海に浮かぶ月のはしっこ

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【読書】「イソップ伝」完訳と翻訳違いヴィクターくんを買いました

ついにアイソーポス先生の伝記(ということになっている)「イソップ伝」の完訳を入手できたー!やった~!
アイソーポスは英語でイソップといいます。
アイソーポス
子供の読み物扱いされているけどあんまり子供向けじゃないイソップ寓話の世界。

それから、翻訳違いのヴィクターくん(「フランケンシュタイン~或いは現代のプロメテウス」)を買いました。

☆これまでのお話
snow-moonsea.hatenablog.jp

渡辺和雄氏訳のイソップ寓話集に「イソップ伝」こと「イソップの生涯 哲学者クサントスとその奴隷イソップ、イソップの身の上話の書」の完訳が収録されているとのことで探してみたものの。


イソップ寓話集〈2〉 (1982年)

イソップ寓話集〈2〉 (1982年)

この通り絶版でしたが運良く古書店の通販で購入することが出来ました!
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商品写真を見る事が出来なかったのですが、実物は外箱もついていて状態もいい感じです。
本体の角潰れ等のダメージもあったけど、全体的にきれいなので全然気にならない。良い買い物をしました。

そして肝心の「イソップ伝」ですが…
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マジで完訳載ってるーーー!!!!
フッフーーーゥ!!(*'▽')

参考書代わりに新書「イソップ寓話の世界」を引っ張り出してきてぼちぼち中身を読んでみる。

イソップ寓話の世界 (ちくま新書)

イソップ寓話の世界 (ちくま新書)

アイソーポスは紀元前6世紀頃を生きた人とされていますが、「イソップ伝」の成立は紀元後10世紀頃。とすれば、やはり伝説を元にした創作と考えるのが通常でしょう。
イソップ寓話の世界」で「イソップ伝」に触れられている箇所を読んだ際は"完全な創作である"と言いきられてたものの「ふーん…?」という感じ。だけど実際に読んでみて、確かにこれは創作っぽい。
よく出来過ぎているのもあるけれど、イシスの巫女が登場するシーンで「エジプトの神との融合が始まった時代とアイソーポスの生きた時代って違うような…」とか、そういう何となくの違和感。
あまり古代ギリシア史には詳しくないのでふわっとした「違うような」なのですが。

でもヘロドトスの「歴史」にアイソーポスの名は登場しているので完全なる想像上の人物ってわけでもなさそう。

歴史 上 (岩波文庫 青 405-1)

歴史 上 (岩波文庫 青 405-1)

歴史(中) (岩波文庫 青 405-2)

歴史(中) (岩波文庫 青 405-2)

歴史 下 (岩波文庫 青 405-3)

歴史 下 (岩波文庫 青 405-3)

(私が持っているのは岩波書店版ではないけれど…)

なので、多分「イソップ伝」のこれは「おれの考えた最強のアイソーポス先生」なのだと思います!

そう考えて読むと、「醜く賢い奴隷アイソーポス先生VS主人で哲学者クサントス先生」の攻防が俄然面白くなってくるところ。「イソップ伝」のアイソーポス先生、かなりずる賢いし揚げ足取りの名人で天邪鬼。奴隷(労働者)に雇いたくない。
大概はアイソーポス先生にクサントス先生が言いくるめられて「ぐぬぬ…」ってなる感じの話。

まだ最後のアイソーポス先生の死まで読み終えていませんが、一応結末は「イソップ寓話の世界」で読んだので…これからのアイソーポス先生の多難を思うと悲しい。


そしてこれも買いました。

フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)

フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)

翻訳違いヴィクターくん。
でもジキハイと比べると、思ったより新潮文庫版と大きな差はありませんでした。
ただ、心なしか状況がつかみやすかったのは何周目かだからなのか、翻訳の差異なのかはっきりしないですね。光文社版の方が紙が白いので文字が見やすい気はするのですが。

相変わらずヴィクターくん可愛いです(*‘ω‘ *)

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