海に浮かぶ月のはしっこ

映画や文学作品、神話関連その他の事をおぼえがきしますよ

【グッズ制作】オリジナルスケジュール帳:2021年は『ジキル博士とハイド氏』出版135周年!

「好きなものやイメージに近いグッズがない?なら自分で作るよ!」
そんなクリエイティブ精神で、オリジナルグッズを作っている趣味人です。
今回は10月頃に思い立って作り始めたオリジナルスケジュール帳。
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今回の絵柄は2021年に出版135周年を迎えるロバート・ルイス・スティーヴンソン著『ジキル博士とハイド氏』(1886年
つまりいつもと描いているものはあまり変わらない。
グッズ入稿自体は初めてではないのですが、スケジュール帳なんて作るのは初めて。
思い立ってから割と急ピッチで進めたはずですが、試行錯誤をして2カ月かかってしまいました。

(でもテーマ選びは「ヴィクターくんも描きたい~…!!」とギリギリまで迷っていました。ヴィクターくんというのは『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』の主人公ヴィクター・フランケンシュタインのことです)

オリジナルグッズって作れるの??

「オリジナルグッズは1個から作れる」……という事実は意外と知られていないということを最近職場で知りましたので、まずはそこから。

作り手にしろ読み手にしろ、所謂「同人活動」に触れた事のあるオタクの間ではよく知られている事ですが、少部数製作を請け負ってくれる印刷屋さんやグッズ屋さんは探せば結構あるものです。

勿論、著作権が存在する為、好きなアニメやゲームの絵を流用したり(無断使用)、真似て描いたり(二次創作)して作る事は基本的にはダメ。版権使用の許可を得る場合や、著作権を持っている側が定めている二次創作ガイドラインの範囲内といった特別な場合のみOKとされています。
とはいえ、それをクリアしていても「二次創作作品は受け付けません」という印刷屋さんやグッズ屋さんもありますから、「オリジナルグッズ作れるなんて初めて知った!好きな漫画のイラストで作りたい!」と瞬間的に思ってしまった方は、自分の作りたいものが著作権的にOKかどうかよく調べてくださいね(/・ω・)/

ちなみに、全くの自分のオリジナルキャラクター(一次創作)で作る分には全然OKです。自分で撮影した写真でもOKだけど、写真に写っている人には肖像権があるためまた別の問題が出てきちゃいます。

一方、私は神話と文学のオタク女子。
しかし作品の愛で方はアニメやゲーム(サブカルチャー)を愛する人たちに似ている為、「神話や文学をサブカル寄りに愛するオタク」と自称しております。
知識を求める者でも本の虫でもなく、たまたまハマった対象がアニメではなく文学作品で、ただストーリーとキャラクターを愛しているため二次創作などのファン活動もよくしています。
グッズ作りもその一つと言えます。

本の著作権は「作者が死んでから50年で保護期間が切れる」というルールなので、著作権保護期間が切れた作品は「パブリックドメイン(公共作品)」として扱われます。
そのため、文学作品はパブリックドメインなので二次創作でも大丈夫です。

ただし、翻訳された文章には作品自体とは別に翻訳者の著作権が発生しているので翻訳された文章は「出典元を明記した上での一部引用」以外は駄目。著しくイメージを損なうものは駄目。
…とかね、まぁ色々あるのですよ(;^^)

なので、自分のオリジナルキャラクターを自分で描いてオリジナルグッズにするのが一番面倒くさくないのは確かですよ(*‘ω‘ *)

著作権に関しては私も大学の司書資格を取得する時に勉強したものと、創作活動をするようになってから調べたもの程度の知識であることをご留意くださいませ。


著作権についてはこちらのサイトがわかりやすいですよ!★
colabora.jp

スケジュール帳を作ってくれる印刷屋さんは…

スケジュール帳を作ろうと思ってから色々と探したのですが、「スケジュール帳の内部のデザインまで自分で手を加えて作れる」というものは見つかりませんでした。

しかも、「一冊のみも可能」というのは…
100冊もいらないですからね(;^^)
イベントで販売するという手もありますが、「名作文学と言えどサブカルとしてはドマイナージャンルで、しかも1年しか使えないスケジュール帳」なんて売れるとは思えないし、そのために何万も払うのは嫌です。


なので「1冊からの同人誌印刷で、表紙~本文全てをフルカラー印刷、本文の紙は白で鉛筆書きもできるツルツルしていない紙が選択出来て、中綴じ印刷」という条件で探しました。
つまり、中のテンプレート部分も全部自分でデザインするという過酷な選択…。


結果として私は「pixivFACTORY」さんを選びました。
factory.pixiv.net

(もう一社、シメケンプリントさんも最後まで候補に残っていたのですが、中綴じ印刷にした時に対応できるページ数が少なくて候補から外れてしまいました)


ご参考までに注文したプランについて書いておきますと、以下の通り。

製本プラン:pixivFACTORY ピクシブバリュープラン(オールカラー)
サイズ:B6
ページ数(表紙4P分込み):48
印刷方式:オンデマンド
綴じ方向:左綴じ
綴じ方法:中綴じ
表紙印刷:オンデマンドフルカラー
表紙用紙:アートポスト 180kg(※固定)
表紙加工:クリアPP
本文印刷:オンデマンドフルカラー
本文用紙:モンテルキア 81.5kg
1冊あたり:1,050円

※2020年12月17日注文時の料金
※送料は324円

それぞれどういう意味なのかはその都度ググって調べながら決めていきます。
私もオリジナルグッズの発注は趣味で細々とやっているだけなのであまり知識がないので…。

今回注意しなければならなかったのは本文の用紙。
今回選んだ「モンテルキア 81.5kg」というのは初めてなのですが、上質紙よりも白くて厚みがある紙で、鉛筆・シャープペンシルでも書けるようなのでそちらを選びました。
ボールペンで予定を書いた跡が次の月に透けちゃっても嫌ですからね。

また、本になるようなものはサークル活動用のパンフレットに解説漫画を寄稿するくらいの事しかした事がなかったのでノンブル(ページに直接書き込むページ数)を書くのも初めてでした。
pixivFACTORYさんの冊子印刷は必ずページの何処かにノンブルを入れなくてはいけないようなのです。
まぁ、pixivFACTORYさんは保存形式がjpgやpngが許されていて、専用のブラウザツールで入稿するという関係上不都合の予防策としては必要な事なのかもしれません。PhotoshopIllustratorといったソフトを使える環境になくても入稿できるし、初心者でも簡単であるという意味でもあるんですけれど。

なお、pixivFACTORYさんは、姉妹サービスであるpixivBOOTHで注文の度に自動で1冊ずつ刷って頒布してくれるサービスもあります。
booth.pm

せっかくなのでBOOTHに載せてみました。
moonsea.booth.pm

マージン(利益)をどれくらい乗せるのかは自分で決める事が出来ますが、システム利用料や代金を受け取る時の振込手数料(1回2~300円)を取られるので設定した金額がそのまま利益になる事はないです。
(代金の受取期限までの間に1個しか売れなかった場合を考えると、マージンを100~200円にするとマイナスになる…)

pixivFACTORYさんは一個から印刷できるグッズの選択肢が多いのでまたそのうちお世話になるような気がします(*'ω'*)

オリジナルスケジュール帳『「Strange Case of Dr.Jekyll and Mr.Hyde」135th Anniversary!』

今回作ったスケジュール帳、ついつい凝ってしまったので中身を紹介させていただきたく。

前述の通り、テーマはロバート・ルイス・スティーヴンソン著『ジキル博士とハイド氏』(1886年)。

初めての一人旅でロンドンに行った際、聖地巡礼の対象とした作品の一つです。最も、他にもたくさんの作品のスポットに行っているのですが…。
詳しくは当ブログの「英文学聖地巡礼」を見てくださいませ。
※「聖地巡礼」というのは、元々は宗教的に聖地(ありがたい場所、所縁の地)とされている所に参拝する事ですが、オタクカルチャー的には作品のモデルになったり作品に登場した所縁の地を実際に訪れる事を指します。

テーマにする作品を選ぶ決め手となったのは135周年ということでキリがいいから、という所です。
ちなみに2022年はハーバート・ジョージ・ウェルズ著『透明人間』が125周年なので、もしも来年もスケジュール帳を作る事になったら透明人間かなぁ…と思っています。
あの作品は作品中の8割のシーンで主人公が透明だから絵的に全く映えないんですけどね…(;^^)
元の姿は長身で白い髪に赤い目(アルビノ体質、という設定)の30代前半の英国人男性で絵的に映えるんですが……まぁ、作る事になったらまたその時に考えます。


これ以降の引用元は全て下記の通りです。

Project Gutenberg 「The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde by Robert Louis Stevenson
青空文庫ジーキル博士とハイド氏の怪事件
底本:ロバート・ルイス・スティーブンソン/著「ジーキル博士とハイド氏」 佐々木 直次郎/訳 新潮社(1950)

上記のどちらもパブリックドメインや著者が許諾した作品の公開をしているブラウザ形式の電子図書館です。
Project Gutenbergには原文が、青空文庫では日本語訳版が掲載されています。
青空文庫版のジキハイ翻訳は原文を解読する上でとても役に立ってます(/・ω・)/
(大学は文学部で西洋比較文学を選択していたくせに英語が大の苦手なのです…)

翻訳版の引用は人物名のカタカナ表記が私が普段親しんでいるものと異なりますので、その点はご容赦ください。
原文を引用して、なるべく原作から離れないようにこだわって作っています(*'ω'*)
なお、容赦なくネタバレをかましますのでご留意ください。

表紙

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場面:リージェンツパーク (第10節 HENRY JEKYLL'S FULL STATEMENT OF THE CASE)

すべてのものには終りがくる。どんなに大きな桝目でも遂には一ぱいになる。そして、私が自分の悪い心にちょっとの間でも従ったことは、とうとう私の心の平衡を破ってしまったのである。それでも私はそれに気がつかなかった。その堕落は、私が、私の発見をまだしなかった昔へ返るようにきわめて自然なことに思われた。美しく晴れた一月のある日のことであった。足の下は霜がとけていて湿っていたが、空には一片の雲もなかった。リージェント公園では冬の鳥の囀りがいたるところにきこえ、春の匂いが甘くただよっていた。私は日向ひなたでベンチに腰をかけていた。私のうちの獣性は過去の歓楽を思い出して舌なめずりをしていた。精神的方面は、あとになって悔やむことをわかっていながら、まだ動く気にならずに、うつらうつらしていた。結局、私は自分が隣人たちと同じなのだと考えた。それから、自分を他の人々と比べ、自分が慈善をして活動していることと、他人が冷酷に無頓着でなまけていることを比べて、微笑した。

表紙はリージェンツパーク。
私が実際にリージェンツパークに訪れた時、リージェンツパークの中にあったバラ園がとても美しくて、その思い出が反映されています。

実際はこんな感じ。

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でも、本当はリージェンツパークからビッグベンは見えないんですよ。距離にして数kmあります。
リージェンツパークの北にあるプリムローズヒルは高台なのでビルさえなければそこからは見えるかもしれませんが…。

しかしこれはロンドンで起こり、ロンドンで完結する物語ですから、ロンドンのシンボルとして入れました。
本当はそこから見えなかったとしても、絵は書き手の都合で嘘を吐くこともできるのです(;^^)

のどかなシーンに見えますが、このシーンは物語の終盤。
ヘンリー・ジキル(以下、ジキおじと呼称)の運命が転落する前兆のシーンでもあります。

スケジュール帳として使っていても恥ずかしさが薄くて、画面的な綺麗さがあり、なおかつストーリーの前振りとして丁度良いシーンということで選びました。

本文ページ

ここから本文のページです。

構成としてはプロローグと目次、スケジュール帳本体部分、メモページ、便利ページ、奥付&おまけです。
便利ページは郵便料金表、西暦和暦対照表、紙のサイズ対照表、3桁の電話番号表ですが、この記事での掲載は割愛します。

中表紙

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場面:該当シーンなし

英文は「このスケジュール帳は雪代月のファン活動として作られました」といった事が書いてあります…多分。Google翻訳なので…(;^^)

イラストはアタスンとハイド。
表紙がジキおじなので残りの主人公格2名、といった意味合いで選びました。
私は今作に関してはアタスンとジキル又はアタスンとハイドの物語だと思っていますし、真相的な理由からジキおじとハイドを同じ絵の中に描く事はほとんどしないので、表紙にジキおじを書いてしまった為にある意味必然と言えるかもしれません。

アタスンがハイドと名乗る若い青年を知ってしまった事が物語の始まりとも言えるのですから。

プロローグ/目次

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場面:遺書の前振り (第8節 THE LAST NIGHT)

MY DEAR UTTERSON,
—When this shall fall into your hands, I shall have disappeared,
under what circumstances I have not the penetration to foresee,
but my instinct and all the circumstances of my nameless situation tell me
that the end is sure and must be early.
Go then, and first read the narrative which Lanyon warned me
he was to place in your hands; and if you care to hear more,
turn to the confession of
Your unworthy and unhappy friend, HENRY JEKYLL.

「親愛なるアッタスン。
――この手紙が君の手に入る時には私は失踪しているでしょう。どういう事情によってかは私には予想することはできないが、しかし、私の直覚と、私の言い表わしようのない境遇のすべての事情とは、もう終りが確実で、しかも間近いということを私に告げるのです。その時には、行って、先ずラニョンが君の手に渡すと私に予告していた手記を読んでいただきたい。そして、もし君がもっとよく知りたいと思うならば、私の告白を読んで下さい。
君の価値なき不幸なる友、ヘンリー・ジーキル。」

このスケジュール帳、ページを順番に開いていけば原作のストーリーが何となくわかる構成になっています。
元々はページの調整の目的(中綴じ印刷は4の倍数のページでなければならない)でこのプロローグページを作ったのですが、この場面を選んだ理由はアタスン(青空文庫版の表記はアッタスン)が読者の視点の人物なのでこのスケジュール帳を開いた時にアタスンの目線になるようにするため。

左側の目次はそれぞれのページがどこから引用されたものかわかるようになっていますが、それはそれぞれのページでご紹介します。

4-5P この物語の登場人物たち

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それぞれのキャラクターの特徴を説明した原文を引用しています。

■Dr.ヘンリー・ジキル
物語の主人公であり、事件の中心にいる医学博士。
医学の他、法学、民法学の博士号の他様々な称号を持ち、王立学会特別研究員でもある街の有名人。
背が高く、体格も良いハンサムな顔立ちの持ち主で、才能と思いやりに溢れた50歳の紳士。
しかし、アタスン曰く、若い頃は乱暴者だったという。死亡、又は行方不明時に幼馴染ですら知らない謎の人物に財産を全て譲るという奇妙な遺言状をアタスンに託す。
※原文には「smooth-faced」と書かれているので「髭を剃り落としている」かもしれない

a large, well-made, smooth-faced man of fifty, with something of a slyish cast perhaps, but every mark of capacity and kindness—you could see by his looks that he cherished for Mr. Utterson a sincere and warm affection.

大柄な、体の格好のよい、鬚のない五十ばかりの男で、かくれ遊びも多少あるかも知れないが、いかにも才能があり親切そうな人である――その顔付きから見ても彼がアッタスン氏に対して心からの温かい愛情を抱いていることがわかった。

その他「handsome」などという言葉で説明されることのある50歳のイケおじ、ジキルおじさん。
この"smooth-faced"というのが、「髭を剃り落としている」という意味と「外面が良い」という二つの意味があって、現在の新潮文庫版では後者の方で書かれているのですが青空文庫版では前者になっています。当初は現在の新潮文庫版をベースにキャラデザをしたため髭があるので一応注意書きをしています(;^^)

自分で翻訳してみると「前者かなぁ」という触感ですが、物語をすべて読んだ後だと「両方」のダブルミーニングかもしれない。私はこのおじさんの事は「好きだけど好感度は低い」という感じで…何というか「キャラクターとしては嫌いじゃないし比較的好きだけど、人として尊敬できない」という感じでしょうか。

原作を読んでいない人に先に言っておきますが、ヘンリー・ジキルは決してきれいな人間じゃないですよ…(小声)


エドワード・ハイド
ジキル博士の奇妙な遺言状に記された若い青年。青白い肌、小人のように小さな体格で、彼を見た人は
忘れられない程の奇怪な印象を持ったという。囁くようなたどたどしい話し方をし、ハスキーボイスで、
唸り声を上げたり、地団駄を踏んだり、歯軋りや爪を噛む癖がある気の短い人物。
杖を持ち、簡素な衣服を纏っているが、ラニヨン博士が出会った時には明らかにサイズの合っていない大きな服をたくし上げて着ていた。

Mr. Hyde was pale and dwarfish, he gave an impression of deformity without any nameable malformation, he had a displeasing smile, he had borne himself to the lawyer with a sort of murderous mixture of timidity and boldness, and he spoke with a husky, whispering and somewhat broken voice;

ハイド氏は色が蒼くて小男だったし、どこと言って奇形なところはないが不具という印象を与えるし、不愉快な笑い方をするし、弁護士に対して臆病と大胆との混った一種凶悪な態度で振舞ったし、しゃがれた、囁くような、幾らかとぎれとぎれな声でものを言った。

もう一人の主人公と言っていいのかわからない、作品タイトルに記されているもう一人の人物。
原文で「dwarfish」(=ドワーフ(小人)のよう)と書かれているので子供のように小さい体格であることを伺わせます。また、ガリガリに痩せており、黒い毛色で、類人猿や猿を思わせる描写などがある。チビでガリガリ…当時のイケメンの条件とは真逆のキャラクターです。
年齢描写はないのですが、アタスンが「Mr」以外に「Master」という敬称を使っている事から、見た目は未成年かもしれません。

ハスキーボイスでチビで萌え袖でショタジジィという設定がてんこ盛りなキャラクターでもある。
(萌え袖=服が大き過ぎて手が袖から出ない様子 ショタジジィ=見た目は子供で中身はジジィという意味)

様々な理由から私は今作で彼が一番好きなのですが、原作を読んでいない人に先に言っておくと、彼は悪役としてはものっそい小物です。
見た目、スケール、目的、精神許容量……色々な意味でちっちゃいです。

なので私は「ちっちゃくて可愛い」と言ってしまうのですが…(笑)


■ガブリエル・ジョン・アタスン
読者の視点を担う、背が高くて痩せ型の弁護士。
敬虔なクリスチャンであり、ストイックな気質で人前で笑顔を見せないクールで不愛想な人物。
厳つい顔立ちも相まって冷たい人物に見えるが他者には寛容で、依頼主がどんな悪人だったとしても咎めずに助けようとする情に厚い人柄。ラニヨン博士とはschool&collegeを共にした子供の頃からの親友で、恐らくジキル博士との交友関係もその頃からであると思われる。
※原文で"you and I must be the two oldest friends that Henry Jekyll has?" と書かれている為

MR. UTTERSON the lawyer was a man of a rugged countenance, that was never lighted by a smile; cold, scanty and embarrassed in discourse; backward in sentiment; lean, long, dusty, dreary, and yet somehow lovable.

弁護士のアッタスン氏は、いかつい顔をした男で、微笑なぞ決して浮かべたことがなかった。話をする時は冷ややかで、口数も少なく、話下手だった。感情はあまり外に出さなかった。やせていて、背が高く、そっけなくて、陰気だが、それでいて何となく人好きのするところがあった。

彼が主人公と言っても過言ではないのでは?……と思う程の重要人物で読者の目線を担っています。
シャーロックホームズで言うならワトソン博士。物語は彼の視点、彼の心的描写のみで展開し、主人公であるはずのジキおじの心理描写は彼の書いた手紙でしか伺うことが出来ません。
だから、ジキおじが語る真相が本当に真実だとも断定しづらいし、ジキおじの性格上、都合の悪い事は書いていない可能性があります。

アタスンはジキおじの親友ですがいつからその友情が始まったのかは明確に書かれてはいません。けれど、school&collegeを共にした(現代の日本の制度で言えば「小学校の頃から大学までずっと一緒」くらい)というラニヨンに「私と君はヘンリー・ジキルにとって一番古い友達だね?」と言っている事から、三人が幼馴染であることが伺えます。

厳つい容姿で冷たい印象を与える、当時のイケメンの条件からはズレてしまう人物ですが彼はこの物語最大の良心だと思います。この物語は骨相学を反映している(簡単に言うと悪人は元々悪人面、みたいなエセ科学)と言われているのに、当時のイケメンの条件をすべて満たしているジキおじの本性がアレで、イケメンとは比較的逆であるアタスンの本性がかなりの善人であるという対比が面白いですよね。


■Dr.ヘイスティ・ラニヨン
高級住宅街であるキャベンディッシュスクエアに住む開業医。年齢の割にもじゃもじゃの髪は白髪に
なっているが、元気で健康的な赤みがかった顔の紳士。愛想がよく芝居がかった大げさな態度をする癖を持ち、陽気ではきはきとした性格。身なりも小洒落ている。
ジキル博士とは10年以上前に仲違いして以来、顔を合わせていないという。

This was a hearty, healthy, dapper, red-faced gentleman, with a shock of hair prematurely white, and a boisterous and decided manner.

元気で、健康で、快活な、赭ら顔の紳士で、もしゃもしゃした髪の毛はまだそういう歳でもないのに白く、動作は大げさでてきぱきしていた。

アラフィフ幼馴染三人組の一人ですが、あまり出番は多くありません。
この三人の人間関係が好きでこの作品を愛好しているわけですが、彼に対するジキおじの態度があまりにも……だったのが、私のジキおじの好感度をかなり下げていると思います。

■リチャード・エンフィールド
アタスン弁護士の従兄弟にあたる若い男性。
街でもよく知られた人物であり、日曜日にアタスンと散歩にでかける習慣がある。
彼が目撃したという少女が踏みつけられた事件をアタスンに話した事が物語の始まりであった。

Mr. Richard Enfield, his distant kinsman, the well-known man about town.

彼の遠縁で、有名な粋人であるリチャード・エンフィールド氏

今作では貴重な若者枠。
ハイドは見た目は若いけれど中身は全然若くないので…。

主要人物、被害者、皆おじさんばっかりです。
ついでに女性キャラも名前のないモブキャラしかおりません。

1月 Dr. Jekyll's Will - 第2節 SEARCH FOR MR. HYDE より

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場面:ジキル博士の遺言状

in case of the decease of Henry Jekyll, M.D., D.C.L., L.L.D., F.R.S., etc., all his possessions were to pass into the hands of his "friend and benefactor Edward Hyde"

その遺言書は、医学博士、民法学博士、法学博士、王立科学協会会員等なるヘンリー・ジーキル死亡の場合には、彼の一切の所有財産は、彼の「友人にして恩人なるエドワード・ハイド」の手に渡るべきことを規定している

第2節 SEARCH FOR MR. HYDE(ハイド氏を探して)の冒頭部分で登場する曰く付きの遺言状。
元々、今作のサブタイトルは10しかなく、12カ月全てを割り振る事が出来ないので1月と12月は作中でプロローグとエピローグとして使っても差し支えなさそうなものを引用することにしました。

大金持ちであるジキおじが、死亡または三か月以上失踪した場合に幼馴染さえ知らない謎の男に全ての財産が渡るという内容。「エドワード・ハイドって誰だよ!?」と、アタスンはハイド氏を探すことになる…という話になるわけです。

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そんな1月に添えたイラストは、メインはハイドと遺言状、幼馴染たちの若い頃の写真。右下の絵はメインのイラストと対になっています。
幼馴染たちの若い頃の写真を添えた理由は、「メインで描かれているのがこの幼馴染さえ知らない男」という意味も含めているけれど、どちらかというと「ジキルのエゴイズムがこの三人の友情を破壊した」という意味。

2月 STORY OF THE DOOR

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場面:少女を踏みつけた男を捕まえる

"there's one point I want to ask: I want to ask the name of that man who walked over the child." "Well," said Mr. Enfield, "I can't see what harm it would do. It was a man of the name of Hyde."

「ききたいことが一つある。わたしは子供を踏みつけたその男の名前をききたいのだが。」
「そうですね、」とエンフィールド氏が言った。「それは言っても別に差支えないでしょうね。そいつはハイドという名前でしたよ。」

第一節 STORY OF THE DOOR(ドアの話)。
エンフィールドが目撃したという少女を踏みつけた男が、ハイドと名乗ったと聞く。

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2月に添えたイラストは、エンフィールドが少女を踏みつけた男を捕まえたシーン。
ハイドが挙動不審な理由が二周目からわかりますが、本人は大して反省してないように思えるのでやっぱり私あのおじさん尊敬できないなぁ、って思います(;^^)
右下のイラストはエンフィールドとアタスンが習慣にしている日曜日の散歩のシーンです。

3月 SEARCH FOR MR. HYDE

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場面:例のドアの前で待ち伏せ

Mr. Hyde appeared to hesitate, and then, as if upon some sudden reflection, fronted about with an air of defiance; and the pair stared at each other pretty fixedly for a few seconds.

ハイド氏はためらっているようであった。が、やがて、何か急に思いついたように、挑みかかるような様子で向きなおった。そして二人は数秒の間じっと互いに睨み合った。

第三節 SEARCH FOR MR. HYDE(ハイド氏を探して)。
エンフィールドからハイドが出入りしていたと聞いたドアの前でアタスンが毎日彼を待ち伏せる。
そもそも、このドアはジキル邸に繋がっているのです。
奇妙な遺言状に書かれた得体のしれない男が親友の家を出入りしている…アタスンは親友が何かの事件に巻き込まれていると考えていた。

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このシーン、結構お気に入りなのです。
ハイドは終始挙動不審ですし、アタスンに顔を見せて欲しいと言われてためらいます。
幼馴染のアタスンなら正体を見破られる可能性があったからかと思うと、私は面白くて仕方がない(*‘ω‘ *)

そして、噂の怪しい男……読者目線的にはどんな悪党が出てくるのかと思うところなのですが、出てきたのは小人みたいに小柄な若い青年。
この妙な拍子抜け感。好き。
(それでも、ハイドの纏う奇怪な印象にアタスンはビビってしまうのですが…)

4月 DR. JEKYLL WAS QUITE AT EASE

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場面:晩餐会の後

"If I am taken away, Utterson, I wish you to promise me that you will bear with him
and get his rights for him. I think you would, if you knew all; and it would be a weight off my mind if you would promise."

それで、もし僕が死んだら、ねえ、アッタスン。君が彼を我慢してやって彼の権利を彼のために取ってやると、僕に約束してほしいのだがね。もし君がすべてを知ったなら、そうしてくれるだろうと思うのだ。そして、君がその約束をしてくれるなら、僕の心から重荷が下りるのだが。

第3節 DR. JEKYLL WAS QUITE AT EASE(ジキル博士は落ち着いていた)。
この場面は折り良くジキおじの晩餐会に招かれたアタスンおじ様はハイドの事を問い詰めてみる…という話。

引用した台詞に出てくる「彼の権利」とは、遺言状の通りに遺産を相続する権利の事です。
しかし、真相を知ってようやくわかる、この、最高にエゴイズムが炸裂している感じ、嫌いじゃないです(笑)
真相を知ってからだとこの目的も、「もし君がすべてを知ったなら、そうしてくれるだろう」のあたりも、あまりに自己中心的で笑ってしまう。

…でも、そういう悪い意味での人間臭さがジキルおじさんのキャラクターとしての魅力なのかもしれない、と、「どうしようもないオジサンだな…」と引きつつも「憎めない、イマイチ嫌いになれない」と感じる私は思います。

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メインのイラストは晩餐会の後、2人でゆっくりとした時間を過ごす親友。
原文にも、暖炉を挟んで隣に座っている様子が描かれています。
ジキおじの家の描写は何度か細切れに出てきますが、高級な調度品が置かれ、絵の趣味も良いとの事なので背景を描くのは大変。絵は何を置いて良いのかわからなかったので以前私が描いたバイブリー(イギリスの水の都とも呼ばれる昔ながらの風景を残したのどかな観光地)の絵を貼っておきました。……今思うと自分で撮った写真をぼかしたものでもよかったな…。
右下のイラストは記載の台詞を言う場面のイメージ。原文の描写でも、アタスンの腕に手を置いて説得するようにこの台詞を言っています。

5月 THE CAREW MURDER CASE

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場面:ハイド宅の捜索

he could doubt no longer; broken and battered as it was, he recognised it for one that he had himself presented many years before to Henry Jekyll.

がステッキが前に置かれると、もう疑うことができなかった。折れていたんではいるけれども、それは何年も前に彼自身がヘンリー・ジーキルに贈ったステッキであることがわかったのだ。

カルー氏が何者かに撲殺された事件。
目撃者の証言により容疑者としてエドワード・ハイドの名が上がるが、凶器として使われたのはアタスンが以前ジキルにプレゼントした杖だった。
凶器の一部が現場とソーホーにあるハイドの家から見つかったのでハイドの容疑は確定するが、ハイドは行方をくらましてしまった。

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メインのイラストはハイドの家。
凶器として使われた杖の片方を見つけるシーンとして描きました。
高価そうな調度品や豪華な絨毯の描写があり、贅沢な生活をしていたのだろうと思います。服などが散乱しているようなのでなるべく描写の通りに。

かけられている絵はアタスンが「きっとジキルから贈られたものなんだろう」と思ったと書かれている趣味の良い絵…という事なのですが、具体的に何を描けばいいか分からず。
以前に描いた過去の絵のうち、人気の観光地でもあるコッツウォルズの風景をトリミングして貼りました。

右下のイラストはカルー氏が撲殺されたシーン風。真相を読んだ後だとハイドに明確な殺意はなかったようなので「やってしまった事」に呆然とするイメージで描いてます。
サブカルの影響でハイドはサイコキラーのように思われがちなのですが、原作では犯した殺人はこの一件だけ。
おまけに警察に怯えて逃げ惑うので、悪役としては小物過ぎて悪役好きな人には物足りないでしょうねぇ…。
(私は少々情けないくらいの方が好きなので好きですが)

6月 INCIDENT OF THE LETTER

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場面:ハイドの事を問い詰める

"I cannot say that I care what becomes of Hyde; I am quite done with him.
I was thinking of my own character, which this hateful business has rather exposed."

「ハイドがどうなろうと僕は別に気にかけちゃいないのだ。僕はあの男とはすっかり縁を切ったのだから。僕はこの忌わしい事件のために自分の評判が幾らか危険に曝されていることを考えていたのだ。」

手紙の出来事。
ハイドを匿っていやしないかとジキルを問い詰めると、「事件の後、手紙を残していなくなった」と証言する。

この台詞はその時にジキおじが言った言葉ですが、アタスンおじ様は彼の利己心に驚いています。
二周目にこのくだりを読むと、アタスンおじ様はジキおじが「若い頃は暴れん坊だった」と覚えているものの、現在のジキおじが黒い本心を隠しているとは思っていないように思います。

まぁそれだけジキおじの外面が良く、本性を隠すのが上手かったと言えるのでしょうが…。
ただ、こういう所々本心が漏れる台詞に彼の本性がチラついて見えるような気がします。

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メインのイラストは、ハイドが残していったという手紙を受け取ったシーン。
右下は、アタスンが筆跡鑑定に優れた助手・ゲストを呼び出したシーン。

7月 REMARKABLE INCIDENT OF DR. LANYON

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場面:友情が復活し、穏やかな時を過ごすが…

The night after the funeral, at which he had been sadly affected, Utterson locked the door of his business room, and sitting there by the light of a melancholy candle, drew out and set before him an envelope addressed by the hand and sealed with the seal of his dead friend.

大へん悲しんだ葬式のすんだ日の晩、アッタスンは自分の事務室の扉ドアに錠を下ろし、陰欝な蝋燭の光の傍らに腰をかけて、死んだ友の手跡で宛名を書かれその封印で封された一通の封書を取り出して前においた。

Dr.ラニヨンの衝撃的な事件。
三人の親友の友情が回復し、穏やかな時を過ごしていたはずが、突然ラニヨンが病気になって死んでしまう。
ラニヨンが最後にアタスンに「あいつ(ジキル)の話はするな!」と憤っていた事に加え、ラニヨンがアタスンに遺した「ヘンリー・ジキル失踪又は死亡時に開封する事」と書かれた手紙。
謎は深まるばかりだが、ジキルの方も何故か家に引きこもってしまった。

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今作の中でも特に暗い一節なのでメインはできるだけ明るいイラストにしようと三人の友情が回復した様子を描きました。でも、この節はそれよりもラニヨンが謎を遺して死んでしまう事の方が重要なので、引用した文章と右下のイラストはラニヨンの死を意味するものを描きました。

ラフの段階ではラニヨンが病床に伏せる絵を描いたものの、それはそれでギスギスした空気になってしまうので…。

8月 INCIDENT AT THE WINDOW

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場面:ジキルが窓から顔を出すが、体調はあまり良さそうではない

"What! Jekyll!" he cried. "I trust you are better." "I am very low, Utterson," replied the doctor, drearily,"very low. It will not last long, thank God."

「やあ! ジーキル!」と彼は叫んだ。「君はよくなったのだね。」
「僕はどうも元気がなくてね、アッタスン、」と博士は陰気に答えた。「どうも元気がないのだ。有難いことには、これも永いことではあるまい。」

窓辺の出来事。
エンフィールドとの日曜日の散歩の時に、ジキル邸の近くを通りかかる。
その時、引きこもっていたジキルが窓辺にいるのを見つけるが、体調は良くない様子。
しかも突然血相を変えて部屋に引っ込んでしまった。

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この節は非常に短いのでどの場面を選ぶということも出来ず。
右下のイラストはアタスンおじ様が心配そうに窓を見上げる姿にしました。

9月 THE LAST NIGHT

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"We have come too late," he said sternly, "whether to save or punish. Hyde is gone to his account; and it only remains for us to find the body of your master."

「我々は来るのが遅過ぎた、救うにしても罰するにしてもだ、」とアッタスンは厳いかめしい口調で言った。「ハイドは死んでしまった。あとはもうおまえの御主人の死体を探し出すことだけだ。」

最後の夜。
ジキルの研究室に何者かが潜んでいると聞いて研究室に突入すると、荒れた部屋の床でハイドが毒を飲み自害した姿があった。アタスンたちはジキル邸の使用人たちの話からジキルはハイドに殺されたのだろうと推測したものの、被害者の死体を見つける事は出来なかった。

この台詞はジキル邸の執事頭プールに対してアタスンが発した言葉です。

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メインのイラストとしてジキおじの研究室の一部を描いたのですが…滅茶苦茶面倒くさかったです苦笑
ただ、このシーンは小物が多いのでそれを描き込む楽しみはありました。

ガラスケースの中の下から3番目、上から4番目の引き出しが取り出されていたり、本(キリスト教の宗教書)が落書きだらけにされていたり、ジキルおじさんの父親の肖像画が引き裂かれていたりします。
大きな鏡は角度が違うのですが、狭いスペースで鏡だとわかるように描くにはやはり人物を鏡に映さないとダメかなと思ったので正面を向いています。

右下のイラストは泣いているハイド。
この節で研究室に立て籠もっている人物の泣き声やおろおろうろうろする足音の描写があるので。

でも本当はこの節の中の別のシーンが一番好きで、それはメモページで描かせていただきましたよ(*‘ω‘ *)

10月 DR. LANYON'S NARRATIVE

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場面:ラニヨンが謎の訪問者を招き入れる

"Lanyon, you remember your vows: what follows is under the seal of our profession. And now, you who have so long been bound to the most narrow and material views, you who have denied the virtue of transcendental medicine, you who have derided your superiors— behold!"

ラニョン君、君は自分の誓ったことを覚えているでしょうな。これからのことは我々の職業上秘密を守るべきことなのです。さあ、君は永いあいだ実にかた意地な唯物的な見方にとらわれてきたが、そして霊妙な薬の効能を否定して、自分の目上の者たちを嘲笑してきたが、――これを見給え!」

ラニヨン博士の語る話。

プロローグに書いたジキルおじさんの手紙に添えられていたメッセージ(「最後の夜」に登場したもの)で示されていた、ラニヨンが死に際に遺した手紙の中身がこの節。
ジキルから助けを求める手紙を受け取ったラニヨンが手紙の指示通りにジキル邸から薬を一式持ち出し、夜中に現れた訪問者を家に招き入れる。

明らかにサイズの合っていないブカブカの服を纏ったその奇妙な人物はその場で薬を調合すると、「知りたいか、知りたくないか」と問いかけてくる。
知る事を選択したラニヨンの前でその人物は調合したばかりの薬を飲み干し、その正体を知る事になった。

その時に奇妙な人物の言った台詞を引用していますが、この台詞については以前考えてみたことがあります。
snow-moonsea.hatenablog.jp
(※考察当時からラニヨンのキャラデザを変えたので別人ですがサムネイルはラニヨンです)

そこで「the seal of our profession(私たちの職業の証)」というのを「ヒポクラテスの誓い」の事ではないかと私は推測しているわけですが、その文章には患者の秘密を守らねばならないという宣言が含まれているのです。
だからラニヨンはこの奇妙な人物の正体をアタスンに伝える事が出来なかった、というわけ。
ヒポクラテスの誓い」は医師にとっては重要な誓いなのですが、それを言っている人物が「我々の職業(=私も医者である)」と言い切ってしまってるのが面白くて。

奇妙な人物、つまりハイドの正体は薬で変身して理性が飛んでるジキルおじさんなわけですが、医者である自覚はあるというのが面白くて…(笑)
最も、この台詞自体がジキルおじさんが10年以上前にラニヨンと仲違いした時からずっと心の中にくすぶっていた憎しみや悔しさの報復なのですが、それをジキルおじさんの欲望の化身であるハイドの姿である時だけ言う事が出来る、という対比が面白い。
きっと第6節で一度友情が回復した時は、ジキルおじさんは「その時の事を忘れたふりをする」という選択をして友情を回復させていると思うので。

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メインのイラストは薬を調合するハイド。
右下のイラストは「知りたいか、知りたくないか」という問いかけ。


11月 HENRY JEKYLL'S FULL STATEMENT OF THE CASE

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場面:ジキル博士の遺書

and whatever he had done, Edward Hyde would pass away like the stain of breath upon a mirror; and there in his stead, quietly at home, trimming the midnight lamp in his study, a man who could afford to laugh at suspicion, would be Henry Jekyll.

彼が何をしてこようと、エドワード・ハイドは鏡に吹きかけた息の曇りのように消えてしまうのだ。そして彼のかわりに、ヘンリー・ジーキルが、嫌疑を笑うことのできる人間として、静かにくつろいで、研究室で真夜中の灯火をかき立てているのだ。

ジキル博士の供述した事件の真相。

この節はようするにネタバラシです。
変身する薬を作ることになった動機、それからの出来事が語られています。

お金持ちの家のお坊ちゃんとして生まれ、若い頃はそれなりにやんちゃしていたようなのですが地位や名声への執着が強いようで、大人になってからは分別ある紳士として振舞うようになります。
でも実際の彼は享楽主義者であるらしい。彼は自分の享楽を満たすために自分のもう一つの姿としてハイドという虚像を作ったのですが、この姿になると理性が吹き飛び、欲望の赴くままに振舞ってしまう。

…という次第で、彼が二重人格(性格)なのは彼自身認める所ですが、人格(意識)が二つあるわけではなさそうです。けれども、段々と元の姿に戻れなくなり、自分の本来(と彼が信じている、ジキルとして)の姿・在り方・性格が失われていく感覚に恐怖し、ハイドになれば元の姿に戻らなければ警察に捕まる事を恐れて暴れたり泣き叫んだりする…。

よく今作については善と悪という言葉を結び付けられ、実際にジキルおじさんもその言葉を繰り返し遺書に書いているのですが、現代の私たちが認識している善と悪の定義と、今作の中で語られている善と悪の定義はどうも違うようです。
そもそも、今作はキリスト教社会のようで、自分で翻訳に挑戦してみると敬虔なクリスチャンであるアタスンおじ様を含め、ジキルおじさんも困った時は神に祈る言葉を口にしていることがわかります。
キリスト教社会の感覚が前提となっている表現も度々今作には登場しているので、恐らく今作が言う所の善と悪の感覚はキリスト教社会と当時のイギリスの社会通念寄りのものなのでしょう。

喩えば、第二節でアタスンおじ様がジキルおじさんが得体のしれない男(ハイド)に付きまとわれているのは昔乱暴者だった因果が巡って来たからでは、と思い、自分の過去を思い返した時のシーン。

自分の過去をじっと考え込んで、記憶の隅々まで模索した。何かのはずみで昔の悪行がびっくり箱のように白日の元に飛び出してきやしないかと思ったのだ。
しかし、この弁護士の過去にはまったく非の打ちどころがなかった。それでもアタスンは自分のしてきた悪い行いを思い出しては屈辱を感じた。
だが自分の犯す直前で避けた過ちの数々を思い出すと、その導きを神に感謝して再び奮い立った
(※自家訳)

誘惑は悪魔によるもので、それに打ち勝つことが出来るのは神様のお陰、という感覚なのでしょうか。
そこらへんはキリスト教社会ネイティブの方に聞いてみたいなぁと思うのですが、この一文だけでも日本生まれ日本育ちで仏教徒な私には直に理解するのは難しい感覚だということがわかります。

あとアタスンおじ様がハイドを見て受けた印象である「悪魔の署名」も私にはわかりませんでしたね…。
友人に聞いて何となく理解しました。
(悪魔に名前を書かれている人=(最後の審判の時に)地獄に行く事が決まっている人=悪人。
つまり、この場合は「見るからに悪人にしか見えない」といったところ)

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メインは遺書、右下のイラストは二重生活を表しています。
選んだ引用文も、二重生活を示しているものです。
若者の姿で遊び歩き、もしも何かやり過ぎてしまった事があっても解毒剤を飲んでしまえば元の50歳紳士に戻って誰にも疑われないという。クz(

12月 Suicide Letter & Will  - 第8節 THE LAST NIGHT より

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場面:弔い。こんなシーンはないがこんな展開を期待している。

a will, drawn in the same eccentric terms as the one which he had returned six months before, to serve as a testament in case of death and as a deed of gift in case of disappearance; but, in place of the name of Edward Hyde, the lawyer, with indescribable amazement, read the name of Gabriel John Utterson.

遺言書で、六カ月前に彼が返したのと同一のあの奇妙な条件で作られ、博士の死亡の場合には遺言状となり、失踪の場合には財産贈与証書となるものであった。しかし、エドワード・ハイドという名の代りにゲーブリエル・ジョン・アッタスンという名が書いてあるのを見て、弁護士は言うに言われぬほど驚いた。

こんなシーンはないのですが、月が余ってしまう事もあってこんなページを作りました。

抜粋した文章は「最後の夜」に登場したもので、遺書と共に封筒に入っていた遺言状。
1月に描いた遺言状と対になるもので、内容は同じですが名前だけが「ガブリエル・ジョン・アタスン」に宛てたものになっています。

元々の遺言状はジキルおじさんがいつでもハイドとして第二の人生を歩めるように用意したものですが、ハイドとしての人生は第4節の殺人事件の容疑者になってしまった時点で破綻している。
ジキルおじさんは遺書を書いた時点で本来の自分に戻る事、生き延びる事を諦めているので財産は不要なものなのです。
ただ、ジキルおじさんが何故アタスンおじ様に財産を遺したのか…普通に考えれば「親友だから」なんですが、ジキルおじさんだと私は「表面的には思いやりがあるけれど本心ではどう思っているのかわからない」と疑ってしまうので素直に「そうなんだ」とも言いづらく。
とはいったものの、アタスンはジキルおじさんほどには裕福ではないし、それも知っていたことかと思うので親友を気遣っての事だと信じたいです。

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メインのイラストは私の「こんな展開だったらいいな」です。
右下のイラストは遺言状。第2節に登場した遺言状の文章のうち、名前の部分だけを書き変えてあります。

アタスンおじ様が遺書を読んで真相を知った後どのような行動を取ったのか小説には書かれていないのです。
プール(ジキル邸の執事頭)には遺書を読んだ後でジキル邸に戻り、警察の手配をすると伝えていましたが、本当にそうしたのかは書かれていないからわからない。

MazM社様のゲーム「ジキル&ハイド」も原作に忠実なストーリー構成ですがプロローグとエピローグはオリジナルの展開を設けていて、この遺書を読み終わった後のアタスンおじ様の行動はゲームオリジナルのものとなっています。

apps.apple.com
そのエピローグは私も納得のものでしたが、自分としてはアタスンおじ様自身のアクティブな行動として「ジキル邸に戻り、ハイドの亡骸をジキルと認めて丁重に弔って欲しい」という願いを込めて描いた次第です。

でも、本当の理想を言うのなら、弔おうと抱き上げた時にまだ間に合う事に気づいて蘇生させて欲しい。
そして二人で静かに暮らすんだ……などという妄想です。
理性のないハイドが隠れ住む事を望むとも思えないし、管理はきっと大変なのでハイドを飼うにはそれなりの覚悟がいると思います…(笑)

見開きメモ

スケジュール帳的にはメモページが欲しい!
ということで作ったのが見開きのメモページ。
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左右に小さなイラストを添えています。
何のテーマで描くかかなり迷ったのですが……ジキおじの遺書が幼少期から始まっているので彼の遺書をベースに彼目線でのエンディングまでの道のりを描くことにしました。

you and I must be the two oldest friends that Henry Jekyll has?

→ 私と君はヘンリー・ジキルにとって最も古い友達だね?

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左は10代前半ほどの幼い親友たち。
ラニヨンとアタスンが小学生くらいの年齢からずっと一緒だったと描写されている事と、タイトルにしている台詞からこの三人は幼馴染だったと言えます。制服はイギリスの有名校をモデルに描きました。

右はそれから時間が経過して10代後半~20代くらいのイメージ。
アタスンは第二節の台詞から「ラニヨンとジキルの方が同じ医者の道を歩んだ親友として、自分よりも強い絆で繋がっている」と考えていたように受け取れます。
なので、まだ半人前でも医者の道を明確に意識していたであろう20歳前後の年齢で描きました。
少しアタスンは二人から距離を置いています。

なお、1月の昔の写真と同じくらいの年齢を想定しています。

more than ten years since Henry Jekyll became too fanciful for me

→ 10年も前からヘンリー・ジキルは私にとって奇天烈な存在になった (※自家訳)

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大人になり、それぞれ医師として活躍している30代後半~40歳くらい。
ラニヨンとジキルが仲違いしたという例の話の時です。

右はそのラニヨンが馬鹿にしたという薬を成功させたシーン。
自分の身体が縮み、性格が変わった事を感じて実験の成功を喜びました。

Mr. Hyde shrank back with a hissing intake of the breath

→ ハイド氏はハッと息を呑みこんでたじろいだ (※自家訳)

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第2節、アタスンおじ様に声をかけられるシーン。
第2節のハイドの挙動不審さは謎ですが、第10節を読んでから第2節を読むと、「親友に見つかってしまったので正体がバレやしないかと怯えている」というのがわかります。

ハイド(ジキル)としては夜遊びを終えていつも通り裏口から自分の家に帰るだけのはずが、親友に呼び止められたという次第。その後「顔を見せて欲しい」と言われて、躊躇ってから意を決して振り返るのですが、このシーンも正体がバレるのを恐れて「いや、この姿ならバレるはずない、か(多分)」と決心して振り返ったのだろうと思うと面白いです。

右は第3節、アタスンおじ様にハイドとの関係を問い詰められて必死で言い訳を考えるジキルおじさん。
でも個人的には「隠し子」とか言っておけばアタスンおじ様は納得したんじゃないでしょうか。ちょうど外見年齢ならそれくらいの年頃なので。
「突然再会した不義の子に、喩え彼が過去の過ちの産物であろうとせめて遺産くらいは残してやりたかった」とか言ったら、アタスンおじ様もハイドへの遺産相続に積極的に協力してくれたんじゃないかなぁ。

まぁジキルおじさんは裏工作や誤魔化しは得意でも、嘘を吐くのは下手…というのは第3節や第5節を読めばなんとなくわかるのでジキルおじさんらしいと言えばらしいと思いますし、憎めない部分だと思うのですけれど。

There comes an end to all things

→ すべての物事には終わりが来る (※自家訳)

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リージェンツパークでの突然の変身。
表紙の絵の続きの展開になっています。

カルー氏の事件を起こした罪悪感から急に敬虔なクリスチャンに変貌し、必死に慈善活動に励んでいたジキルおじさんですが、何もしない人々に比べれば自分はなんて善人なのだろう、なんて考えちゃっていたのが表紙絵のシーン。
でもそんなことを考えながら目が覚めたら、ハイドの姿に変わっていたのがこのシーン。
まぁ自業自得なんですけど。

問題なのはハイドのままでいれば警察に捕まってしまうので早急に元の姿に戻らなくてはならない。
右の絵は元に戻る手段として友情を回復させたばかりのラニヨンを利用し、解毒剤を調合し終わった所。

理性より欲望の方が強く出ているハイドなので助けてもらっておきながら、ラニヨンへの10年前の復讐の方法などを思いついてしまう。

…いや、こんなオジサン親友にしたくないわ…苦笑

"Jekyll, I demand to see you." "Utterson, for God's sake, have mercy!"

→ 「ジーキル、僕は君に会いたいのだ」「アッタスン、後生だから、ゆるしてくれ!」 (※青空文庫版参照)

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一番好きなシーンでもありますが、絵は左と右で繋がっています。

アタスンが扉を蹴破る前にジキルに話しかけると、ハイドの声で返事が返ってくるというそれだけのシーンなのですが。
遺書を読む限りこの時にはジキルおじさんは自分のジキルとしての理性は失われたものと考えていたようなのですが、"Utterson, for God's sake, have mercy!"という台詞はジキルおじさんの本心から出ているように思えてならなくて。

どうしようもないオジサンだなぁとは思うけれど、このシーンばかりは哀れに感じます。
唯一無二の親友にさえ、一番大切な瞬間に自分を自分として認識してもらえなかったのだから。
私は毒を飲んだ理由はここかなと思うのです。

けれど、第二節の時は正体がバレない事を願っていたのだから、都合が良いと言えば都合がいいのですけれど。

エピローグ The truth of the case - 第9節 DR. LANYON'S NARRATIVE より

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場面:ラニヨンの迎えを待つ

"Confident as I am that you will not trifle with this appeal, my heart sinks and my hand trembles at the bare thought of such a possibility.
Think of me at this hour, in a strange place, labouring under a blackness of distress that no fancy can exaggerate, and yet well aware that, if you will but punctually serve me, my troubles will roll away like a story that is told. Serve me, my dear Lanyon, and save "
Your friend, H. J.


and if that night passes without event, you will know that you have seen the last of Henry Jekyll.


The creature who crept into my house that night was, on Jekyll's own confession, known by the name of Hyde and hunted for in every corner of the land as the murderer of Carew.
HASTIE LANYON

君がこの願いを軽んずるようなことはしないだろうと確信してはいますが、万一にもそんなことがありはしまいかと思っただけでも、私は心が沈み手が震えるのです。
どうか今、私のことを考えてみて下さい。ある妙なところにいて、どんな空想もとどかないほどの暗い苦痛に悩んでいるのです。しかも、もし君がちゃんと私の頼みをきいてくれさえするならば、私の苦しみは一息ひといきのように過ぎ去るだろうということを、よく知っているのです。どうか私の頼みをきいていただきたい、親愛なるラニョン君よ、そして私を救って下さい。
君の友人なるH・J


そしてもしその夜が何事もなく過ぎれば、君はもうヘンリー・ジーキルに会うことはないものと思って下さい。


その夜、私の家へ忍び込んで来たかの人間は、ジーキル自身の告白によれば、ハイドという名で知られ、カルーの殺害者として全国の隅々までも搜索されている男なのであった。
ヘースティーラニョン

ストーリーに登場するシーンで表紙と対になっている+プロローグに対してエピローグ(真相の説明)になっている絵として描きました。

表紙はジキルおじさんで、昼間に公園にいる絵。
エピローグはハイドで、夜中に高級住宅街キャベンディッシュスクエアでラニヨンを待つ絵。

選んだ英文は真相を説明するものになっています。

裏表紙

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イラストのテーマ:アトリビュート

Here then, as I lay down the pen and proceed to seal up my confession, I bring the life of that unhappy Henry Jekyll to an end.

ここで私がペンをおいてこの告白を封緘しようとするとき、私はあの不幸なヘンリー・ジーキルの生涯を終らせるのである。

英文は小説の締めくくりの文章そのままです。
このスケジュール帳を最初から最後まで通してめくった後、裏表紙を閉じるとこの文章が現れる、という想定。物語の終わりを示しています。

裏表紙なのでシンプルなイラストにすることにした結果、アトリビュートとなりました。
アトリビュートというのは美術用語で「特定の人物を示すために描き込まれた事物」のこと。

シルクハット→英国紳士
薬類→医師
緑の液体→変身薬は緑色
折れた杖→第4節に登場した折れた杖

といった感じで、ジキルおじさんを示しています。

完成品

というわけで、かなりこだわって作ったつもりですが、現物が届くまでドキドキでした…!
入稿直前にノンブル(ページ数の描き込み)が必要だとわかったりやっと完成かと思った土壇場で色々あったのですが何とか完成させることが出来ました。
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PP加工でツヤツヤの表紙、なかなか美しいです。

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印刷はかなり濃く出てしまったと思いますが、そのあたりの印刷知識が私には不足しているのでまぁそれも仕方ないです。
次回(あるかわかりませんが)の課題とすることにします ( `・ω・´)+