海に浮かぶ月のはしっこ

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【映画】ヴィクター・フランケンシュタイン(2015年)

私の理想のヴィクターくん探し。ダニエル・ラドクリフ氏が狂言回しポジションで主演した映画。
ジャンルは「マッドサイエンティストモノホラー」「SF」。原作にあった「疑似親子」要素はない。


作品情報

「ヴィクター・フランケンシュタイン」(Victor Frankenstein)
監督:ポール・マクギガン
原作:「フランケンシュタイン~或いは現代のプロメテウス」(Frankenstein: or The Modern Prometheus)
製作国:アメリ
公開年:2015年

視聴時期:2018/6(DVD)

私の読む前の前提知識

きっかけ

原作を読んですっかりヴィクターくん推しになってしまった私は「理想のヴィクターくん」を探してTSUTAYAを歩き回ったのであった…。

※参考
snow-moonsea.hatenablog.jp

ミリしら ~タイトルだけで知った気になっていた内容~

原作読了済なのでミリしらも何もないけど、「原作に忠実ではない」という事は認識していた。
恐らくはヴィクターくんはマッドサイエンティストみが強い感じにアレンジされているであろう。
今作はDVDスルー(=日本で劇場公開されなかった)なのであまり過度な期待はしていない。

観た結果

→ 結果: 予想通り

原作とはかけ離れた内容であるものの、故に展開が全く予想が出来なくてワクワクしちゃった…!

感想

今作を観る直前に1994年版「フランケンシュタイン」を視聴している(こちらはかなり原作寄せたストーリー構成)。今作の映画が始まって10分もしないうちに抱いた感想は「今風~!観やすい!」である。ストーリーも「今風」という印象を受けた。原作と全くストーリーも異なるので展開が予想できず、正直続きが気になってワクワクしてしまった。

これはやがて世界で最も有名な"狂った天才"として名を知られることになる若きマッドサイエンティスト、ヴィクター・フランケンシュタインの野心を助手・イゴールの目線で語った物語です。

ヴィクター氏(自称・原作原理主義者の私「彼はどう見ても原作寄りではないから絶対にヴィクターくんとは呼ばない」)を見て私は何となくトニー・スターク(アイアンマン)を想起していた。傲慢で大胆不敵、でも虚栄を感じる。イゴールとの関係もスタークさんとアベンジャーズメンバーとのやりとりを何となく思い浮かべて。そしてマッドサイエンティストらしく若干のサイコパスみを感じます。

ストーリーに関しては、「ヴィクター氏が生命の創造にこだわる理由は何か」が物語の要となっており、人造人間が誕生するのはクライマックスに入ってから。(原作は人造人間との攻防が中心の物語)
その理由はストーリーの要なので伏せますが、その理由と人造人間が誕生した時の彼の反応がリンクした瞬間は、なかなかにグッとくるものがあります。この瞬間で「結構好き…かも」と思わされてしまった。

エンディングは後味が悪くないのがカジュアルに観られそうでいいかもです。

※参考

独自研究など

本作の狂言回しであるイゴールは、原作には登場しないキャラクター。どうやら1931年版映画(ユニバーサル版シリーズ)の続編に同名の登場人物がいるらしい。また、キーパーソンに"ヘンリー・フランケンシュタイン"の名前が挙がる。これは1931年版の映画の主人公のことで、原作のヴィクターくんに相当する人物(雷をバックに高笑いするTHE・マッドサイエンティストって感じが強い)。
このことと、本作を観て原作に寄せている感じはしなかったため、ユニバーサル版シリーズを意識しているのかもしれない。
まぁ、実際に観ないと何とも言えないのだけど。

なお、ユニバーサル版シリーズでイゴールが登場するのはこれ。ユニバーサルシリーズ3作目とのこと。いや…でも、流石にここまで掘り下げるのはきついかなぁ…、ヴィクターくん出ないし。

ミリしらの理由(現在構築されたイメージとの差異の原因)

特になし。
まとめは「【読書】フランケンシュタイン~或いは現代のプロメテウス」へ。
snow-moonsea.hatenablog.jp

関連作品

フランケンシュタイン [DVD]

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1931年版…強すぎる。(まぁ今検証に役立っているから観ておいて良かった、かな…)
原作に寄るかこっちに寄るか…っていう二極化を感じる。でも別の製作会社のシリーズもあるようなので沼っていうか、海。