海に浮かぶ月のはしっこ

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【映画】「ヴェノム」を観に行ったら"体を共有する共闘者"絡みでブルース&ハルクペアを思い出したので比較してみた

先日新作のマーベル系映画「ヴェノム」を観に行ってきました(*‘ω‘ *)
「不可抗力の変身・異形化」フェティシズムを感じてしまう私。Twitterで流れてきたコメンタリーで「ジキルとハイドの要素があると思う」というのを見て「それは…概念?それとも原作??σ(゚^ ゚)」といらんことを考えてみたり…。
「あまり期待をかけすぎるとガッカリするから観る前に期待はしない」をモットーにしているのに、今作は映画好きの友人たちの絶賛ツイートなどを見る機会も多くて、期待値が勝手に上がってしまって逆に不安がありましたが…予告だけでもテンション駄々上がり!

行くタイミングに迷いながらも「IMAX3Dで観られる間に~!!」と思っていたので行くことが出来て嬉しいです。
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具体的な事はあまり話さない感想を書きますが、「一切ネタバレは嫌!」という方への保証は出来ないのでご留意ください(;´・ω・)
(※映画「アベンジャーズ」シリーズを知らない方向けに私なりの補足も書きます)


そもそも、私は映画「アベンジャーズ」以降のアベンジャーズ関連のマーベル系の実写映画はほぼほぼ観に行っています。
最も、アメコミは読んでおらず映画だけなのでそこらへんはご容赦ください。

アベンジャーズは複数のマーベル系ヒーローで構成されたチームで、クロスオーバー作品みたいな感じです。だから独立した映画なのに本編の一瞬のシーンやエピローグ的おまけ映像で全部繋がっている…というわけで、もしもエピローグやゲスト出演しているキャラが気になって「もういいや全部観よう」って思うと20本(2018年11月現在)観る事になるので、ヤバい。

(※並べてみた)

まぁでも「全部観てないと意味が分からない」というのはあんまりないから好きなの観ればいいと思いますし、「ヴェノム」は明確につながっている感じはしなかったけど、「スパイダーマン ホームカミング」と繋がっている…気がする。
…ので、「スパイダーマン ホームカミング」を観ると、スパイダーマンのピーター・パーカーくんとアイアンマンのスターク氏との出会いが「シビルウォー/キャプテンアメリカ」で観られることがわかって、「シビルウォー/キャプテンアメリカ」を観ると主人公のキャプテンアメリカが何故この状況に置かれたのか知りたくなってきて…という、ええ、沼ですね( ゚Д゚)
楽しいけど。

そういう兼ね合いで個人的な性癖の有無を問わず、「ヴェノム」を観るのは「映画館で観ればよかったと後で思いたくない」という気持ちで自然とスケジュールに入っていたわけです。


元はといえば、複数の映画好きの友人に「えー?私アメコミ系アクション映画好きじゃないんだけど…それとも私が好きそうなキャラクターいる?」と聞いた時に「ブルース・バナー博士」と回答されたことに遡り…。
snow-moonsea.hatenablog.jp

ブルース・バナー博士にハマったかどうかは置いておいて、彼のモデルといわれる「ジキル博士とハイド氏」と「フランケンシュタイン:或いは現代のプロメテウス」の主人公面々にはドハマりしたので好みは外していなかったんだと思います。
ハマったかどうかはおいといて、ね?(*‘▽‘ *)
(※ブルース・バナー博士は実験中の事故が原因で一定の心拍数を越えると緑の巨大な大男ハルクに変身してしまう科学者。ハルクは別人格らしく、ハルクが表に出ている時の記憶はほとんどないらしい)


まぁ、多分「ブルース・バナー博士」にドはまりしなかったのは、彼の釈然としない態度に反してヒーローに昇華されているところかもしれないです。どちらかというと、苦悩に徹する方が好きなので「釈然としないなら釈然としないまま苦悩して欲しかった」なんて、わがままを言う私である(;´・ω・)
いやぁ、体を共有している別人格と交代して戦うヒーローなんだけど。そもそもヒーローなのだけれど。
FGOのジキルさんみたいな感じなのだけれど(あっちはあっちで別人格の存在に苦悩して心を病んでいる。好き。)



今年はギリシャ旅行の翌月に予定していた手術・入院をしたり…かと思えば、長らく体調不良が続いて映画館から足が遠のいていたものですから、本当に久しぶりの映画館堪能だったと言えます。やはりIMAX3Dは良いですね!
臨場感、迫力、音質の良さ…少し高いけれどそれでもIMAX3Dを選んでしまうのは、その没入感にアトラクション的な楽しみを感じているからだと思います。


さて、率直な感想ですが、「(かなり最高に近い部分で)めっっちゃ面白かった!!!


簡単に概要を言うなら、"体を共有する共闘者"であり、バディものとも言えます。
何となく、前述の「ブルース・バナー博士&ハルク」のペアを思い出して比較もしたのだけれど、あのペアとは根本的に違う。
ブルースとハルクは片方が表に出ている時にもう片方は記憶がない事が多く、ブルースも機械運転スキルなどで仲間のサポートはできるけれど基本的に戦闘では役に立たない…というか、そもそも意識がない。
なんだけど、戦いを迫られるとハルクの意思は無視して故意にハルクを呼び出そうとするので、あんまり仲は良くないです。

一方、「エディ&ヴェノム」のペアはどちらが表に出ていても両方の意識が存在しているため、ヴェノムがダメージを受けて瞬間的に気絶したとしても、エディが壁にしがみつく事で致命傷を回避できたりする。
エディは基本的に戦闘には役に立たないけれど、ヴェノムは性質上一人では戦えないので、彼が戦いやすいようにサポートするように動いていくのが非常に面白い。
どちらが表に出るかどうかも意思確認(「~したいか?」と言ったり、咄嗟に「頼む!」と叫んだりね)があったり、パートナーとしてコミュニケーションやバランスが取れているように感じます。


どちらかと言えば、アイアンマン…「スターク氏&ジャーヴィス」のペアに近いと思いました。
(※アイアンマンは大金持ちの科学者スタークさんがパワードスーツを着た姿。ジャーヴィスはアイアンマンとして戦うスタークさんをリアルタイムでサポートするAI。)

"体を共有する共闘者"なので体は一つなのだけれど、何となく"背中合わせで戦うパートナー"、"片方が前線に出、片方がサポートするペア"、そんな感じがします。
エディからすればある日突然、得体のしれない地球外生命体に体を乗っ取られる運命に晒されたわけだから、全く快く思わなくても当然だし、ストーリー前半は拒絶もあるのだけれど、ついブルースと比較してしまうので「案外すんなり受け入れているし良いコンビじゃん!」って思ってしまいますね。


常に体の占有権を奪い合う関係に置かれているブルース&ハルクペアより、エディ&ヴェノムのペアの方が仲が良く見えるのが面白いなぁ(*‘ω‘ *)
ヴェノムはハルクくらいに、暴れだすと手が付けられない奴なのかと思っていたけれど案外理性が働き、彼自身の価値観を基準に行動しがちではあるが、話の通じない奴でもない。ブルースは戦いを好まず敵に遭遇すると逃げ腰になるきらいがあるのに対し、エディは慎重さに欠けた正義感で無茶な行動してしまうタイプなので、ヴェノムとペアを組むようになってからはグイグイ前に出ていく。
ブルースもエディも身体を共有しているパートナーに身体を明け渡さないと戦えない存在、という所は共通しているのに、お互いの性格や行動原理のせいで仲良くできる、仲良くできない、になっているのは面白いです。

ただ、ヴェノムは生きているものしか食べない傾向がある上に、エディの身体を使って食事するので色々大変そうですが(笑)
ペアとしてのエディ&ヴェノムの関係性についての感想はこのくらいでしょうか。


キャラクターとしての感想ですが、「ヴェノムが可愛い」Twitterでは話題になっていますけれど、「確かに可愛い」と私も思いました(笑)
それはきちんと明確な個性、性格があり、そこに愛嬌があるからでしょうか。単純に狂暴な地球外生命体ではありませんでした。エディに対して好意的に思っている部分が多いのか、茶化したり意地悪を言ったりするシーンもあるのですが、彼の背中を後押しするような台詞を口にしたり、そんなところに「なんか…やんちゃだけどいい奴じゃん(*‘ω‘ *)」っていう感想を抱いてしまうのです。

エディはエディで正義感は強いけれど深く考えずに行動しがち。駄目な部分もたくさんあるのですが、元カノを恋しがったり、冗談を言いながら友人にお金を渡したり…精神の根っこの正義感の強さはあるものの、自分の置かれた環境や境遇で気持ちが揺らぐ、人間臭くて感情移入しやすいキャラクターだと思いました。ちょっとコミカルな部分も親しみやすくていいですよね。

ヴェノムのドロドロのビジュアルも異形感があって好きです(*^^*)
個人的にはカーチェイスシーンが最高でした。まだエディが何が起きているのかわかっておらずパニックになっているのに体の動きだけ人間離れしてて(笑)


さてさて。
冒頭で「Twitterで流れてきたコメンタリーで「ジキルとハイドの要素があると思う」というのを見て「それは…概念?それとも原作??σ(゚^ ゚)」といらんことを考えてみたり」と書きましたが……私の主観では、それの回答は前者です(・▽・ )

私の解釈だと原作は「ジキルおじさん個人の"立派な人物だと思われていたい"という承認欲求と"放蕩に遊び耽りたいけど評判が落ちるのは嫌"という葛藤」だと思っているので、1人の体に2人存在するわけではないので…。
ただ、「1人の体に善の化身と悪の化身の2人が存在する」という概念としてそのコメントを解釈するのなら、正義感に駆られるエディと狂暴で人間を餌にする地球外生命体のヴェノムで2人。
ブルースとハルクのペアはアベンジャーズ関連映画の中では無理矢理押さえつけている部分があってうまくいっていない印象を受けますが、エディとヴェノムのペアはタイプの違う二人がうまく折り合いをつけているので2人の関係はハッピーエンドだと思います(*‘ω‘ *)

…いや、でもエディとヴェノムは分類的にはヴィラン(悪)側っぽいのですけどもね?


と、好き勝手に語らせていただいて気が済んだので、今日はこの辺りで締めくくりたいと思います。

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元ネタを遡ったり、関連作を観てみたり。
一つの作品から連想ゲームのように、もしくは枝葉を広げるように、様々な世界に飛び込んでいくのは楽しいです(^^*)
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