私が一人旅をしようと思ったのは、黒に限りなく近いグレーの会社を辞め、そこから新しい人生を歩むためのターニングポイントにするため…でした。
古代ギリシャ好きとしてはそれをあえて「カタバシス(冥界下り)」と呼びたい。冥界へ降りる行為は死そのもので、地上へ戻る行為は蘇りです。死と再生…行って帰って来る行為はそういう意味があります。
私は今までの嫌なものを全部現世に置いて、新しい人生を歩きたかったのです(╹◡╹)
そのための、ターニングポイント。
自分に自信と度胸をつける為の試練。一度死んで生まれ変わる為の大きな試練。
事前準備
私には気掛かりな事があったのだ:過換気症候群と対策
そう「人生をリセットする」とか「ターニングポイント」だとかなんとか言ってはみますが、英語は出来ない、一人旅なんて国内ですらした事がない私。おまけに去年、ギリシャからの帰国途中で飛行機トラブルに遭遇し、帰国できなくなってしまった時、パニックになって過換気症候群の発作を起こしてしまった…。
そんな事が思い起こされ、「一人でパニくる事だけは避けないと…(;一_一)」という思いもあって。
(↓ その悲惨な帰国の話はこちら)
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(↓ 過換気症候群についてはこちら)
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そして私が考えた対策は……
しっかりと事前準備をする事!!!!
それから毎日カフェや図書館で「地球の歩き方」や旅行記系の本を読み漁り、ノートに書いて予習、予習。
とにもかくにも、目的をはっきりさせ、行く場所、行く為のルート、その方法を取る為に必要なものを全て網羅する事が、自分をパニックに陥れない一番の方法だと思ったのです(^_^;)
そうじゃないと、不測の事態でパニックになる気がしたのでね……勿論、主治医に相談して過換気症候群が起きた時の為の頓服薬ももらっておきました(・ω・)
それに、そういう私の体質の事情は置いといても、せっかく給料2カ月分を叩きつけて一人で旅に出るのです。後で後悔する事だけはしたくない。
行くルートを決める為に目的をはっきりさせよう
行く国をイギリスに決めてからは自ずと目的ははっきりしていました。
私の今回の旅の目的…
それは、「大好きな英文学作品に登場する場所を実際に歩くこと」!!
添乗員付きのツアーだけれどフリー日程が1.5日ある。
最初は専属の現地ガイドを雇おうかと悩んだのですが(旅行の2週間くらい前に「こういう旅がしたいです」という相談をすれば、プランニングから道案内までしてくれるガイドさんを雇えるサイトがあるんですよ!1日あたり5万はかかるけれど)、友人たちの後押しや海外旅行経験の多い友人からの「イギリスは比較的初心者向け」という言葉から「ひ、一人で頑張ってみよう…!自信をつけるために行くんだから…!!」と勇気を振って踏み出すことにしました。
それに自分の行きたい場所や目的がはっきりしているなら、ガイドさんにプランを決めてもらう必要なんてないんだもの。
行く場所をイギリスの、しかもロンドンに決めてからはどこがそれに当たるのかという事を調べるのに毎日のように夢中になりました。
参考にした本で特に参考にさせてもらったのは「○○を旅する○○章」というシリーズで、特に『イギリス文学を旅する60章』の「盲目の大詩人 ジョン・ミルトン」の項目と『ロンドンを旅する60章』の「大英帝国の光と影 ジキルとハイドのロンドン」の項目。
- 作者:辻野 功
- 発売日: 2000/02/24
- メディア: 単行本
『ワールド・ミステリー・ツアー13 ロンドン篇』も面白かったのですが、情報が古かったのでもうなくなっているお店などもありました…残念。
そんな事前学習を経て、訪れる場所を決めていきました。
その結果、「ロンドンから出ている余裕などない」という事がわかりました(^_^;)当初はバースとかも行ってみたかったんだけどなぁ…。
今回訪ねる事にした作品たち
今回訪ねる事にした作品は以下の通り。
●メアリー・シェリー『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』
●ロバート・ルイス・スティーヴンソン『ジキル博士とハイド氏』
●ハーバート・ジョージ・ウェルズ『透明人間』
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上記の彼らは当ブログでもおなじみ、私の入院生活を支えてくれたマッドサイエンティストの祖です(・ω・)
彼ら抜きにこの旅は語れない!!私にとっては彼らが主役の旅なのです。
(オックスフォードはロンドンではありませんが添乗員付きのツアー日程に含まれています)
それ以外にゆかりの地を訪れようという作品たちはこれだけあります。
●ジョン・ミルトン『失楽園』
●アーサー・コナン・ドイル『緋色の研究』他 シャーロック・ホームズシリーズ
●ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』
●J・K・ローリング『ハリー・ポッターと賢者の石』他
ジョン・ミルトン『失楽園』は、これがなければ今の私はなかった、というくらい私にとって重要な作品。初めて読んだ叙事詩です。
「アダムとイヴが原罪を犯した背景には深い因縁と陰謀があったのだ…!」という内容で、主人公は堕天使サタン(ルシファー)。キリスト教叙事詩ですが、異教的な表現として描写されている古代ギリシャの世界に引きずり込まれ、私は古代ギリシャを愛で、巡り巡って古代ギリシャを愛する友人から英文学を勧められたのですよ(・ω・)
シャーロック・ホームズシリーズはお恥ずかしながら全部を読むことが出来ていませんが、『緋色の研究』と短編集を何冊かは。個人的には英国紳士に苦手意識を持つきっかけになってしまったキャラクターなのですが、友人曰く「翻訳者を変えればちょっと違うかもよ!」とのことなので良い翻訳があったら教えてね!
『不思議の国のアリス』は『鏡の国のアリス』共々、中学生の時に読みましたが、大学の時にゼミでレポートを書いた記憶があります。確か、韻を踏んだり言葉遊びのようになっている表現が多い…とかそういった内容で。「愛する作品か?」と言われると少しずれてしまいますが、思い出の一冊である事は確かです。
『ハリー・ポッターと賢者の石』は世代なので、本当に当時から大好きでした。当時からすると熱は落ち着いてしまいましたが……と言いながら先日初めてUSJに行ってルーピン先生の杖買ってたよね…私…(;一ω一)
その他、FGOのアサシンの英霊ヘンリー・ジキル(あんなに可愛くて良い子がヘンリー・ジキルなわけがない)をパートナーにしていたり、アサシンクリード・シンジケートでビッグベンのてっぺんからシャーーーーーッとロープで滑り降りたり、ゲームのジャンルでもゆかりの地に行く事ができますね(*^_^*)
www.fate-go.jp
ユービーアイ・ザ・ベスト アサシン クリード シンジケート 【CEROレーティング「Z」】 - PS4
- 発売日: 2017/05/25
- メディア: Video Game
そして旅立ちの前日…私はドールを作っていた
イギリスに経つ前日……。
私はどのドールたちを一緒に同行させるのかで悩んでいました。
「何でだよ!?」…と言われるかと思いますが、私はドール愛好家ですし、イギリスってドールハウスの聖地でもあるんですよ!!!??
「ウィンザー城のメアリー王妃のドールハウス」が、現在のドールハウスの標準スケール「1/12」を決定づけたとされているのですから!
しかし、今回の旅でそのドールハウスは見る事が出来ません。ウィンザー城は遠いですし、それに旅行の日程中はメンテナンス等の現地の事情でドールハウスを見る事が出来ないという情報があったので…
ううっ、いつかドールハウス旅もしたいです…。
何にせよ、もしも気に入ったドール用小物が売られていたら買う気満々。
それはそうと、私はせっせとドール(オビツ11)を増やしておりました。
一人でホテルで過ごすのも何となく寂しい気がしますし、もし朝早く起きたら、本物のリージェンツパークで写真撮影できるかもしれないから。
(リージェンツパーク:『ジキル博士とハイド氏』で、ジキルおじさんがベンチで日向ぼっこしていると自分の意志と関係なくハイドの姿に変身してしまったという重要なターニングポイントでもある、実在の公園)
そしてこれが、私の作った文学キャラのドール達!(^^*)
持っているのは1/12スケールの豆本です。それぞれ、『ジキル博士とハイド氏』、『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』。以前一目ぼれしてEtsyでハンドメイダーの方から購入したものです。
(↓ 以前私がドールを作った時のレポはこちらから)
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ところが、当初はちょっと写真を撮ればいいかなと思っていたのに、こだわりたくなってドール用のベンチを衝動買いしたり…
「絶対間に合わないから」と諦めたはずのグリフィン(『透明人間』の主人公)を「いや!でもプリムローズ・ヒルに行くならグリフィンがいないと!!」と猛スピードで作り上げたり…。
(やっつけ仕事でごめんねグリフィン…。)
「ハッ!!撮影をするならレジャーシートがなくちゃ!!!」と百円均一ショップに走ったり…せわしない前日でした。
ちなみに、ベンチはシルバニアファミリーの家具です。いつもお世話になっています…。
お家を繋げればヨーロッパ風の街が作れますし、相変わらず小物の完成度と小ささが半端ないし…本格的なドールハウス過ぎてたまらないです。
これを子供のおもちゃとして作ってるエポック社さん本当マジで凄いです。やばいです。大好き。
本格的なドールハウスに憧れるけど、なかなかイギリス製のドールハウスは高価で手が出ないとか何処で買えばいいかわからないという方。シルバニアファミリーがオススメです。お値段は手頃だしショッピングセンターのおもちゃ売り場で買えますし、完成度が高いです。
結局連れていくドールはUSJのハリー・ポッターエリアで購入したお菓子のトランクに入る限界の5体に。(帽子と家具を入れなければあと数体入ります。優秀!)
メアリー・シェリー『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』の主人公でコミュ障な錬金術マニア!人造人間を作ってみたは良いけど怖くなって失神しちゃう天才ヘタレ大学生、ヴィクター・フランケンシュタイン!
ロバート・ルイス・スティーヴンソン『ジキル博士とハイド氏』の主人公で街でも評判の医学博士!外面はいいがその実態はヤク厨の駄目なアラフィフ、ヘンリー・ジキル!
同じく『ジキル博士とハイド氏』の主人公、というよりジキルおじさんの夜の姿!見た目は子供、中身はアラフィフ、チビで萌え袖のショタジジィ、エドワード・ハイド!
ハーバード・ジョージ・ウェルズ『透明人間』の主人公で透明人間になったは良いけど、案外透明人間ライフは楽しくなかった!アルビノの貧乏科学者、グリフィン!
最後に、ゲーム『Fate/Grand Order』より、こんなに可愛くて良い子がヘンリー・ジキルなわけがない!ホテルのフロントの天使、アサシンのバーサーカー、ヘンリー・ジキル!
……というメンバーです(;一ω一)
でも実際、彼らを連れて行って良かったです。実際、ドール達は可愛く、ホテルでも全然寂しくなかったのですから(*^^)
ところがその夜は興奮してほとんど眠る事が出来ず、そのまま朝を迎えたのでした…
★英国一人旅記事一覧
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