2018年12月24日、クリスマスイブの日。
「クリスマスの本来の意味は「イエス・キリストが生まれた日を祝うキリスト教のお祭り」」……くらいの知識しかない私が、クリスマスミサに参列させていただいたお話。
カトリック東京カテドラル関口教会に行ってきました(*‘ω‘ *)
前置き(長い)
私は古代ギリシャとギリシャ神話を愛し、キリスト教叙事詩である1667年のジョン・ミルトン著『失楽園』を愛し、今はメアリー・シェリー著『フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス』を筆頭に、19世紀の西洋文学にうつつを抜かしている。
大学時代、宗教学系の講義で「日本人の宗教観は行事やしきたり等の行動的慣習に同化されてしまっていて、その各々の行事が宗教儀式であるという認識が薄くなった結果、「無宗教だ」と言う人が多い」と聞いたような覚えがある。
(つまり本来の意味が薄くなり、形式しか残っていない)
私の家も改めて考えてみると神道の傾向が強く、お葬式以外の行事はやたらと「氏神様(地元の神社のこと)」にこだわって行う傾向が強い。神棚はあるし仏壇もある。
そして私もクリスマスは「家族と過ごしてプレゼントを交換する日」という感覚が強い。
この年末の日本はクリスマスを祝い、31日はお寺に行って鐘をつき、1日になると神社に行って初詣。
この怒涛の宗教行事ラッシュはよく「外国人に不思議な目で見られる」とネタにされている一連の流れ。でも多分「宗教行事ラッシュ」と思っている人はそんなに多くないような気がします。
私も大学の宗教学の講義でようやく強く認識した(させられた)程度で、やはり感覚としてはふわっとしている。
しかし、大学の講義でそういった事を認識して、『失楽園』を愛して、ディケンズの「クリスマスキャロル」を元にした映画を観ているのだけれど…
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結局、私の認識は本や映画の中の知識をふわっと知っているだけであって、クリスマスの本来の姿を知らないのでした。
きっかけ
きっかけは簡単。
私の所属する団体・古代ギリシャナイトの天使勢:辻 八雲さんからクリスマスミサへのお誘いをいただきました(*‘ω‘ *)
一連の前置きの通り、「何となく知ってはいるけれど実物を見たことがない」私。二つ返事で「行きたい!」と言ったのでした。
百聞は一見に如かず。
クリスマスの本来の定義について、おさらい。
イエス=キリストの誕生を祝う祭り。12月25日に行われる。多くの民族の間にみられた、太陽の再生を祝う冬至の祭りと融合したものといわれる。聖誕祭。降誕祭。
クリスマスとは - コトバンク
また、クリスマスの語源は「クリストゥ・ミサ」の略で「キリスト+礼拝」という意味とのこと。
クリスマス - 語源由来辞典
だから教会でミサ(礼拝)に参列するのがクリスマスの本来の姿に近いかなと(多分)。
教会にて
友人が検討してくれた結果、4人で「カトリック東京カテドラル関口教会」のミサに参列させていただくことになりました。
cathedral-sekiguchi.jp
教会のHPを読むと「司教座のある教会」とのこと。
そういえば、私は海外旅行でローマ及びヴァチカンやギリシャに行ったときに教会を見学させていただいたことがあるけれど、日本では初めて。
なので、なんとなく大きなステンドグラスや壁画が施され、宗教画が飾られている様子を何となく想像していたのだけれど……。
物凄く近未来的な雰囲気の教会でした。
現代風、ともいえるのかもしれない。正面を見た時「鳩か天使かが翼を広げているイメージなのかな?」…と思ったのですが、上から見ると十字架の形を模しているそうなのです。
なるほど。
広場に展示されていた鐘は築地教会のものと対になっているのだそう。
参列の感想
”初めて”の時に抱いた感想っていうのはその時にしか味わえないものだと思うので、覚書きとして思い出す事、印象的に思ったことなどを書いていきます。
ツッコミどころもあるかと思いますが、初心者の戯言だと思っていただけると幸いです(;´・ω・)
聖歌について
流石はクリスマスイブの大きな教会。人が多くて立ち見でしたが、厳かな雰囲気。
入り口でいただいた小冊子には聖歌と呼び掛けに対する台詞がびっしり。
これをプログラムの順番で一緒に歌ったり、神父様の呼びかけに参列者一同で唱和する。
何となく学校の卒業式を思い出します。
ミサっていうと「偉い人の話を聞いたり、聖書を読み上げたりするのかな?」と漠然としたイメージを持っていましたが、それよりなにより、聖歌を合唱している時間の方が多い、多い。
ええー!?こんなに歌うんだ!?
しかしパイプオルガンの美しい音色もさることながら、知らない曲でも楽譜で何となく音程をあわせながら一緒に声を出して見ると、会場一体感と言うべきか、不思議と気持ちが一つになる感覚がある。
ミサに限らず卒業式でも結婚式でも、儀式にリズムや音楽を挿入する事の意味はこういったところにあるのかしら。
一緒に行ったバンギャの友人は「(ファン参加型の)ライブみたい」と言っていましたが、確かに想像以上に参加型イベントという感触が強い。地元の教会のミサに慣れている八雲さんでさえ、「テンション高め」「豪華仕様」と言っていたので、教会の規模が大きい事や人が多い事もそういう感覚を持った理由の一つなのかもしれません。
でも聖歌って難しいのね…!
途中でよく変調するので、子供時代ピアノを習って楽譜の読み方は一通りわかっているつもりの私でも「…あ、あれ?リズムが???」と戸惑い、隣で素敵な歌声を披露していた参列者のお兄さんでも、ところどころ歌声が止まっていたので「これは慣れた人でも難しいのでは?」と思っていましたが…
八雲さん曰く「あれは難易度高めだった!」と言っていたので聖歌のチョイスは教会や行事のタイミングで違うようです。
最後は聖歌三曲連続合唱で閉会されましたが、最後の「もろびとこぞりて」だけ「知っている曲だーー!」とテンションアゲアゲで歌ったので、何となく閉会直後は「全体を通してよく歌った」と誤認しまう不思議。
ちなみに、開会の時も「しずけき」という曲が「あれ…知ってる曲だ…?」と思いましたが、これは「きよしこの夜」の歌詞違いのバージョンでカトリック聖歌らしい、と後ほどネットで調べて知りました。
この二曲は有名なクリスマスソングとしてしばしば一般の学校でもクリスマスシーズンに歌ったりリコーダーで演奏したりしますよね。
最後に「もろびとこぞりて」を歌ったのが、そういった記憶と結びつけられたのか、終わった後で一気に気持ちが「メリークリスマス!!(*'▽')」っていう感じに上がってしまったので、やっぱり音楽には不思議な力がありますねぇ。
クリスマスのお話について
プログラム名は「説教」。神父さまからのお話が行われるプログラムです。
「一体何だろう?難しいお話なのかな…(;´・ω・)」と思って身構えていたのですが…。
イエスが誕生して、東方三博士が訪問するまでのお話。
私でも知っている初心者向けのお話だった……!「本来のクリスマス 入門編」、とも言えるような。
おはなしの中で「こんなに多くの方がいらっしゃるのも一年間にそう何度もない」と仰っていたので、初心者にもわかりやすい入門編なのですね。優しい。
特にクリスマスミサは(私も同じくですが)非信徒の参列者も多いから、そういう人たちが「何か聞いたことあるけどちゃんと知らない」くらいのさじ加減が絶妙なのでしょう。
私も「美術でよく題材にされるテーマ」として美術史知識の延長でしかもっていなかった部分でもあるので改めてお話されると、聞いた時の気持ちや受け止め方が違ってきます。
しかもクリスマスイブの日に、こういう場所で、神父様によって、ですから。
お話としても物語のオープニング感がして素敵(*‘ω‘ *)
聖体拝受について
聖体拝受については何かの映画で観て、どういう意味があるのか、またどういったものなのかを調べた記憶があるのですが実際に行われているのを見るのは初めて。
いや、ミサが初めてなのだから当たり前か(;´・ω・)
確か、カトリックの場合は種無しパンで「キリストの肉」という意味だったと思いますが。見た目はウエハースみたいな感じだとか?写真でしか見たことがないのですが…。
聖体を頂けるのは信徒のみ、というのもその時に知った覚えがありました。
…なんですけど、実際にクリスマスミサに参列して「聖体拝受の時に、非信徒も「祝福」は頂ける」と聞いき、「祝福…とは?」と首を傾げました。
八雲さんに聞いてみたら「「あなたに祝福がありますように」といったお祈りの言葉をいただける」とのこと。なるほど。
そういうわけで、私は祝福のみ頂きました。
(なのでご聖体の実物を見る事はできませんでした。ちょっと残念)
祝福をいただく時は指定のポーズがあるようで、係の方が図を掲げていましたが…ちょうど、フランシスコ・ザビエルの肖像画のポーズ。
祝福を頂く時は、本当にドキドキ。
シスターから優しいお声で祝福のお言葉を頂きました。
お声を聞いた時は妙に感動したものですが、私は非信徒で言ってしまえば「外から来たお客さん」だから、参列を歓迎されたという感じがしたのかもしれないです。
ミサの後で…
ささやかながら献金させていただいて、最後にチャリティのクッキーを買って帰りました(*‘ω‘ *)
頂いた小冊子(プログラムと聖歌の楽譜などがかかれている。音楽祭みたい!)と一緒に。
…と思ったけど、せっかくなので皆で夕食を食べることに。
場所はいつもの「風の蔵」!わーい久々のギリシャ料理だーーー!!!(*'▽')
今年は大切な友人たちと過ごす最高のクリスマスでした(*‘ω‘ *)
関連リンク
せっかくなので一緒に行ったメンバーに関わるものなど。
・古代ギリシャナイト公式HP
(私が所属しているサークル(のようなもの)です)
ancient.gr
・古代ギリシャナイトファンボックス
(たまにこちらでも記事を書いてますので、よろしくです(*‘ω‘ *))
www.pixiv.net
・江口カイム氏
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