当ブログでよく出てくる世界一有名なマッドサイエンティスト、ヴィクター・フランケンシュタインくん。
私の中では私のアイドル的な存在なのですが…。
彼に関して、「紺青(プルシアンブルー)」という色について少し思う所あったのでちょっと書こうと思います。
紺青はヴィクターくんの色、らしい
1〜2年ほど前の話になりますが、演出家で調べ物に熱心な友人からLINEで「今、本を読んでたらヴィクターくんが出てきたよ!」とメッセージが入りました。
彼女は私にメアリー・シェリー著『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』を勧めた人物であり、私が今作の主人公にベタベタに入れ込んでしまった事を最初に知る羽目になった人物でもあります。
- 作者:メアリー シェリー
- 発売日: 2014/12/22
- メディア: 文庫
勧められてから積読していたものの、私が手術で入院した時に持っていった本がこれで、手術後の後遺症で会話ができず、傷の痛みに耐えながら時間を潰すために読んだ思い出の小説です。でも主人公のヴィクター・フランケンシュタインくんが私には可愛くて可愛くて堪らず、傷の痛みも吹き飛んでしまった…という、エピソードが付属し、ヴィクターくんは私にとってアイドル的な存在なのです。
まぁその時に私が「ヴィクターくんが可愛すぎて!!これからどうなっちゃうのか気になって仕方がない!!!続きを読めるのが待ち遠し過ぎて、ヴィクターくんが可愛すぎて、本当にしんどい!!」などとLINEでメッセージを彼女に送りまくったため、今では「迷惑だったろうなー(´ω`)」と反省もしているのですが。
そんな一件や、その後彼女と「ヴィクターくんは駄目男じゃないよ〜!」「意図があっての信頼出来ない語り手じゃなくて、本人が情緒不安定過ぎて事実誤認してしまってるだけだよ〜!」などといった解釈談義などを経たため、彼女は私がヴィクターくんをベタベタに甘やかしたがっている事は重々承知だったわけです。
snow-moonsea.hatenablog.jp
最も、彼女は私が息子さん(ヴィクターの創造した名前のない人造人間)の方に共感して辛さを共有してくれるものと思っていたようなのですが…予想は外れてしまったようです。
(私は別に息子さんが悪いとか息子さんに共感しないというわけではなく、ヴィクターくんにも息子さんにも同情すべき部分と責められるべき部分があり、どちらを一方的に責めるべきではないと思っている上で、それとは別のベクトルでキャラクターとしてのヴィクターくんが好きだというだけなのですが。)
まぁ久しぶりにいつものいっておきましょうか…
フランケンシュタインは!怪物(人造人間)の名前じゃないから!!
あと人造人間にはボルトとか刺さってないから!黒髪で黄土色の肌の身長2.5mの滅茶苦茶賢い2歳児だから!!
フランケンシュタインは人造人間を生み出した大学生の名前だから!!
ヴィクター・フランケンシュタインは博士号持ってないから博士でもないから!
スイス出身の天才青年だから!!
人造人間生み出した時21歳だぞ!?
原作読んで!!
ヴィクターくん、ヘタレでコミュ障で泣き虫でめっっっちゃ無様可愛いですよ!!!
(酷い言いようですが…)
紺青(プルシアンブルー)の開発者
前置きは長くなりましたが…
そういう次第で、彼女が教えてくれたのが「紺青(プルシアンブルー)」の開発者ヨハン・コンラート・ディッペルという人物の話。
彼女が読んでいたのは色の歴史に関する本らしいですが、このプルシアンブルーを作ったヨハン・コンラート・ディッペルという人物がヴィクター・フランケンシュタインのモデルの1人とされている事が本に出てきたらしい。
拙宅でファンアートを描く時のヴィクターくんはベースカラーに「紫がかった暗い青」をよく使っていて私は「ネイビー」と呼んでいましたが、このプルシアンブルー(和名:紺青)は色を説明すると「暗い紫みの青」という説明になるようで、まさにこの色です。
たまたまではありますが、紺青は根拠あっての正真正銘・ヴィクターくん色。
ヨハン・コンラート・ディッペルという人について
この時はそれ以上突っ込まなかったのですが、最近少し思う所あってこのヨハン・コンラート・ディッペルという人物についてインターネットで少し調べてみました。
本当はきちんと信頼できる研究書などを読んで要約する事が望ましいのですが、「そこまではやっていません」と明示した上でインターネットで見聞きした事を少し書きます。
出典が曖昧な物も結構あると思うので何ですが、主に言われている事は同じです。
・1673年〜1734年に生きたドイツの錬金術師(化学者、自然哲学者、医師とも)
・ドイツに実在するフランケンシュタイン城に住んでいた
・別にフランケンシュタイン家の血縁ではないけどフランケンシュタインというサインを使っていたことがある
・動物の骨や血液などから油(ディッペル油)を抽出する技術を持っていた
・解剖学の知識を持ち、死体を盗んで解剖していたという容疑をかけられたことがある
・ヨハン・ヤーコブ・ディースバッハと共に「紺青(プルシアンブルー)」を開発した
なるほど。
モデルと呼ばれるのよくわかる。
別に作者が「彼がモデルです」と言ったわけではないみたいですが、ここまで色々被っていると少なくとも発想の一部に使われていたような気がしますよね。
原作で、ヴィクターくんは少年時代に錬金術に出会い、賢者の石を作ったり悪魔召喚をしようと頑張ったりしていたものの、科学者と出会って錬金術が時代遅れのオカルトである事実を突きつけられて大きなショックを受ける…というくだりはその後の彼の数奇な運命の前日譚として大きな意味があると思っているので。
彼が人体創造なんてものに興味を持ってしまったのも、錬金術のせいだと思いますしね。
でもちょっと調べただけだったのに、この「紺青(プルシアンブルー)」の製造方法が色々とヤバい。
牛の血液から作っている。
えっ??動物の体から青色の色素が作れるって????
この青い塗料自体、偶然できたものらしいのですが、何がどうなってこうなったのか、凡人の私にはさっぱり意味が解りません。
実際にほぼ忠実に作り方を再現している方がいたので読んでみましたが、うん…意味がわかりません( ゚Д゚)
sites.google.com
ただ、そういう事を知ると、なんとなくヴィクターくんというキャラクターの深みが出て楽しいと思ったり。
ネイビーっぽい色合いの服を見る度にこれからは明確に「ヴィクターくんの色だ!」って思う事が出来るのはちょっと嬉しいかもです。