海に浮かぶ月のはしっこ

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観光予定メモ フランケンシュタインとテムズ川クルーズ編

ロンドンに流れるテムズ川
アサシンクリードシンジケートでテムズ川をと思った時はその底の見えない茶色い濁った水に「きっ、汚…!!」と思ったものです。
でも主人公姉弟は、町の平和を守り任務を遂行するためなら躊躇なの川に飛び込んで見せる……アサシンのプロ意識凄い。

調べてみると、産業革命を迎えた19世紀後、テムズ川は環境汚染で最高に汚かったそうな。
当時のロンドンはテムズ川を使って海から内陸への運搬を行う港町の役割も担っていたそうですが…「大悪臭」と呼ばれるほどのひどい臭いの川…ううーん、こんなところ飛び込みたくない……。


ロンドン観光のヒントやオプションツアーなどを見ると「テムズ川クルーズ ディナー付き」などの文字をちらほら見かけます。

アサシンクリードの茶色というか灰色というか褐色の川の水を思い出しながら)
「えっあの川の上で食事を…??」と思ってしまったのですが、調べてみたら現在は環境整備で浄化に成功していて、都市を流れる川としてはかなり綺麗な川になったらしい。
イメージとしては東京湾みたいな感じなのかも。


今回のロンドン旅行の大事なキーワードの一つに『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』がありますが…一応おさらいも兼ねて。

現在よくイメージされている四角い頭にボルトが刺さった継ぎ接ぎだらけの怪物をフランケンシュタインと思っていらっしゃるなら、それは今忘れてください(╹◡╹)
(これはユニバーサルスタジオジャパンにいたフランケンシュタイン

フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』は1818年のイギリス文学で、当時まだ10代の女流作家メアリー・シェリー女史の処女作です。読めば読むほど深みがあるので、200年経っても世界中で愛され続けているのも当然…だと思いますが、残念ながら私も原作を読むまで、30代くらいの狂気の科学者が生みだしたボルトが刺さってる継ぎ接ぎだらけの怪物が風車小屋で焼け死ぬ胸糞な話だと思ってました。

けど、実際は天才大学生のヴィクター・フランケンシュタインが人造人間を作ってしまい、怖くなって逃げ出してしまった事から始まるホラーで、でもヴィクターのあずかり知らぬところで滅茶苦茶に賢く育った人造人間が「誰にも愛されず、我が創造主もおれを拒絶するなら自分を愛してくれる花嫁作ってくれ」と要求してくる…という物語。
個人的にはこのヴィクター・フランケンシュタインが自分の天才的な能力に全く精神が追いついておらず、追い詰められて苦悩して誰にも相談できず抱え込んで苦しんでしまう姿が、あまりに情けなくて可哀想で可愛いと思っております(°▽°)

そう、そして彼が近代SF小説におけるマッドサイエンティストの祖と呼ばれる天才大学生なのです。ヘタレですが。


ヴィクターくんが人造人間(名前なんてない)に花嫁を作るように脅迫された後、家族を巻き込むわけにはいかないと友人のクラーヴァルを連れてイギリスに旅に出ます。
その時に使ったルートが、馬車で陸路→船で海路→テムズ川を通って船の上から各地を眺め、ロンドンの中心部に滞在する…というもの。

今作を通して知り合った友人がこのイギリス旅行のシーンが大好きだと言っていたのでしげしげと眺めると、人造人間に脅迫されてることを思い出してはテンション撃下がりのヴィクターくんを励ますように話しかける友人クラーヴァルとの人間関係が浮き彫りになりますね。
私はクラーヴァルとのやりとりでは、人造人間が目覚めた時の恐怖で寝込み、学校に行けなくなっていたヴィクターくんが久々に大学に行った時の教授と会話するシーンがお気に入りなのですが…。

どちらのクラーヴァルも、ヴィクターくんのことを気遣って気を利かせて何でもしれてくれるけど、ヴィクターくんの悩みには一切触れないし「話してくれるのを待ってる」んですよね。
結局、その日は来ないけど…。


そんなヴィクターくんとクラーヴァルがロンドン周辺の観光地を眺めるのはテムズ川の船の上。
ヴィクターくんの生きた時代は、設定上では1700年代なのでまだテムズ川は綺麗だったはず。きっと今テムズ川をクルーズしたら、ヴィクターくんの見た景色に近いものが見られるかもしれません。街は当然変わっているでしょうけど、テムズ川から見るロンドン塔やセントポール大聖堂なら、きっと同じ。

テムズ川のクルーズも催行会社によって色々な種類があるようで、前述のお食事付きプランの他にオーディオガイド付きの観光客向けのクルーズ、地元の人は水上バスを使うらしいです。

私が申し込んだのは観光客向けのクルーズ。
流石に時間的な問題で、現在のクルーズ経路の最東に位置するグリニッジから出発することはできなかったので、もう少し西のロンドン塔からビッグベンまで。
この船旅でヴィクターくんの見た景色を体験できますように。