ついに19記事目。もうまもなく20記事です。
色々とやりたい事が多すぎて時間が足りないので旅行記も一気に終わらせてしまいたいところです。
さて、今記事ではどこまで進めるでしょうか…!?
●前回までのお話
ツアー最終日。最後の1日は3時までの自由行動です。
時間が短い上に帰国準備でもたついてしまったので心は焦りますが祝日だからか電車のダイヤが変更になっていたり、なかなかうまくいかない。
そんな中、思い入れの深い文豪の所縁の地を歩いた後にセントポール大聖堂を見学していたら、大通りが通行止めに…。
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次の目的地へ
今日の目的地はロンドン塔の港に行くまでの間は徒歩で近隣を回ります。迷う可能性を考えて、早めに早めに移動したいと思いつつ、セントポール大聖堂を出ました。
私の次の目的地は「セントジャイルズクリップルズゲート教会」。
マラソン大会につき横断歩道が渡れない。
セントポール大聖堂を出ると、大通りは通行止めになっていました。
どう見てもマラソン大会。
そういえば朝ここまで来るまでに交通整理のおじさんがたくさんいたのはこのせいだったのでしょうね。
それは良いのですが、私は次の目的地に行くためにこの大通りを横断したかったのですが……当然ながら柵が設置されていて通れません。
勿論、一日限りの臨時の通行止めですからGoogleマップでルートが検索できるわけもなく…。
柵で遮断された横断歩道の前をうろうろ。
すると、突然「May I help you?」と声をかけられました。「お困りですか?」って聞かれた??
はい、困ってます!!
振り返ると、制服を着た背の高い男性でした。
インフォメーションの人??駅員さん??
よくわかりませんが……
「マラソン大会をしているので横断歩道を渡れない…」
……と伝えようにも私は英語が喋れないので、つたなく「I want to go...(行きたい)」と言いながらGoogleマップを見せました。すると、男性は英語と指差しで丁寧に教えてくれました。
はっきりとはわからないけれど「地下鉄の連絡路をくぐれば向こう側に行けますよ」、という事らしい。
滅茶苦茶にお礼を言って、私は地下鉄の連絡路を下りて、また再び地上に上がっていきました。
おお……ここから先はマラソン大会を縦断する必要がなさそうです!
寄り道:Roman fort gate
あとはほぼまっすぐ歩けばいいかな、というところまで来て、突然目の前に都会に似つかわしくないものが現れたのです。
何でしょう?公園??
でも公園にしては何か……。
Googleマップのフラグが立っているので、何だろうと思ってマークを見ると「Roman fort gate」と書かれており…もしかしてこれ、遺跡?
街中に突然の遺跡……日本でいう、街中に突然古墳みたいなそういう…?
もう目的地のすぐそばまで来ているし、自由に入って良さそうな雰囲気だったので遺跡を近くまで見てみることにしました。
本当に遺跡でした。
背景があんまり似つかわしくないです。
ビルが建っているし…。
遊歩道が歩いて行けそうだったので奥まで行ってみることにしました。
奥の、ビルが隠れるエリアになると遺跡感が増します。
誰もいないのかと思っていましたが、人が。
まったり過ごすにはいい場所かもしれないですね(*'ω'*)
後々調べてみるとガイド付きツアーなどもあるようですね。私一人で探索するには知識がなさ過ぎて散歩を楽しむくらいの用途でしたが、ちょっと非日常感があって面白かったです。
その後、すぐに道に戻ったのですが、その後この遺跡で見た水辺が邪魔をしてなかなか目的地に行けず、袋小路に迷い込み、目的地に着くまで少々苦労しました……。
セントジャイルズ・ウィズアウト・クリップルズゲート教会
こうして、何とか教会にたどり着くことが出来たのでした(*'ω'*)
日本で言うところのマンションのような集合住宅の一角にひっそりとたたずむ教会。ここが私の目的地です。
www.stgilescripplegate.com
マラソン大会のせいか、誰もいません。
正面には川があり、川の向こうにはカフェなどがあるようです。テラスに座っている人々の姿が見えます。
せっかくですので聖地巡礼マーキング写真をパチッと。
ジョン・ミルトン著『失楽園』。
この教会はジョン・ミルトン先生が埋葬された教会なのです。
- 作者:ミルトン
- 発売日: 1981/01/16
- メディア: 文庫
しかしこれだけ誰もいないと開いているか心配になります。特に閉まっている様子はないし、扉を押してみると鍵もかかっていないようですが…。
マジで誰もいない
小さくてひっそりとした教会なので、セントポール大聖堂の後では確かにわざわざ観光に来たりはしないと思いますが…。
左側に映っている机は、本が並べられていました。古本市の屋台みたいな。
教会内のちょっとした図書室のつもりなのか、無人の古本市なのかはわからないですが…。
文豪ジョン・ミルトンの眠る地
この教会にはジョン・ミルトン先生が眠っているといいます。
立派な胸像があり…
入り口から見て正面の壁沿いに、銅像もありました。
一応、これが私の目的ではありました。
胸像はいくつかありますが、全身を模した銅像があるのはジョン・ミルトン先生だけです。
『失楽園』は私の西洋文学興味の礎です。これがあったからこそ、大学進学もあったわけで、そういう意味で私の半生に関わる著作を書いた人物。
この旅は「一度死んで(…だつもりで)人生をやり直す」という意味を含んでいたので、そのターニングポイントにジョン・ミルトン先生に関わる何かをしたかったのです。
せっかくロンドンに来て、ロンドン市内の少し足を延ばせば届くところにこの教会があるのです。
なら、この偉大な文豪に私の新しい人生の始まりの為に感謝の念を捧げておきたい。
教会の奥のステンドグラス。
このステンドグラスを眺めながら15分くらい椅子に座っていたと思います。
疲れ切っていたのもありますが、誰もいない、無音の空間でぼーっとステンドグラスを眺めているのも、心の休まる時間だったように思います。セントポール大聖堂は観光客がたくさんいましたしね(;^ω^)
まぁその反面、誰もいないのに入ってきちゃってよかったのかなぁっていうちょっとした心配はあったんですけど…。
この怒涛の数日間の体験を絶対に忘れない……と心に決めて、私は教会を後にしました。
食事を取る心の余裕などなく次の目的地へ
時刻は12時15分頃。
次の目的地はロンドン塔前のテムズ川の港。
そこから水上バスや遊覧船などの定期船が出ています。
私はある目的の為にその船に乗ってウェストミンスター(ビッグベンや観覧車のあるエリア)まで戻りたいのです。
もしも船に予定通りに乗るのだとしたら、ホテルに戻るのに集合時間を過ぎてしまいかねません。
船のチケットの注意事項に「乗り遅れてしまったら、次の便に乗ってください」と書いてあったような気がしたので案外一本前でも乗れるのではないかなという思惑もあって、早めに到着しておきたかったのです。
昼食は諦めることにしました。
……だって注文に手間取ったらそれこそタイムロスですし…。
ムーアゲート駅(Moorgate Station)から地下鉄Circle Lineでタワーヒル駅(Tower Hill)へ。
ただ、そこまでたどり着くのが大変でした。
教会からムーアゲート駅までは距離的には大して離れていない……はずなのですが、そこまでの一帯が工事中でそこかしこに通行止めがされており、ぐるりと大回りしないとたどり着けなかったのです。
駅が近いという事もあってかレンタサイクルの駐輪場が目に付いたのが何となく印象的で、日本より普及率が高いのだろうなぁと何となく思っていました。
しかし人通りは寂しく、ほとんど誰も歩いていません。車もほとんど見かけません。閑静な住宅街、という言葉がよく似合う。
朝からこんな調子でへとへとに疲れている最中、路線を間違えそうになり、電車のダイヤ変更を思い出し……。
そんなことをしている間に今乗ろうとしている電車が果たして正しいのか、判断力が鈍くなっていったのです。
日本のような路線図があれば一目でわかったのかもしれませんが、そういったものが見つからないまま電車が来てしまい…
焦った私は電車に乗り込んだ作業着のおじさまにとっさに「This way Tower Hill⁉」という滅茶苦茶な言葉を叫んだのです。(タワーヒル行きですか?、と聞きたかった)
するとおじさまが何かを答えようとした瞬間、無常に電車の扉が閉まり…。
「あぁ……行ってしまった…」と思っていると扉が開いておじ様が「Tower Hill?」と返してきたのです。
えっ何で!?
と驚きながらも「Tower Hill!」と返すと、「Yes」と言って電車の中を指し示してくれたので、サッと電車に乗り込みお礼を言いました。
おじさまの胸には地下鉄のマークがついた名札がついていて、どうやら地下鉄の関係者らしかったのですが…。
よく観察してみると、電車内の扉脇にはボタンがあり、それを押すと緊急で扉が開く仕組みになっているのではないかと思います。恐らく、非常時や駆け込み乗車等で鞄が挟まった時などに使うものなのでしょう。
でもいいのか!??!?
私のせいで一瞬電車止まりましたよね!?日本だとぶっ飛ばされ案件ですよね!!?
というわけで、迷った時間を含めて徒歩15分+たった10分程度の電車の旅も前途多難というか、大冒険だったのです。
そして今日だけで3回も現地の英国紳士に助けられたのでした。…凄い体験だ……。
タワーヒル駅ロンドン塔周辺
さて、タワーヒル駅はロンドン塔の最寄り駅。
大きな観光名所があるだけに多くの観光客でにぎわっていて活気があります。
地下鉄から地上に上がると真っ先に目に付いたのはロンドン塔でした。
流石最寄り駅。
駅の前は大きな道路が通っている為、ロンドン塔に向かうのに階段を使って下へ降りていき道路をくぐるのが良いようです。
ローマの痕跡
階段を下りていく途中で芝生の広場のようなものがあり、何かの銅像が立っていました。イギリスの有名人かと思って近づいてみたところ、どうやらそうではないらしい。
ローマ皇帝のトラヤヌス帝、だそうです。
背後にある遺跡のような壁もローマ関連の物なのかしら。バースの遺跡(ローマの大浴場)の存在を知ってもいまいちピンと来ていなかったのですが、ローマに支配されていた時代の痕跡が結構身近なところに残っているようです。
道路をくぐるとちゅうにも、こんな遺跡跡が残っていました。
私が思っていたロンドンのイメージとはあまり合わないものだなぁという感想。
ロンドン塔周辺
目指すはロンドン塔近くにある港。そこから船に乗ります。13時30分予約のチケットですが30分早めて13時に乗るとして、時刻は12時40分。
ゆっくり歩いても間に合いそうな程度に時間の余裕があります。
足も疲れてしまっているので、柵からロンドン塔をまったりと眺めました。
入り口付近は大勢の人が並んでいて……ちょうど混雑する時間帯のようです。
公園っぽい動物の置物が設置してあるのが何とも言えない。
スタバなどあるので少し何か食べるものを買おうかとも思ったのですが、こんな様子だと買うのが大変そうです。日本ならまだしも、外国で時間に追われるのは流石に…遠慮しておきます(苦笑)
時間にも余裕があるという事で聖地巡礼マーキング。
メアリー・シェリー著『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』。
やがてロンドンに近づくと、数えきれないほどたくさんの尖塔が目を惹きます。ひときわ高いのがセントポール大聖堂で、イギリス史にその名をとどめるロンドン塔も見えてきたのでした。
メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』 芹澤恵(訳)、新潮社(2014)、P.312~313
セントポール大聖堂と同時に描写されているこの描写、実は船の上から見た描写なのです。
ヴィクターくんが海路からテムズ川を通ってイギリスに入っていく時のシーンで、東から西へ入っていくために大きなセントポール大聖堂の屋根、近づいていくにつれ手前にセントポール大聖堂と比べて低いロンドン塔が見えるという風景が現れます。
そう、私が旅の最後の目的として選んだことのはヴィクターくんと同じように船で西へ向かう事。時間や港の経由地的にこれ以上東をスタート地点にするのが難しいのでロンドン塔からですが、そこから西へ行く途中にセントポール大聖堂も見えるはず…!。
次回予告
旅の最後はテムズ川クルーズ。
第20記事目は帰国までのエピソード……になると思います!
★つづきはこちら
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★英国一人旅記事一覧
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