海に浮かぶ月のはしっこ

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【イラスト/パロディ】ヘンリー・ジキルと謎のプリンス の奇妙な事件 〜 ホグワーツ魔法学校のマッドサイエンティスト2

ユニバーサルスタジオジャパンでのハリポタ熱の余韻パート2。英文学繋がりでヘンリー・ジキルおじさんをホグワーツに入れました(╹◡╹)

…でも50歳のアラフィフをホグワーツに入れるのもあれなので、年齢をちょっといじりました。35年くらい。

そういう遊びです(*^o^*)


前作/ヴィクター・フランケンシュタインと賢者の石:或いは現代のプロメテウス
snow-moonsea.hatenablog.jp
賢者の石を作る事に憧れている錬金術マニアのスイス人留学生、ヴィクター・フランケンシュタイン…あろうことか人体創造に興味を持ってしまう…!?

…という元ネタそのまんまのパロディをしたので、今回もその流れで。

ハリー・ジキルと謎のプリンス の奇妙な事件

元ネタは『ジキル博士とハイド氏』。
snow-moonsea.hatenablog.jp

原題は「Strange case of Dr. Jekyll and Mr. hyde」(=ジキル博士とハイド氏の奇妙な事件)で、現文だとジキルおじさんの愛称がHarryなので。
snow-moonsea.hatenablog.jp


で、35年くらい若返らせた彼らがこちら。
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ガブリエル・ジョン・アタスンはその騎士道精神と正義感の強さを見出され、グリフィンドールへと割り当てられた。彼は感情を表に出す事こそ苦手であったが、面倒見の良い誠実な性格の持ち主だった。将来弁護士になるべく法学を学ぶ勤勉な生徒で、多くの人の信頼を勝ち取り、彼は監督生の役割を与えられた。
しかし彼には心配事があった。

それは彼の幼馴染で親友のヘンリー・ジキルの事であった。アタスンは彼をよく「哀れなハリー・ジキル」と呼んでいた。
ハリーはスリザリンを割り当てられた為、アタスンとは寮が別になってしまった。彼はロンドンの裕福な家庭で育った誠実で優秀な少年。医学、法学などの学問に長け、薬学では首席であった。また正義感も強く、困っている生徒を見かけると必ず手を差し伸べ、自ら進んで善行に励む模範的な優等生。
生まれも良く、容姿端麗、頭脳明晰、まさに非の打ち所のない少年。

「騎士道精神という観点から見ても、グリフィンドールに割り当てられても良かったはずが、何故ハリーはスリザリンに?」と、アタスンはしばしば首を傾げた。そんなアタスンに、ハリーはしばしば「僕は君が思っているより野心家だからね」と笑って言ったものだ。
名誉や家柄を重んじ、保守的で大成の為なら多少の卑怯な方法も厭わないスリザリンの在り方が、彼に合っているとは思えないのだが…。
グリフィンドール生とスリザリン生の多くがお互いに敵対心が強い事も相まって、アタスンはあまり納得がいかないようであった。
哀れなハリー・ジキル。どうか彼の誠実さが、狡猾な生徒達に裏切られませんように。

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そんなある日、夜な夜な手酷い悪戯を繰り返す奇妙な生徒の噂がグリフィンドールに舞い込んだ。目撃した生徒によれば、スリザリンの制服を着た異様な雰囲気の男子で、チビだったという。
仕掛ける悪戯はかなり悪質で、悪戯用品を改造したものであったり、呪いがかけられていたりなどして、怪我をした生徒もいるらしい。
他の目撃情報によれば、質素ながら綺麗な身なりで薬草販売店とゾンコの悪戯専門店に頻繁に出入りし、多額の現金を持ち歩いているとか…。
しかし、スリザリンにそんな生徒は在籍していないという。

彼の持つ雰囲気は不気味だが、悪戯が巧妙でかなりの知識を要するものであったり、裕福な身の上であるようなことから「悪賢い謎の坊っちゃん……謎のプリンス」とあだ名されるようになった。

「我 ここに違う。我 よからぬ事をたくらむ者なり」

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「Mischief managed!(いたずら完了!)」

やがてスリザリンに在籍する下級生、リチャード・エンフィールドが謎のプリンスの犯行現場を目撃し、捕まえたらしい。先生が駆けつける前に逃げられてしまったが、彼はとっさに「エドワード・ハイド」と名乗り、ハリーの名前が入った生徒手帳を落としていったそうだ。

アタスンはハリーが何か知っていると確信し、ハリーに謎のプリンスについて問い詰めたが、答えは「生徒手帳は必要があって貸しただけなんだ」「可哀想な子だから大目に見て優しくしてやって欲しい」という。
アタスンはハリーが謎のプリンスに何か弱みを握られているのではないかと思い、謎のプリンスを捕まえる事を決意する…。


…というようなお話?


無論、謎のプリンスの正体は優等生の名誉を穢したくない故に改造ポリジュース薬で夜な夜な変身して悪戯を繰り返していたハリー・ジキルです。

でも持ち前の快楽主義者としての欲望を抑圧してきたわだかまりを50歳のアラフィフになるまで押さえつけていたジキルおじさんよりかは、ティーンエイジャーのうちに発散したハリー・ジキルの方がまだ重症にならずに済む気がします(°▽°)

ティーンエイジャーでドラッグジャンキーなのも考えものですが…。
なお、ハリーの描写に「容姿端麗」と書きましたが、原作では「長身で体格も良い」と書かれている部分、これ、当時のイケメンの条件らしいのです。そこの反映なので妄想じゃないです。
アタスンはハリーの寮生活を心底心配しているけれど、ハリー・ジキルは元々「普段からいい子を演じていて、実際は性根真っ黒だけど自分が性根真っ黒なのを受け入れられない事で悩んでる」タイプなので、案外寮生活で吹っ切れられるんじゃないかしらね…?スリザリン生は結束が固いからもしこの悩みを打ち明けられたら、きっと吹っ切れられるようにうまくサポートしてくれる友達が出来そうだけど。


透明人間編は色ぬりなど終わっていないので未完で終わるか、日をあけての更新になるかと思います(^^)