海に浮かぶ月のはしっこ

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【イラスト/パロディ】ヴィクター・フランケンシュタインと賢者の石:或いは現代のプロメテウス 〜 ホグワーツ魔法学校のマッドサイエンティスト1

ユニバーサルスタジオジャパンでのハリポタ熱が収まらなかったので、「英文学繋がりでヴィクターくんをホグワーツに入れたらどうか」という遊びをしてみました(*・ω・*)

そもそもホグワーツって?

私はハリーとほぼ同年齢で発売を待っていた世代なので、学校の読書好き界隈ではほぼ常識扱いされていましたが、一応今は知らない世代の方もいる可能性が高いので簡単に。

ロンドンにあるキングス・クロス駅(※実在する)に、魔法の才を持つ人だけが行くことのできる9と3/4番線というホームがあり…そこから魔法学校ホグワーツ行きの列車が出ています。
この魔法学校は全寮制で、魔法の帽子が新入生一人一人の個性や本質を見抜いて4つの寮に選抜されます。


勇気のある者はグリフィンドール(獅子/赤)
狡猾な野心家はスリザリン(蛇/緑)
賢さと知恵を重視する者はレイヴンクロー(鴉/青)
それ以外、又は友情を重んずる者はハッフルパフアナグマ/黄)

※()内は紋章のデザイン


…という具合。
簡単に言うとそんな感じですが、所属するキャラの性格や思想を考慮するとそれ以外にも細かい傾向があるようです。

ハリー・ポッターはグリフィンドール生でしたが、後続シリーズであるファンタスティック・ビーストの主人公ニュート・スキャマンダーはハッフルパフ生でした。
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ハリーは悪に立ち向かっていけるタイプなのに対し、争いを好まず、でも常に何かを救おうと努力しようとするニュートがハッフルパフなのは納得出来るし、主人公の属性としては逆に近い所が面白いですよね。

だからユニバーサルスタジオジャパンでも寮指定マフラーやネクタイなどが売られているのですが、自分の所属したい寮の色を選んで買っているみたいです。
私は寮指定マフラーは鏡を見ながら似合う色ということでグリフィンドールを選んでしまったけど、公式HPでの寮診断ゲームではレイヴンクローかスリザリンにしかなった事がないのですよね( ´ ▽ ` )
グリフィンドールでやっていけるんだろーか…


とまぁ、こういう遊びは中学時代に流行ったものですが、キャラクターをホグワーツのどの寮に割り当てるのか考える遊びも面白くてですね。寮指定マフラーを買ったついでに、懐かしさに乗って英文学繋がりで「マッドサイエンティストの祖」をホグワーツに入れてみたわけです。

ヴィクター・フランケンシュタインと賢者の石:或いは現代のプロメテウス

フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』の場合。
snow-moonsea.hatenablog.jp
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ヴィクター・フランケンシュタインは智の探求者としての素質を見出され、所属したのはレイヴンクロー。ジュネーヴの名士の生まれで、勉強熱心なスイス人留学生。
彼を追って留学してきたのが幼馴染のヘンリー・クラーヴァル。彼は友情を重んじるハッフルパフ。
寮こそ違うものの、精神が弱くなかなか人と打ち解けられないコミュ障なヴィクターをクラーヴァルがサポートしている、という様子を見かける事多々。


…と、原作から設定弄らなくてもキャラが立つヴィクターくんとクラーヴァルすごい。


――現実世界を舞台にしていた原作でさえパラケルススコルネリウス・アグリッパに憧れて錬金術に傾倒、賢者の石を作ろうとしたが科学の発展を目の当たりにして心を折ってしまったヴィクターくん。その後大学で科学を学び、あっという間に大学での成績はトップに。科学を使って錬金術に傾倒した頃に志した不老不死を実現しようと奮闘した結果、人造人間を生み出してしまいますが…彼が悩んだのは「現実離れし過ぎて、話したところで誰も信じてくれない」という絶望。

でも錬金術も賢者の石もある世界なら、「マッドサイエンティストの祖」という忌まわしくも偉大な肩書きを得なくても済むかもしれません。

賢者の石を作るために錬金術にのめり込むヴィクターくん、きっとホグワーツでならマジで賢者の石作れる。
だけどそこは智の探求者たるヴィクター・フランケンシュタイン。生きている人を死なせない、ではなく死んだ人を蘇らせる術に憧れてくれるはず…?


結局ゴーレムづくりでは満足できず、死霊魔術にのめり込み、やがてヴィクターは夜な夜な屠殺場や解剖室、死体置き場を徘徊するように…

誰もが寝静まった真夜中、ふと窓の外を見やると親友が寮を抜け出している姿を目にする。
クラーヴァルがその後を追いかけると、杖先の僅かなあかりを頼りに墓石をひっくり返している親友の姿があった。
「ヴィクター」
クラーヴァルが声をかけると、親友は驚いた様子でぴたりと動きを止めた。
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「クラーヴァル!びっくりさせないでよ」
「そんなことより、こんな夜中に先生に見つかったら退学になるかもしれないじゃないか。一体何をしているんだい?」
「ああ…その…ちょっと探し物を…」
そう言ってヴィクターは口ごもる。人体創造の理論を証明しようとしている…などと言ったら、親友に正気を疑われると思ったのだ。

……なんて、普通に『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』が始まるのですけど笑


他にもジキハイ版など描いたのですが、それはまた明日更新しようと思います^_^