海に浮かぶ月のはしっこ

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【雑記】可愛い服は誰のために着るの?

女子トークの中でお洋服の話が出たのでちょっと考えたこと。
"その服、誰に見てもらうために着ているの?"

なんとなく、私の思う事を書きます。
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(サムネイルは私のよく着ている服っぽいのをオリキャラに来てもらったの図。)

カジュアル、きれいめ、ボーイッシュ、パンク、ロリータ、森ガール…ファッション用語ってよくわからない。
確かに書籍検索と一緒でファッションに馴染んでいれば、ショップの持つブランドの傾向などを検索して絞りやすくるためには便利だと思う。
だけど例えばあんまり本や映画に親しみのない家族や知人に"ディストピアもの"と言っても伝わらないように、"ゴスパンク"って言われてもぱっと頭にイメージが湧かない。
私の認識なんてそんなものだ。そこまでファッションに対する興味が旺盛にあるわけではない。


友人がSNSで炎上していた「(お洋服のジャンル名)っていうの?あぁいうの着てる女いるけど、あぁいうの男ウケしないからやめた方がいい」という発言を見て怒っていたので、ふと思ったことがあって。



"可愛い服は誰のために着ているの?"

答えは一つ。ただ私が着たいから着ている。



私の私服は多分、ジャンルで言えばカジュアルと森ガールの中間くらいなんだと思う。
独身アラサー女子ですが、今もレースやフリルがついていたり、ドレープのひらひらするロングスカートが大好き。だって可愛いもの。
でも自分で着てみて「なんか違う…」や「サイズがきつい…」と思う事は度々あるわけで。
そういう時は若干自己否定された気持ちになるかな。「だからお前はダメなんだ」って。
だけど可愛いお洋服を着てみて「なんかいいじゃん」と思えた時、私は少し認められた気分になる。誰に、ってことはない。ただそのお洋服が似合うという事実に対してね。

そこに、"誰に見てもらうために"という目的意識は一切生じない。


時に、通販でお洋服を買うタイミングがあって、我が家では突然宅配便が来るとトラブルに発展することもあるので一応家族に「この服を買うんだけど」と話をするのだが、その時は大体冷たい反応をされる。
「若くて可愛いモデルさんが着ているから可愛いだけよ」「あなたには似合わないわ」という感じに。
今は無視して買ってしまうけど。
でも案外、大人しめのカーディガンと組み合わせて落ち着いた雰囲気にすると、出かける直前に親から「いいね」がもらえることもあるのです。情報の一部だけを見て「似合わない」と決めつけるのはやめてほしいである(;´・ω・)


高校までの間はそういう親のネガティブな評価を真に受けて、今思えばずいぶんな服を着ていたものだ。
あの頃は今よりも、もっと自分に自信がなかった。
可愛い服を着てみたいと思っても家族から「スタイルの良い女の子が着るもの」と言われ、もしもイマイチだったりサイズが合わないものなら「ほらみなさい」と言われるから、いつも白かグレーのダサいTシャツにジーンズみたいな簡素な服を着ていた。
たとえそれで「老けて見える」と家族に言われようと、ただ、「私のような人間には可愛い服を着る資格なんてない」と思うばかりで。

お洋服を選ぶ事は心の在り様の一部を目に見える形で示しているのかもしれない。


呪いが解かれたのは女子大に行ってからの話。
女の子は親の言う事を聞いて、良い子でいて、お嫁に行って子供を産むのが幸せだと思わされていたのが、ぶち壊された時。
女子大に進学したのは私にとって多くのメリットがあった。
「女の子が4年制大学なんて婚期が遅れる」とか言っていた両親が進学を許してくれた理由は「由緒正しい、歴史あるお嬢様大学」というイメージがあったからというのも大きかったようだが、皮肉な事に私は"目が覚めた"。

女性だからって「お嫁に行って子供を産む」生き方だけしか選べないわけじゃないんだ!
私は一人の人間として色々な選択肢を選んで生きていいんだ!
自分の為に、もっと自分のアイデンティティを大事にしなきゃいけないんだ!
私はもっと自由に生きていいんだ!

その反動により、今はひらひらのロングスカートしか着なくなった。
「美人じゃなきゃ可愛い服を着てはいけない」なんて誰が決めたのだ。
私が着たいと思うなら、可愛い服だって好きなだけ着ればいいじゃないか。

勿論大人ですし、TPOはわきまえて会社に着ていく服と私服の種類は分けているけど。
可愛いを着るようになってから、私は少し明るい性格になったらしい。



"その服、誰に見てもらうために着ているの?"
"可愛い服は誰のために着ているの?"



私は特定の誰かに見てもらうために、ではない。私は自分のアイデンティティのため。
私が私という個人であると私自身に教え、目に見える形で表現するため。それは見た目だけじゃなくて精神的にも。

多分制服やユニフォームっていうのは逆で、「私はその団体を構成している一部である」という表現なのでしょう。




さて、私が可愛い服を着る理由は述べた。

確かに「異性に良く見られたい」という気持ちで選んでいる人もいると思うのだけど、どういう気持ちで服を選んでいるかなんて10人いれば10通りあると思う。
友人も、そういった一人一人に理由が存在する事…アイデンティティが存在する事を無視するような発言だったから不快に思ったのではないか、と私は推測している(ちなみに、彼女はその名指しされたジャンルのお洋服を着るタイプではない)。



"可愛い服は誰のために着ているの?"

答えは一つ。私のためだ!