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【雑記/映画】映画とかで紙袋を口に当てて膨らませるやつって…:過換気症候群のペーパーバック法

外国の映画やカートゥーンなどで登場人物が危機に陥った時紙袋を口に当てて膨らませるのって見た事ありません?子供の頃、あれに何の意味があるのか不思議で仕方なかったんですよね。
外国特有の何らかのおまじないだと思っていたのですが…

↓こういうの
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これ、(現在では推奨されてないけど)過換気症候群の応急処置です。


外国の映画やカートゥーンなどで登場人物が危機に陥った時紙袋を口に当てて膨らませる仕草、たまに見かけませんでしょうか?
ぱっと浮かぶ具体例が海外アニメ映画ですみませんけれど、具体例で2本映画を。

ディズニーの映画、チキンリトル。

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UFOが襲来し、主人公チキンリトル一行がUFOに潜入した際、小心者の豚のラントくんが紙袋を膨らませるシーンがあります。早く膨らませ過ぎちゃって「ゆっくり、ゆっくり!」と友達のアヒル子のアビーがなだめたりしています。

ドリームワークスアニメーションの映画、モンスターVSエイリアン

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隕石にぶつかった事で巨大化してしまった普通のごく若い女性のスーザンが、宇宙から襲来したロボットと戦うように政府に命じられ、そのロボットを前にしてこんなセリフを言います。
「あんなのと戦えって!?無茶よ…ハァ、ハァ…過呼吸が!巨大な紙袋持ってる!?」


…と、いうことですが…。
この「紙袋を膨らませる」動作は、過換気症候群過呼吸)の応急処置の一種「ペーパーバック法」です。
ペーパーバック法についてググってみると、下記のような記述に行きつきます。

www.jrs.or.jp

紙袋を口にあてていったん吐いた息を再度吸わせることで、血液中の炭酸ガス濃度を上昇させる方法(ペーパーバック法)がありますが、この方法では血液中の酸素濃度が低くなりすぎたり、炭酸ガス濃度が過度に上昇したりする可能性がありますので充分な注意が必要です。
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=41

健康の森[日本医師会ホームページ]過換気症候群(過呼吸症候群)

ペーパーバック法のリスク
以前は、発作が起きたときは紙袋を口にあてがい、袋の中で呼吸を行うペーパーバッグ法が有効だといわれていました。しかし最近では窒息して死亡に至るケースもあったことからおすすめすることはできません。ご注意ください。
https://www.med.or.jp/forest/check/kakokyu/02.html

日本小児心身医学会

<注意>かつて紙袋を口にあてていったん吐いた息を再度吸わせることで、血液中の炭酸ガス濃度を上昇させる方法(ペーパーバック法)がありましたが、この方法では血液中の酸素濃度が低くなりすぎたり、炭酸ガス濃度が過度に上昇したりする可能性がありますので、医療機関以外では行なうべきではありません
http://www.jisinsin.jp/detail/04-koyanagi.htm

この記述の通り、過換気症候群の有効な対処方法と……
いや、駄目じゃん!!


というわけで、

・紙袋を膨らませるのは過換気症候群の応急処置の一種(現在では治療法として推奨されていない)
・映画で紙袋を膨らませるのはわかりやすくて便利な、記号的な扱いをされている

と知ることができました。


でもペーパーバック法は今ではやらないほうがいいらしい。
「紙袋がないからビニール袋」なんてもってのほかです。窒息しちゃう!(;´・ω・)

じゃぁどうすりゃいいんだ、というと、
www.jrs.or.jp

比較的軽い場合は、ゆっくり話しかけて安心させ、適切な呼吸法を誘導します。ゆっくりと小さな呼吸を行い、可能であれば呼気を5秒以上かけて行うように指示します。以前は、ペーパーバック法(紙袋などを使用して自分が呼気した空気を再度呼吸すること)が応急処置としてされていました。しかし、現在では行わないので注意してください。症状がひどい場合や改善しない場合は、気持ちを落ち着かせるようなお薬を使用します。
https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=60

落ち着くまで楽な姿勢にさせてもらって、声をかけたりさすってもらえたりするとありがたいです。
少し落ち着いたらお水ももらえるとありがたいです(主観)


なんであの紙袋を膨らませる行為の正体が分かったかというと、私も15年くらい前から、年に数回くらい発作を起こすようになってしまったからです。
でも頻繁に起こる年もあれば全く起こらない年もあったから、その時の体調と、環境の状態に大きく左右されるんだと思います。


最初に発作を起こした当時、(きっかけは父親に理不尽なモラハラをされた事だったのですが)両親もこの発作について知識がなく、「わざとやってるんだろ」「それがお前の弱さだ」「そういうことをすると嫌われる」と怒鳴られ、なじられ、余計に症状を悪化させてしまったという経緯があります。

そういう経験もあって、「なるべく先入観を抱く前に色々と調べて知識をつける事こそが、自分や周囲の大切な人たちを傷つけず、救う事が出来る術である」と考えるようになったのですが……私にちゃんとそれができているかはわからないなぁ(;´・ω・)
(先入観云々の前に「モラハラ滅びるべし」と思っているけれど)


発作が起きている時、呼吸が苦しいのと同時に全身が痺れ、体がうまく動かなくなってしまいます。
手足のしびれだけでもしんどいのに、頭とお腹の奥の方が痺れる感じは本当に気持ち悪い。
痺れが抜けるまで結構時間がかかりますが、発作自体は10~30分くらい安静にしていれば落ち着きます。…とはいえ、発作を起こすと疲れてしまうし、しばらく痺れや疲労が残る事もあるので、発作が治まってもその日は「早く寝た方がいいかな」って感じにはなります(;´・ω・)


ギリシャへのツアー旅行に参加した際、帰りの飛行機が本当に最悪で、"ギリシャアテネ)→ドイツ(ミュンヘン)→日本"の経路の予定のうち、ギリシャは砂嵐で飛行機が飛ばず、数時間遅れてドイツに入ったら、日本行きの飛行機が先に飛んでしまっていた上にドイツは雪が降ってどの飛行機も飛ばない…その為、空港の窓口がパンクして、たらいまわしにされた挙句、9時間も空港に閉じ込められました。

一晩ドイツで過ごす為の手配もなかなか進まず、日本行きの飛行機も2日後のものしか手配できないと言われ、ツアーメンバーの方が英語で空港側に猛抗議してくださって。
その結果、翌日の飛行機でパリを経由して帰国できることになったけれど、ツアーメンバーは数名ずつ別々の便に分けられ、更に1晩ミュンヘンで夜を明かすホテルの手配が決まったのが午前0時。

ホテルもツアーメンバーほぼ全員バラバラで…という話になった時、それまでなるべくへらへら笑って誤魔化してた私も、何かがぷっつんしてしまった感覚があって、酷い過換気症候群の発作を起こしてしまいました。

だって英語もわからないし、ドイツ語なんて更にわからない。おまけにツアーメンバーのホテルもタクシーも飛行機もバラバラである。


過換気症候群である」と伝える事が出来たお陰で知識のある方に適切に助けていただきました。
その事には感謝しきれないです。

全身が痺れて麻痺し、意識を失いかけている時に意識を失わないように話しかけてくれたり、お水をくれたり、体をさすってくれたり…30分くらいでしょうか、徐々に意識も体の感覚も戻りました。
(まぁその後の帰国までの旅路もトラブル続きだったんだけど…でも何とか帰国できて良かった)

今でもあの時は迷惑をかけたなぁ…と思いつつも、本当に感謝してやまないのです。


これは私の経験にすぎませんから、色々なケースがあると思いますが…。
ふと好きな映画のワンシーンを思い返していて、こんな事を書いてみようかななんて思ったのでした。


(でもギリシャはまた行きたい)

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