(;^ω^)
こんな調子なので、衝動的にメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』とジョン・ミルトンの『失楽園』とハーバート・ジョージ・ウェルズの『透明人間』を探したのです……が唯一見つかったのはメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』だけ。
同じシリーズの本であることは間違いありませんでしたが、残念なことにあまり装丁のデザインが私の心にクリーンヒットしなかったので買うのをやめてしまいました。
最もこのシリーズは後ほどアメリカの出版社によるもので、海外通販に抵抗がなければイギリスで買う方が倍近く高い…と知ってしまったのですが、イギリスで一目惚れしたことこそに意味があると思っているので、後悔はしていません(;^ω^)
だって一目惚れに酔いしれ過ぎて、その日のドールさんたちとの戯れは本当に楽しかったのですから!
ちなみに、『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』の表紙はこんな感じです。
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多分ヴィクターくんの実家の庭の木に雷が落ちてビックリしたシーンを物語の象徴として描いているのだと思いますが……
原作の本編には人造人間に命を吹き込む時に雷を落としたなんて描写はないんですけどねぇ(・ω・)
大失敗:クレジットカードのお作法の話
この一目惚れした本を購入する時、私はクレジットカードで決済することにしました。
お会計が17.99ポンド…チップ用の小銭を作るにはあまり都合の良い金額ではないと思ったからです。もともと現金は緊急時とチップ用と割り切っていて、あまりたくさん持っていなかったので。
去年のギリシャ旅行での経験ですが、ヨーロッパ圏ではクレジットカードの決済時、サインではなくICチップの暗証番号を優先される。日本だとICチップ搭載でもサインを優先される場面がまだ結構あるように感じるのですが、ICチップ搭載でないと使えないお店もある…らしい??
しかし去年、ギリシャでも空港に閉じ込められたドイツでも、それ以外のクレジットカードの作法は日本と違わなかった気がするのですが…。
イギリスだと、自分でカードを暗証番号機に差して、決済が終わったら自分でカードを引き抜き、店員さんはクレジットカードを一切触らない…みたいなお作法なのだと思います。
日本ではサインでも暗証番号でも、クレジットカードを一旦店員さんに預けるお作法な気がしますから、何だかあたふたと戸惑う。
そういえば現地で初めてクレジットを使った場面はホテルのパブで、添乗員さんがサポートしてくれた為にそのあたりの違和感があってもあまり気に留まらなかったのでした。
そう、私……
クレジットカードを差しっぱなしでショップを出ました。
大失敗です。
でもショップを出てすぐにカードを受け取っていない(いや、そもそもカードは自分で差したんだから渡してないよ)ことに気づいて、ショップに戻ろうと振り返ったら…
クレジットカードを持った店員さんが追いかけてきてくれた!!!
ビックリしたし申し訳なくも滅茶苦茶嬉しかったので「センキュー!!そーりー!センキュー!!」と何度もお礼を言ったのでした。
いや、英語としてこの用法があっているのかはさっぱりわからないのですけどね!!でも伝わったようなので一応オーケーなんじゃないでしょうか…!?
次回予告
……さて。
この後は集合場所に戻りますがその時点で時刻はまだ4時になったかならないかくらいです。
予定になかった自由行動タイムの始まり、始まり…!
では次回に続く。
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