海に浮かぶ月のはしっこ

映画や文学作品、神話関連その他の事をおぼえがきしますよ

【観光】英国一人旅 13 / リージェンツ・パーク 5月26日

黒に近いグレーな企業の社畜を辞め、自分の自信を得るために日本を飛び出し、生まれて初めての一人旅に出た記録。テーマは英文学聖地巡礼。…最初は5記事くらいで終わるかな~と思っていたのに、いつの間にやら13記事目です。半端ない(;^ω^)
でもそれくらい情報量も多い旅だったと思う。

4日目は自由行動。
いよいよお待ちかねの聖地巡礼ラッシュです(*'ω'*)
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●前回までのお話
3日目の午前中はパックツアーに含まれている添乗員付きバスツアーでコッツウォルズを巡り、午後からは『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』で私のアイドル/ヴィクター・フランケンシュタインの歩いたオックスフォードを歩き、『不思議の国のアリス』や『ハリー・ポッターと賢者の石』とも関連性が強いオックスフォードの大学の一つ、クライスト・チャーチ・カレッジを見学しました(*'ω'*)
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一人旅4日目の朝が来た

いよいよ、4日目です。待ちに待った……という気持ちと、自分にとって大きな挑戦になるという二つの意味でドキドキ。何より、早く起きなければならなかったのでぐっすり眠れたかと言うと緊張であまりよく眠れた感じはしませんでした。

もしも「大英博物館」がツアーでちょっと見るだけで終わったとしても、「コヴェントガーデン・マーケット」と「リージェンツ・パーク」と「テムズ川クルーズ」だけは外したくなかった私にとって、4日目と5日目は失敗が許されないと気を張っていました(; ・`д・´)
でも英語は話せない、一人旅なんて初めて、ましてや海外なんて数えるくらいしか行った事がない私にとって添乗員もなく放り出される自由行動日というのは大きな挑戦でした。海外慣れしている友人たちが「イギリスは初心者でも大丈夫」と言ってイギリスを勧めてくれたからここに立っているわけですが、彼女たちは結構英語話せるからね。

私みたいな「大学時代、圧倒的に興味は日本文学<西洋文学なのに英語が出来ないのが本当に辛すぎて「読むのは翻訳でかまわない(その代わり数を読む)」ことをシラバスで宣言されていた西洋文学史傾向の強い比較文学系ゼミを選んだ語学ダメダメ人間」が一人でどこまでやれるのか、正直言って自信がない。

不安その2は、前日に予定表を添乗員さんにチェックしてもらった時に「早朝に「リージェンツパーク」に行くのはお勧めしない」と言われたこと。早朝は人気が少ないため、観光客がトラブルに遭う事もあるそう。公園ですしね。
それ以外に「ちゃんと一人でバスに乗れるのか」という不安もありました。もしも「プリムローズ・ヒル」に行きたいのならバスに乗る必要があります。…もしも予定が立て込んでいて、足にマメが出来ている状態で2~3kmも歩きたくないのならね(;^ω^)

でも、寝る前にやれるだけやってみよう、と決心したのです。
2日目のツアープログラム内での大英博物館スピード観光後に「コヴェントガーデン・マーケット」や「ロイヤルアカデミーオブアーツのジョン・ミルトン像」も見ることが出来てしまったので予定からそこを削り、行けたら行きたかった「大英図書館」を外し、「大英博物館」に時間を多めに割くことにしてその代わりに「プリムローズ・ヒル」に行くことに決めたのです。
そのために「早朝に「リージェンツパーク」に行く」ことは外せなくて。頑張ってみることにしました。

※私はたまたま何事もなかったんですが、添乗員さんも「お勧めしない」と言ってますし、自己責任ですよ!( ゚Д゚)

朝食のお時間

記録によると、現地時間7時18分
私は予定が詰め詰めだったので、スケジュール表には「6:00 起きよう…」と書かれていました。とはいえ、私は朝が得意な方ではないし、もう旅行日程の後半で疲れも出ていたので結局起きたのは6時半過ぎくらいだったと思います。

この日、食堂では同じツアーの人たちとは会わなかったような…。
前述の通り日程の後半で、バスツアーの時は8時半にはバスに乗っている予定で行動していますからね。自由行動の日くらいゆっくり寝たいのもわかる。
国内旅行の時はいつも朝食入場ギリギリの時間まで寝て、チェックアウトギリギリまでごろごろしてる(笑)

食べ慣れてきたけれど正直ちょっと食傷気味(苦笑)なイングリッシュ・ブレックファスト。
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ついにこれまで食べて美味しいと思った料理しか選ばなくなった…(;^ω^)
ハッシュドポテトとお豆のコロッケは美味しいです。

この日1日持ち歩く本はロバート・ルイス・スティーヴンソン著『ジキル博士とハイド氏』、ハーバート・ジョージ・ウェルズ著『透明人間』
つまり、この二作の文学聖地には行くって事です。
頑張るぞっと(/・ω・)/

4日目の散策ルートの話

実際に巡った英文学所縁の地は、以下の通り。

リージェンツ・パーク ロバート・ルイス・スティーヴンソン著『ジキル博士とハイド氏
イカーストリート 221B アーサー・コナン・ドイル著『緋色の研究』
プリムローズ・ヒル ハーバート・ジョージ・ウェルズ著『透明人間』
大英博物館(…の北の道) ハーバート・ジョージ・ウェルズ著『透明人間』
キングズ・クロス駅9¾番線 J・K・ローリング著『ハリー・ポッターと賢者の石
ブルームズベリー広場庭園 ハーバート・ジョージ・ウェルズ著『透明人間』
パブ「シャーロック ホームズ」 アーサー・コナン・ドイル著『緋色の研究』

歩いたルートに番号を振ってみたのでご参考くださいませ(/・ω・)/

リージェンツ・パーク

リージェンツ・パークにどうしても行きたかった理由…それは、ロバート・ルイス・スティーヴンソン著『ジキル博士とハイド氏』に登場するスポットだからです。
https://www.royalparks.org.uk/parks/the-regents-park

前日心配していたお天気も大丈夫そうで一安心。
「にわか雨に注意してね」と添乗員さんが言っていたので、雨が降る前にリージェンツ・パークには到着したかったのも、早朝に行くことを選んだ理由の一つでした。
公園だから、という理由もありますが、色々な意味でお天気は重要でした。

そんな一月のある晴れたさわやかな日のこと、足の下には溶けた霜にぬかるんだ地面、頭上には雲ひとつない空が広がり、リージェンツ・パークは冬鳥のさえずりと春の甘い芳香に満ちていた。
ロバート・L.スティーヴンソン「ジキルとハイド」田口俊樹(訳)、新潮社(2015)、P.135

そう、ジキルおじさんが日向ぼっこしていたのは「晴れたさわやかな日」なのです。
前日、オックスフォードでヴィクターくんが歩いた街を歩いた時は何とも言えない気持ちになったので、できれば小説の描写に近い条件で歩きたかったのですよ。

地下鉄:リージェンツ・パーク駅(Regent's Park Station)

いいお天気。
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リージェンツパークまではお天気大丈夫そうです(*'ω'*)

地下鉄(ロンドン版東京メトロ、TUBE)に乗るのはこれで2回目。
東京でもよくある話ですが反対側の線路に出てしまったり、途中で二手に分かれる路線の為に正しい行先の電車を選ぶというのがなかなかスムーズにいかず、1~2本流すことになってしまいました(;^ω^)

ホテルの最寄りのウェスト・ブロンプトンからDistrict lineで エンバンクメント駅Bakerloo lineに乗換えて、リージェンツ・パーク駅へ。

もう少し心の余裕があったなら、Bakerloo lineリージェンツ・パーク駅の次の駅イカーストリート駅(Baker Street Station)で降りても良かったのですが…気持ちも焦っていたのでそんな心の余裕はありませんでしたね(;^ω^)

イカーストリート駅に何があるというと、すぐ近くにシャーロック・ホームズシリーズの聖地「ベイカーストリート 221B」があるので、駅自体もシャーロック・ホームズの雰囲気や立像などが楽しめるとのことでファンにはたまらない仕様になっているそうです。

最も、私はどちらかと言えばシャーロック・ホームズよりかは"マッドサイエンティストの祖"を追いかけてイギリスに来ているので優先順位的には仕方がなかったのですよ。遅れた分、少しでも早くリージェンツ・パークに着きたかったですしね。

リージェンツ・パーク駅内は普通に東京メトロのよう。そう言う意味では親しみが持てます。
東京メトロと比べると筒形になっていることや自動販売機や売店がないとか、そういった理由でどことなく窮屈な感覚もしなくはないのですが…。
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TUBEは滅茶苦茶深いので地上に出る為の螺旋階段が超長いです(*ノωノ)
普通はエレベーターやエスカレーターを使うんでしょうけど、見当たらなくて…。
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ちなみに、他の駅で見かけた駅のエレベーターなどは業務用みたいな大きさで、日本のように窮屈ではないです。

地上に出てみると、綺麗な青空が広がっていました!(*'ω'*)
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この道を直進していくと、右手が柵に囲まれていて、柵の内側で花が咲いている様子がわかります。
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この柵の中がリージェンツ・パークの「パーク・スクエア(Park Square)」と呼ばれるエリアのようです。

いやぁ、リージェンツ・パークって縦3km×横3kmくらいのサイズがある滅茶苦茶広大な敷地だから…。
エリアに名前がつい当ているのですよ(;^ω^)

メリルボーン・グリーン

入り口を見つけたのは、広大な芝生のエリア。
名前を「メリルボーン・グリーン」というそうです。
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気持ちのいいくらいただひたすらに広い芝。周囲は綺麗に整備された林に囲まれていますが、芝の方は何も遮るものがありません。大の字になって寝ころんだら気持ちがいいでしょうねぇ(*'ω'*)
添乗員さんは人気がなくて危ないかも、と言っていましたが、時刻は朝9時少し前

散歩をする人、それから飼い犬のドッグランさせている人などがいて、全く人気がないという感じでもありませんでした(*'ω'*)


ふと見ると、リスが…!
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人慣れしているのか、ある一定の距離は保っているものの、近寄ってきたり遠ざかったりを繰り返しながら餌を探していました。人間に大事にされているのでしょうね(*'ω'*)
野生にしてはあまりに近くまで寄ってくるし、おやつももらってるのかもしれないけど…。
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近い…。

すがすがしい空気、遮るものの何もない青空、想像以上に最ッ高……!!

適当なところで聖地巡礼マーキング写真をパチリ。
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そんなことをしていたらリードのついていない二匹のわんこ(フレンチブル…?)がかなり近くまで寄ってきてビックリしたり。飼い主さんが近くでわんこにボールを投げていたようです(;^ω^)

クイーンメアリーズ・ローズガーデン

実はリージェンツ・パーク、私はあまり大きな期待をしていませんでした。
私自身は「目的が文学聖地巡礼の為、散歩できればそれでいい」と考えていましたしね。

ガイドブックでも特別大きく取り上げられるスポットではありませんでしたからね(;^ω^)
でも考えてみれば、ロンドンは大英博物館を初めとする多くの世界的な博物館・美術館が集まっていますし、ロックの聖地だったりバッキンガム宮殿があったりと…見どころが多すぎるんですよね(;^ω^)

でもせっかくなら『地球の歩き方』で勧められていた「クイーンメアリーズ・ローズガーデンQueen Mary's Rose Gardens)」は見ておきたいかな、という希望はありました。

それはリージェンツ・パークの敷地の中央らへんにあるバラ園
6月頃がシーズンだそうなので時期は少し早いけれど少しならバラが咲いている可能性が高い。
特別バラが好きって事もないのですが……まぁ、せっかくここまで来たんですしね!

綺麗な写真も撮っておきたくて。(*'ω'*)


ところが、そんな気持ちでバラ園の入り口をようやく見つけたと思ったら……。
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えっ凄ッ!!?
いいんですか!?入場料無料の公園なんですよね!!?

日本だったら入場料3000円くらい取られそうな豪奢な門構え…。

ドキドキしながら中に入ってみたら、それがまた凄いんです…。
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このあたりは入り口付近。
でも広場に近づいていくと…。
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満開のバラに囲まれた庭園が広がっていました。
マジで凄いな…!!
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時期が良すぎる!!(・_・)

正直言って5月下旬を選んだ理由ってゴールデンウィークのツアー価格高騰から落ち着き、6月の新婚旅行シーズンによるツアー価格を避けて選んだ…みたいな消極的な理由だったんですが、今咲いている花とちょうどこれから咲く花の割合が良すぎ。

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この光景を見て最初に思ったのは「"秘密の花園"ってこんな感じなのかしら!?」ってこと。
奥に見える木のベンチなどが更にそんな気持ちを掻き立てます(*'ω'*)

蛇足:フランシス・ホジソン・バーネット著『秘密の花園

美しいバラの庭園を見て思い出したのは秘密の花園
まぁ、あれは中庭なのでもう少し雰囲気が違うのかもしれませんが、1911年の作品ですから凄く時代が離れているってわけでもない。

なので多少雰囲気は似ている…と思う、多分(;^ω^)
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フランシス・ホジソン・バーネット著『秘密の花園』(1911年)

秘密の花園(新潮文庫)

秘密の花園(新潮文庫)

大学時代にレポートの課題に出された文学作品の一つで、これも英文学です。
当時は翻訳本を時代別に分けて読み、文学史目線で見た文学の傾向の移り変わりを読み取る練習を繰り返していました。これはその中の一作。

インドがイギリスの植民地だった時代。
インドで両親と暮らしていた主人公メアリーは両親が亡くなったためにイギリスに戻され、ヨークシャーに住む伯父の家に引き取られました。親から放任され、使用人としか関わった事のない彼女は人との接し方を知らず、わがまま放題で心を閉ざしていました。しかし、彼女は伯母が亡くなってから放置されていたという「中庭の花園」を見つけ、使用人の弟のディコン、メアリーの従兄弟にあたる足の悪い少年コリンと共に、大人たちには内緒でその花園を蘇らせようと奮闘する…というようなお話。
エンディングが滅茶苦茶ハッピーエンドですし、子供たちが主人公の心温まるお話(*'ω'*)

映画版がなかなかに原作に忠実で凄く良かった記憶があります。

秘密の花園 [DVD]

秘密の花園 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: DVD

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しかし、こんなに美しい所なら半日くらいベンチに座ってぼーっとしていたいですね…(;^ω^)

ピクニックシートを持ってきていたので、どこかで日向ぼっこできればいいなとバラ園の中央部から外れて小道の方へ出て行きました。
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すると、何とも文学聖地のイメージにぴったりな景色を見つけてしまったのです

【文学聖地】『ジキル博士とハイド氏』:リージェンツ・パーク

リージェンツ・パークに来た目的は、『ジキル博士とハイド氏』に登場する景色を見る事。

ある晴れたさわやかな日のこと、足の下には溶けた霜にぬかるんだ地面、頭上には雲ひとつない空が広がりリージェンツ・パークは冬鳥のさえずりと春の甘い芳香に満ちていた。そうした陽気を浴びて私はベンチに坐り、私の内なる獣は記憶の断片を舐め、私の精神は、後に続く後悔を予感して、まだ動こうとはせず、微睡んでいた。

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この景色!!
物凄くそれっぽい!!!!°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

このあたりのエリアは、バラ園から日本庭園風のエリアへ向かう道の途中。
池を囲うように植えられた木々や花々に囲まれて、光が注ぐ様子は本当に美しいですね。


さて、このリージェンツ・パークはストーリー内でとても重要なシーンに登場している地名です。
その重要性についての考察は以前に記事にまとめているのでここではお話しませんが、その状況くらいは書いておこうかなと思います。
snow-moonsea.hatenablog.jp

ミステリー調に描かれている本作の、最終章「ヘンリー・ジキルの語る事件の全容」に登場する所謂ネタバラシのシーンなのですが、「まぁ原作読んでなくても大体わかるよね」という事で書いてしまおうと思います。

世間的な評判に固執している医学博士ヘンリー・ジキルは10年以上に渡る研究の末に不思議な薬を生み出します。その薬は使用者の姿と人格(≒性格)を変容させる薬でした。背が高く体格の良い50歳の彼がその薬を使うと、痩せていて血色が悪く小人のように背の低い不気味な若い青年の姿になり、欲望のままに行動しても罪悪感に苛まれない、しかももう一度飲めば簡単に元の姿に戻れることが分かりました。それが分かった彼はソーホーに別荘を買い、筆跡を偽装し、身辺整理をした上で、昼は立派な医学博士として、夜は気ままな若者として生きる二重生活を送るようになりますが…ある日、エドワード・ハイドの姿で出かけて行った夜に、カッとなったはずみで男性を殴り殺してしまったのです。
当然、エドワード・ハイドは殺人犯として指名手配され、それをきっかけに断薬を決めたのですが…彼はリージェンツ・パークのベンチで日向ぼっこをしていた際に自分の意思とは関係なく変身してしまいます。(どう考えてもヤク厨

そんな一月のある晴れたさわやかな日のこと、足の下には溶けた霜にぬかるんだ地面、頭上には雲ひとつない空が広がり、リージェンツ・パークは冬鳥のさえずりと春の甘い芳香に満ちていた。そうした陽気を浴びて私はベンチに坐り、私の内なる獣は記憶の断片を舐め、私の精神は、後に続く後悔を予感して、まだ動こうとはせず、微睡んでいた。そういう中で私は思ったー結局のところ、私も隣人たちとなんら変わらないではないか。他人と自分とを比較すると、自分の積極的な善行と、無視による彼らの残酷な怠惰とを比較すると、思わず笑みがこぼれた。
ロバート・L.スティーヴンソン「ジキルとハイド」田口俊樹(訳)、新潮社(2015)、P.135

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そんな自惚れに浸っていたまさにそのときだ。突然の目眩に襲われ、ひどい吐き気を催し、体がわなわなと震えだした。それが収まると、私は気を失い、しばらくして意識が戻ると、自分の内なる変化にまず気づかされた。より大胆になっていた。危険を侮るようになっていた。義務の戒めから解放されていた。自分の体を見下ろした。ちぢんだ手足に衣服がだらりとぶら下がり、膝に置いた手はすじばって、毛に覆われていた。またエドワード・ハイドに戻っていたのだ。私はその直前まで誰からも敬われ、愛される裕福な男だった。自宅の食卓では私のために用意された料理が待っているはずだった。それが突然、世間の攻撃の的として追われ、家もない、世に知られた殺人犯になっていたのだ。絞首台行きの奴隷に成り果ててしまっていたのだ。
 私は動揺した。が、私の理性は私を完全には裏切らなかった。
ロバート・L.スティーヴンソン「ジキルとハイド」田口俊樹(訳)、新潮社(2015)、P.135

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着替えがなくてサイズの合わない服をズルズルと引きずるようにして歩いているエドワード・ハイドの描写はもうひとつ前の章である「ラニヨン博士の手記」に詳しく書かれていますが、上記の描写からも読み取れるように「低身長萌え袖ショタジジィ」は私の妄想じゃないです(笑)

「変身」がもたらす悲劇とか葛藤とか、その周囲の人間関係の揺れ動きが大好物の私としては、無論この小説は思いっきりツボにぶっ刺さったのですが…………人を殺めてしまった(※本人は自分がやったとは認めていない)罪滅ぼしのつもりで、より一層善行に励んだ描写がある…と思いきや、「他人と自分とを比較すると、自分の積極的な善行と、無視による彼らの残酷な怠惰とを比較すると、思わず笑みがこぼれた」って…苦笑
まぁ、憎めないキャラクターではあると思うんですが…。

語り部のガブリエル・ジョン・アタスンが善良過ぎるので余計にクズに見えます…苦笑

この景色から離れ、先に進んで行きます。
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ザ・ジャパニーズ・ガーデン・アイランド

その奥に進むと、滝が見えてきました。
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この辺りから景色は一変し、凄く日本のお寺周辺のような感じがしてきます。京都みたいな。

後に知ったのですがこのあたりのエリアの名前は「ザ・ジャパニーズ・ガーデン・アイランド(The Japanese Garden Island)」。日本庭園の様式で作られたエリアのようです。

水鳥が池の周りに集まっていて、和やかな空気が漂っています。しだれ柳がある…。
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この辺りは本当に日本庭園っぽいですね(*'ω'*)
池を挟んだ向こう側は島のようになっているらしいのですが、時間が惜しい事とやたらと外国人観光客が集まっていたのが気になって向こうに行くのをやめてしまいました。

特に大きな理由はありませんが、単純に静かな所を散歩したかっただけです(;^ω^)
日本庭園なら京都で見られますしね…。

それよりも「やりたいこと」に時間を割きたかったのです。

「リージェンツ・パークは春の甘い芳香に満ちていた。そうした陽気を浴びて」

私が時間を切り上げてもやりたかったこと……博物館の開館時間が迫っていたことも大きいですが、それでもやりたかったのは日向ぼっこです。

愛する文学の登場人物たちと同じことをする!!
それが私の文学聖地巡礼!!!!
(/・ω・)/

日本庭園を抜けると、開けたところに出ました。
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ちょうど芝生があり、そこでシートを広げて寝ころんでいる人もいたので私も芝生の上に座ることにしました。
勿論!この時の為にレジャーシートを持ってきた!!!!!!
出かける前日にレジャーシートを紛失したことに気づいてわざわざ買いに自転車を走らせたのも今となっては良い思い出です。

それが思いのほか気持ちよくて。
だってこの陽気です。少し暑い気もしましたが、風は爽やかで心地が良い。
何も遮るもののない広く大きな青空。

そして本物のリージェンツパークにて、記念撮影。
実は、オビツ11で作ったドールたちをダイソーで購入した持ち運び用の箱に入るだけ入れてきたのです。
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ベンチは旅行の前日に届いたシルバニアファミリー用の家具です(笑)

シルバニアファミリー 家具 ふん水・ベンチセット カ-623

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リージェンツ・パークを去り、次のエリアへ……

リージェンツパークは本当に美しかった。
ひらけていて、太陽の光がとても心地よかったし、だけど自然も豊かで日向ぼっこするには最高ね。
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実際、朝早くからドッグランとして利用する人やジョギングしてる人も結構いたし…あんな気持ちのいいところなら"ベンチに座って"日向ぼっこするのも良いだろうなぁ。

そして想像以上に居心地が良くて予定より長居してしまいました。
本当に名残惜しかった。
これ、季節が合致したらリージェンツ・パークで一日過ごせるわ…( ゚Д゚)

もしも他の聖地巡礼をしないのであれば一日ここにいても良かったのだけれど…予定を崩すわけにもいかず。
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またロンドンに来ることがあるのなら、絶対にリージェンツ・パークは外したくないし、できればまた5月末の観光がいいな、なんて思いながら、渋々リージェンツ・パークを後にしたのでした。

次回予告

次回予告……ルート表に書き記した通り、次の目的地は「ベイカーストリート 221B」。
言わずと知れたアーサー・コナン・ドイル著『緋色の研究』のシャーロック・ホームズの住んでいたという設定になっている場所です。
希望としてはプリムローズ・ヒルまで書きたいところですが、どうなる事やら。
待て次回★

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