海に浮かぶ月のはしっこ

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【転職活動】元社畜、コロナショックを受けて戦略を変える:就活をお休みする為に契約社員になる

緊急事態宣言が解除されて一カ月。
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街は以前の賑わいを見せ始めていて、私の周囲では「マスクを求められる」「消毒を求められる」「検温を求められる」等の感染対策への緊張感を除いて元の暮らしに戻りつつあるのを感じます。

私は失業者ですから、緊急事態宣言が発令されようとされまいと大きく生活が変わる事もありませんでした。しいて言うなら「就活するだけ無駄」という状況になっただけで。


前回書いた通り、引きこもり生活も滅茶苦茶忙しく。
漫画描いたり翻訳したりゲーム作ったり、でもちゃんと運動したり。
緊急事態宣言は実質、私にとっては「転職活動をお休みしても良い」という免罪符のようなものになっていました。
とはいえ、コロナショック前にブラック企業を退職して実家に身を寄せている失業者なのでコロナショックを受けて失業した者ではないので援助とかはなくて金銭的にはしんどい思いをしてはいたのですが……


でも自炊のレパートリーは増えたし、外食しなくなったので痩せたし、パワハラをかけてくる上司の機嫌を伺ってビクビクしなくなったため血圧も30くらい下がったんだぞ!(/・ω・)/


勿論、実家は実家で色々な問題を抱えているのでノーストレスというわけにはいかないわけですが。


それはともかくとして。
表題の通り、この期間を経て私は戦略を変えることにしました。
一旦、期間の決まっている仕事に就くことにしたのです。


私はリーマンショック就職氷河期の経験者です。
当時の就職の苦しさはトラウマと呼ぶしかないですし、それでかなり神経をすり減らし鬱に近い症状を繰り返しました。体調は崩しがちになり睡眠は思うように取れず、少しのストレスで吐いたりお腹を下したり…。
何より、「お祈りレター(「ご活躍をお祈りしております」という文面で締めくくられた粗雑な定型文的落選通知)」と一緒に送り返される履歴書にはさみを入れるのが辛かった。

当時のジンクスは今より相当にヤバい。

・履歴書は手書きでなければ読んでもらえない
・文字の丁寧さで人柄と本気度を伺われる
・修正液を使ったら仕事のできないやつだと思われる
・証明写真は写真屋さんで撮影してないとやる気を疑われる
・履歴書は折ってはいけない。クリアファイルに入れて折らずに出す。

でも、

・丁寧に、書き損じの一切ない履歴書を書くのには何時間もかかる
写真屋さんの証明写真は一枚300~400円する
・折らないで送る場合の送料は折る場合の二倍+クリアファイル代がかかる

大学在学中は100社くらい受けたから、web応募を除いたとしても50枚は書いてますよね。内定取り消し後、正社員になるためにアルバイトをしながら二年就活を続けていますが、応募した数は在学中と同じくらいだと思います。
今は履歴書をPCで書くことが許容されつつあるのでそれ以外のジンクスはまだあるのでそれは守るにしても、かなり心の負担は軽いです。
それに、当時は酷い面接に遭遇する確率も今よりかなり多くて、友人とそういった情報を交換する度に震え上がっていました。
一つ上~二つ上の先輩が売り手市場だったため、内定辞退する際に嫌がらせや暴力行為(水をかけられるなど)を受けたという話もよく聞いていましたが、つまり10年前ってそういうのが何となく許されてた時代でした。
それに比べれば凄い気が楽です(-_-;)


それでもやっぱり送り返された履歴書にはさみを入れるのは辛い。
私自身がだいぶ面接慣れしたとはいえ、元々内気な性格ゆえに未だに苦手に感じます。頑張ってアピールするけれど、応募する度にいつも奴隷として身売りしている気分になります。
やっぱり仕事をするより就活する方が嫌いです。


そして何より、「あんなに辛かった就活の末に就職した就職先がブラックだった」なんて信じたくなくて、7年間も耐えてしまった。
コロナショックで就活をお休みしていても、やっぱり就活の事は考えてしまうもので、色々考えるにつけ、「最初言ってた契約と違う…」とか、「タイムカードの扱いが…」とか、「社長の口約束があまりに…」とか、パワハラ・セクハラ以外にも色々あったことを思い出して。
でも当時のブラックはもっと露骨にブラックなのが多かったし、同期の友人たちが過労やストレスで入院した話を聞いては「うちはブラックじゃない」って自分に思い込ませることになっちゃったわけですけど。
今思うとバイト先も相当にブラックだったので(残業すると始末書書かされるため、タイムカードを誤魔化して残業する人が非常に多かった)その辺の感覚は麻痺してたんだと思います。
ちゃんとしてる会社はちゃんとしてるはずなのに。

でも目が覚めるまで2~3年かかっている。
友人達には仕事の愚痴を言う度に「その会社ヤバい」と言われ続けていたのに辞められなかったのです
から。なのであのタイミングで仕事を辞めたのは「辞められた」んだからいいかなと思います。
きっともう半年続けていたら、コロナショックの影響でまた数年辞める事が出来なくなっていただろうから。
だってリーマンショック期の就活が本当にトラウマなんだもん。


だから「ちゃんとしている会社」の正社員になる事が私の望みでした。
自分自身が慎重に見極めないといけないのでキャリアコンサルタントともたくさん検証して、職業訓練卒業後は年末年始を挟んで「良いペースで就活できてるね」、と言った矢先にコロナショック。

また就職氷河期か、とも思って自暴自棄にもなったのですが、前回の経験があるから少し私も冷静だったと思うのです。
外出自粛もそれなりの期間があったので冷静になるまで時間があり、実質私にとっては「転職活動をお休みしても良い」という免罪符でしたから、自分で自分を責める癖もそこまで大きな影響にならなかった。

友人達とのオンラインでのイベント活動でも前職の経験が活用できて役に立てた事で、前職の7年が無駄でないことを何となく感じられたのも大きい。


しかし、就職活動の方も外出自粛になった途端に全く書類選考が通らなくなってしまいまして。それより少し前は面接時期の見合わせとか、リモート、とかもあったのですが、何となく書類選考を厳しくして面接の実施回数を減らしているのかなと察するところもありました。

そんな状況があったので、戦略を変えて緊急事態宣言解除後は初めて就労期間の決まっている仕事に応募しました。


約1年の契約の臨時職員です。
併願もしていましたがそのうちの1つに無事内定しました。


リーマンショックの時期を経験している故の諦めに近いものもあるのかもしれないけれど、
「どうせ正社員になるのに2年かかるかもしれないし、約1年働いて軍資金を貯めておこう」
「この時期じゃきっとアルバイトだって正社員になったらすぐやめるとか言ってる人を採用しない」
日雇い派遣は履歴書に書きづらい」
「なら、契約期間は決まっていてもきちんとしている仕事に…」

……という心境の変化です。
今は何より

また半年間就職活動お休みしていいぞーー!!

って気持ちになってます(;^_^)
仕事も頑張りますけど、仕事がある期間は就職活動の心配をしなくていいからそれが物凄く私にとってはストレスフリーです。
(と言いながらどんな仕事を割り振られるのかさっぱりわからないのでドキドキなんですが…)


ハローワークの担当キャリアコンサルタントにもこの選択を好意的に受け止めていただいていますが、また半年後に就職活動をしなければならないので「半年後またお世話になります、それまでお体に気をつけて!」という挨拶を交わして内定報告としました。


でも気持ちの中では、私にとって仕事って何かな、って思うと、やっぱり「生きる為の手段」でしかなくて、「仕事」と「自分自身の生きる意味や自己実現は結び付きにくいんだな」って思っているんです。コロナ自粛中に繰り返してきた創作活動の時期があまりにも充実していた。

私もクリエイティブ趣味を持ち、それくらいしか自分の生きがいに思えないのに、仕事に結びつけることが難しい中途半端な人間にとっては、「現代社会で生きる為の手段」にしかならないのです。

勿論、私は友人たちに既に「臨時職員なんだから責任を抱え込み過ぎないように」と心配されている程度には努力家で一所懸命なので、仕事に就いたら自制してても頑張り過ぎちゃうんだろうなぁと思っています。
なので私の仕事っぷりは「仕事は生きがいじゃないから手を抜く」にはならないのではないかと。

だからあんまり無理をし過ぎずほどほどが良いし、でもよりよい環境や自分に合った仕事を選ぶことは「高い平均生産効率」を実現し「ストレスによる体力・精神面での大きなロス」を減らす意味で大きなメリットがありますから冷静に仕事を選ぶのは必要な事
効率・利益という意味ではそれは雇い主側ともwin-winなはずなんです。

仕事が自分の人生のベースだなんて考える必要ないのよね。
「生きる為の軍資金稼ぎとしての仕事」と「お金にならないクリエイティブ活動」の二本構えをベースに行きたいなと思います。


リーマンショック時の就活の時は過干渉な親による洗脳も大きく、「仕事をしないなんて現代の大人じゃない」とか「結婚できないやつは人格に問題があるから」とか「女は子供を産まなければならないし、子供を産んで育てる事が女の幸せ」だと本気で自分に言い聞かせていたので余計に辛かったのですが、今はそんなことはちっとも思わない。
法律に背くとかではない限り、自分ではない誰かの人生に「しなければならない」とか「するべきだ」「できなきゃ人間じゃない」なんて親でも言っちゃ駄目。人生観なんて時代によって変わりますからね。
成人してから10年以上経って、ようやくそう思う事が出来た。

この洗脳が解けて、私は明らかに10年前より生きやすくなっていると感じます。

私にとって、気負わずに生きる方法を探したいなって思います。

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