海に浮かぶ月のはしっこ

映画や文学作品、神話関連その他の事をおぼえがきしますよ

【年賀】2021年を迎えて

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
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2021年はロバート・ルイス・スティーヴンソン『ジキル博士とハイド氏』の135周年ということで、原作の台詞から着想を得たイラストを年賀状としてみました。

Between these two, I now felt I had to choose.

それら二つの間で、私は今どちらかを選ばねばならないと思った。(自家訳)

二つというのは、今まで通りジキル博士として生きるのか、エドワード・ハイドとして生きるのか、という二択の事。
前者を選べば今までのように友人に囲まれ、豊かな生活を送る事が出来るが心の中で燻っている享楽への誘惑と欲望を耐え続けなくてはならない。それは彼にとって禁欲の苦しみから逃れる目的でハイドという姿を得た、というほどに耐えがたい事。
後者を選べばジキルとして生きていた時の全てを失い、その先には破滅しか待っていない事が安易に想像できるが、ならず者として自由気ままに欲望に忠実に生きていけるし、ハイドの姿の時ならば何かを失う事を悲観的に考えたりはしないだろう。

映画や舞台では二人で一つの身体を共有しているというイメージに近いようなのですが、原作での設定では「一人が二つの姿と姿に伴った性格を持っている」というイメージに近いのでこんなセリフが登場するのです。


この絵を描いていた時、私はスケジュール帳を作り終えたばかりでそれとは被らないもの、ということでたまたまこのテーマを選んだに過ぎません。
(↓スケジュール帳の話はこちら)
snow-moonsea.hatenablog.jp

けれどもしもこのテーマにした意味を付加するならどうなるでしょうね?

世間の情勢など忘れて道楽に耽るか、今はひっそりと耐え忍ぶか…でしょうか?

私は結構引き籠っていても平気な方なのですが、人によっては外に出らない事が耐えがたいほどのストレスになると聞き及びます。
もしも私が出かける予定を組んでいて、でも情勢が良いとは言えない状況に陥ってしまった時、行く事をやめるのかやめないのか。大事を取って行くのをやめる方が正しいとわかっているのにやめたくないという欲望に苛まれる。

Between these two, I now felt I had to choose.
それら二つの間で、私は今どちらかを選ばねばならないと思った。

ううん、辛い。


それを踏まえたうえで、私の今年の抱負。

健康第一。

自分の身を守るだけで誰かの手を煩わせないで済むのですから、それは大事な事。
そして何より、今自分が時間がなくてたまらないと思っているのであればこそ、寝込んでいる暇などない。

そしてこれは、二つの選択の間に挟まれた時に、きちんと正しいと思う道を選ぶ英断出来る分別を身に着けることにもつながりますね。

良い年になりますように。

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