海に浮かぶ月のはしっこ

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【雑記/読書/神話】「テュアナのアポロニオス伝」を探して

厄日だ…。
思わずそんな言葉が漏れる程、ついてなかった。

「テュアナのアポロニオス伝」を探し、ちょいと苦労しましてね。

そろそろ締め切りも差し迫ってくるので頭を古代ギリシャに切り替えなければなりません。
このブログではゴシック文学の話ばかりしているものの、私のメインジャンルはギリシア神話なのです。
漫画を描くのも解説するのも全く本業ではないド素人ですが、だからこそ全力出さないと。

今回私の取り組むテーマは「アイソーポス」です。二回目と言えば二回目なのだけれど。
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世界一有名な寓話作家…そんな彼を人々は英語読みで「イソップ」と呼びます。


(うーん、最近主に某ヤク厨の博士と某その親友の弁護士のせいでおじさんばかり描いているなぁ…)

☆これまでのお話
snow-moonsea.hatenablog.jp
snow-moonsea.hatenablog.jp

「イソップ伝」と共に私が求めていた資料、それが「テュアナのアポロニオス伝」。
どちらの資料も、新書「イソップ寓話の世界」で引用されていたものです。

イソップ寓話の世界 (ちくま新書)

イソップ寓話の世界 (ちくま新書)

「イソップ伝」はアイソーポスの生涯をイメージして作られた紀元後10世紀頃の創作伝記です。
その元ネタはヘロドトスの「歴史」に垣間見ることが出来るけれど、割と短い一節です。
そして「テュアナのアポロニオス伝」は、アイソーポスがヘルメス神によって寓話の文才を授かる神話が綴られているとのこと。

「イソップ伝」の翻訳を無事手に入れ、「テュアナのアポロニオス伝」を手に入れなければ。と思っていた所、翻訳が出版されている事を知りました。

テュアナのアポロニオス伝1 (西洋古典叢書)

テュアナのアポロニオス伝1 (西洋古典叢書)

このシリーズ、何冊か持っているけれど結構分厚い。かさばると困るし、今回必要なのは数ページだけだろうし、「1」ということは「2」もあるのだろう。図書館にあるのなら借りて該当部分だけ参照させてもらおう。

…と思ったのが運のつきだった。

蔵書は家から一番遠い県立図書館にあるそうなので、最寄りの県立図書館を訊ねました。
昼過ぎに友人とランチの約束をしていたのでその前にぱぱっと行ってきてしまおう、と思ったのですが、いざ図書館に行くと、図書館がなかった。

いくつか存在する県立図書館は数年前に統合されてしまったらしい。
どうやら県庁裏の文書館まで行けば本の取り寄せ手続きが出来るらしい、ということで少し足をのばすことに。
しかし今度は県庁の文書館の入口がない。建て替え工事中であった。

臨時窓口が近辺にあるとのことでそこを訪ね、ようやく仕事が終わった…と思ったら。
私が必要としている資料は5巻であり、「1」には4巻までしか収録されていないという事実をある友人に教えてもらった。
しかも「2」は発売が延期になったまま、発売日未定になってしまっているらしい。


この件はある友人の力と天使の如き好意によりどうにかなったのでことなきを得て、涙ぐむくらい心底お礼を言った。
「テュアナのアポロニオス伝」の5巻以降を日本語訳で読むということが、そこまで貴重な資料だと思っていなかったことが全ての敗因。感謝しかない。
私、残念ながら古代ギリシャ語は読めないのだもの…。英語も英語字幕を読むために一時期凝って勉強しようとしたものの、なんとなくしかわからない。(でも海外通販くらいはできる)

しかし、本当に厄日だわ!…と思うのでした。

スマホゲーのFGOでは期間限定シナリオで主人公が延々と原稿の締め切りに追われているけれど、締め切りの迫った解説漫画を描くためにこうやって資料集めをしているのに、息抜きでゲームをしたらこちらでも原稿の締め切りに追われるとはなんと心の休まらない事か!


でもランチが美味しかったので良しとしましょう…厄日だという思いは変わらないけれども。
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某友人が恋した幸せのパンケーキを、私も。
オムレツみたいに卵の味が濃いのですね。ふわふわあまーい。